犬は視力は低いが色の識別能力はある
一般的に犬は、聴覚や嗅覚は優れていることで知られています。しかし視覚能力は低く、視力は0.2〜0.3ほどしかないといわれています。
しかし、視力が悪くてもある程度の色を識別する能力があることが判明しています。人間と比べると認識できる錐体細胞が1種類少ないため、その分、識別できる色の数は少ないですが「ある色」ははっきりと識別できていることがわかっています。
反対に認識できない錐体細胞の色は、すべて同じ「グレー」に見えているといわれているため、識別することが難しいと考えられています。
犬が好きな「色」は?その理由も解説
犬は人間よりも識別できる色の数は少ないですが、ある色ははっきりと識別できているといわれています。では、犬はどのような色を識別しやすく好むのでしょうか。ここでは犬が好きな色について解説します。
1.青色
人間の錐体細胞は「赤」「黄色」「青」であるのに対し、犬の錐体細胞は「黄色」「青」であることがわかっています。そのため、青色は比較的はっきりと認識できる色の1つです。
青色ならば他の色よりも色濃く識別することが可能なので、青色のおもちゃやフードボウルを用意してあげると認識しやすくなります。
ちなみに、紫色も青っぽい色として認識するといわれますが、人間のようにはっきりと紫とは識別しにくいとされています。
2.黄色
黄色も犬にある錐体細胞の1つなので、はっきりと識別できる色の1つです。また、青色よりも蛍光色なのではっきりと目に写ることが多く、楽しく遊ぶおもちゃの色に最適です。
黄色ははっきりと「黄色」として目に映っていますが、緑やオレンジも黄色っぽい色として目に映っていると考えられています。
緑やオレンジは緑、オレンジとして正確に認識することは難しいですが、色としてはっきりと目に印象付けられる色でもあります。
3.場合によってはそれ以外の色を好む場合も
青や黄色ははっきりとその色を認識できるため、犬にとっても目に飛び込んできて楽しい色として認識されることが多いようです。また認識しやすいため、おもちゃで遊ぶ時にも犬が選びやすい傾向にあります。
しかし、就寝時や休憩時など気分を落ち着かせたい時には、あまり刺激的ではない色が望ましいですよね。その場合は、青や黄色といった認識しやすい色ではなく、ぼんやりと認識できる色味の方が好ましいでしょう。
白や黒といったモノクロの色味の方が落ち着いて眠れるという犬も多いため、寝具は認識しやすい色を避けて選ぶことをおすすめします。
見分けにくいから…犬が苦手な色は?
犬がはっきり認識できる色がある一方で、認識できないあるいは認識しにくい色もあります。例えば、人間は赤の錐体細胞を持っていますが犬は持っていません。そのため、赤は認識できていないことが多いのです。
現在の研究によると赤色はグレーに近い色に見えているといわれており、モノクロの世界に溶け込んでしまうという認識です。
そのため、はっきり色を認識させたい時は識別を苦手とする「赤」を避けて色を選ぶと、認識しやすいかもしれません。
まとめ
いかがでしたか。今回紹介した「色」に関する情報は、今現在判明している研究によるものです。今後さらに犬の色を見分ける能力に関する研究が進められるかもしれません。より詳しい事実が明らかになることを楽しみに待ちましょう。