犬の散歩は毎日いくべき?
犬にとって毎日の散歩は、運動をするため、排泄をするためだけが目的ではありません。散歩は毎日行くべきだと思いますが、単純に散歩に行けばいい、というわけでもありません。
よく「小型犬はあまり散歩しなくても大丈夫」とか「大型犬は1回30分の散歩を1日2回するべき」などと言われていますよね。
どれくらいの距離を歩くのか、どれくらいの時間を歩くのかよりも大事なことですが、『散歩の質』を重視して考えるとよいと思います。
社会性を向上させるため
犬の散歩に毎日行くべき理由は、愛犬の社会性を向上させるためです。
散歩中は、飼い主と愛犬とのスキンシップやコミュニケーションの場でもあります。そして、散歩中に出会う人や犬とのスキンシップやコミュニケーションが愛犬の社会性を向上させるきっかけになります。
散歩中、愛犬に声をかけていますか? 「あの角を曲がろうか?」「信号が赤だからちょっと待とうね?」など、積極的に声をかけながら歩いてみてください。
五感を刺激するため
犬の散歩に毎日行くべき理由は、愛犬の五感を刺激するためです。
犬の五感を刺激することには、「本能的な欲求を満たす」という意味があります。動くものを目で追ったり、地面や空気のニオイを嗅いだり、刺激を受けて満たされる欲求によって、ストレスも発散されます。
散歩中、他の人や犬に向かって吠える、という行動に悩む飼い主がいらっしゃると思います。社会性が身についていない可能性、本能的な欲求が満たされていないなどの可能性が考えられます。
恐怖感から吠えてしまっている場合は、慣れない環境に対する恐怖の積み重ねで吠える回数が増加するなど悪化してしまう場合もありますので、慎重に行う必要があります。しかし、五感を刺激することで問題が解決されることがありますので、ぜひ毎日の散歩を習慣にしてみてください。
犬種別の運動量の目安
ではここからは、犬種別の運動量の目安について解説します。全ての犬種について書くことはできませんので、あくまでも目安として参考にしていただければ幸いです。
柴犬
柴犬に必要な1日の運動量は、「体重×1km」が目安とされています。体重10㎏の柴犬では、1日に10kmの距離を目安にお散歩をするとよい、ということです。
朝のお散歩で5km、夕方のお散歩で5kmと分けてお散歩すると考えて計算してみました。5kmのウォーキングをするのにかかる時間の目安が「50分」とされています。つまり柴犬には、朝と夕方に分けて、それぞれ50分のお散歩をするのが目安、ということになります。
実際時間を作るのも大変ですし、1日10kmも歩く必要があるのかな?と少し考えてしまう運動量ですよね。あくまでも目安とされている量ですので、愛犬の体力に合わせてお散歩するとよいと思います。
トイプードル
トイプードルに必要な1日の運動量は、「1日2回」「20分ずつ」が目安であるとされています。
トイプードルには活発な犬も多く、20~30分でも満足してくれないことがあります。室内犬だからあまり散歩に行かなくても大丈夫かも…と思っていると、問題行動の原因になりやすいです。
社交的でフレンドリーな性格なので、散歩中に出会う人や犬とのコミュニケーションも好む犬です。あまり散歩の時間が作れない場合でも、散歩中の出会いを楽しみながら歩くことで毎日の散歩の質を向上させることができると思います。
フレンチブルドッグ
フレンチブルドッグに必要な1日の運動量は、「1日2回」「30分ずつ」が目安であるとされています。
短頭種であるため、呼吸器系があまり強い犬種ではありません。体温調節が苦手で、散歩中、激しくパンティングすることがあります。夏場は熱中症にもなりやすい犬種です。
1日2回30分ずつはあくまでも目安です。愛犬の体調を第一に考え、散歩の途中で抱っこしたり、早めに帰宅したり対応するべき場合もあると思います。
散歩が大好きで運動量を必要とする犬である場合には、暑くなりすぎないように日陰を歩いたり、水を常備して休憩しながら歩いたり、1日3回に分けて散歩するなど対応するとよいと思います。
まとめ
犬にとって毎日の散歩には、運動や排泄をすること以外の目的もあります。
我が家のポメラニアンは、散歩があまり好きではありません。毎日散歩には行きたがるのですが、自分の足で歩くことは好きではないのです。排泄も自宅で済ませるため、散歩の目的の中に排泄はそもそもありません。運動や排泄ではない目的があるのだ、ということがよく分かりますよね。
とはいえ、外に行かないと絶対に排泄しない犬もいます。排泄や気分転換、コミュニケーションを兼ねてのお散歩はどの犬にとっても大切な時間です。
散歩に行きたがらない犬も、毎日散歩に行きたがる犬も、理由や目的を考えてあげると、飼い主と愛犬のお互いが楽しく散歩できるのではないかと思います。