夏と冬の車内温度の変化
真夏の車内温度は、エンジンを切って20分もしないうちに40℃を超える室温に達してしまうことをご存知の方も多いと思います。
JAFが行った車内温度を調べる実験では、自動車の塗装の色に関わらず窓を閉め切っている場合は20分程で40℃を超え、40分を過ぎる頃には50℃近くになることが分かりました。さらに窓を少し開けている場合やサンシェードをつけている場合でも、それほど大きな差はありません。
このことは、近年の熱中症に関わる事例とともに広く周知されつつあります。しかしそれでも、真夏に子どもが車内に置き去りになり、熱中症で死亡する事故がゼロにならないのはとても残念なことです。また同じように、犬も同じように車内で熱中症になる事例があります。
では、冬の場合はどうでしょうか。夏に比べると危険が少ないのではないかと思われがちですが、真冬の場合は外気が低いことから車内の温度も時間とともに低下していきます。
真冬の場合、外気温にもよりますが、エンジンを切って1時間もすると室温は10℃以上も下がってしまうそうです。雪山の場合は、3時間もすると室温も氷点下になってしまうようです。
冬に犬を車内に放置しても大丈夫?
気を付けている人が多い真夏をのぞき、その他の季節では、犬を車内で留守番させたまま買い物などをしている人を見かけます。クレートに入れて短時間であれば大きなトラブルにはならないかもしれませんが、できるなら愛犬を車内に置いたままで留守番させるのは避けたほうが良いでしょう。
ここでは、犬を車内で留守番させるデメリット、あるいはリスクを考えてみましょう。
事故の危険性
時折犬をクレートに入れず、車内の座席でフリーで留守番をさせている車を見かけます。これは大変危険です。
自由に動けてしまう犬は、飼い主さんに置いていかれて心細い思いをしながら、なんとか追いかけようと試みることがあります。座席を前後左右動き回ったり、運手席に移動してみたり、なにかのボタンを押してしまったりするかもしれません。
また身体が小さい犬の場合、自動車の座席の間に落ちたり足を引っかけたりして怪我をする可能性もあります。車内をフリーに動けるようにしたまま留守番をさせるのは絶対やめましょう。
子どもを乗せるときにはチャイルドシートを使用するのと同様に、事故防止のためにも犬を車に乗せるときは適切なサイズのクレートを使用しましょう。
室温低下の危険性
前述の通り、真冬は外気温が低く、車内はエアコンをつけていても、エンジンを切ると一気に室温が下がります。エンジンを切って3時間もすれば外気温と変わらないほどです。
そのため、比較的寒さに弱い犬種などは冬の車内に置き去りにすることは、低体温症などのリスクが高まる行為と考えられるのです。
原産国が寒いところの犬や被毛が豊富な犬、衣類を着ている犬であれば多少は低くなった室温の影響を受けにくいかもしれません。しかし、長時間の留守番では身体をじっとさせていなければならず、犬にとって大きなストレスになりますし、年齢によっては寒さで抵抗力が低くなります。
10分程度のお留守番であれば可能ですが、1時間、2時間もかかるような留守番は犬の体温と体力の消費が激しいため、車内での留守番の時間が長くなるとあらかじめわかっている場合は自宅で待機させましょう。犬と外出の途中でどこかに寄る必要ができた場合は、できるだけ早く用事を済ませましょう。
最近は冬のキャンプなどが流行していますが、そのような環境に愛犬を連れていく際には、クレートの中にはしっかりと毛布や湯たんぽなどの防寒グッズを用意してあげたほうが良いでしょう。
まとめ
今回は、冬に車内に愛犬を置いたままにするリスクとその対策について解説しました。
夏同様に、冬に車内に愛犬を留守番させるリスクがもっと一般的に周知され、犬たちが事故や病気などの危険にさらされないようにできるとよいですね。
真冬に一緒にお出かけする際は、愛犬の防寒グッズもぬかりなくご用意ください。