1.遊びたい
甘噛みは犬にとってコミュニケーションの一貫です。特に子犬にとっては、親や兄弟犬と遊ぶときの自然な行動だと考えられます。そして、犬同士の場合は強く噛みすぎた場合に叱られたり、遊んでもらえなくなったりして、噛む力加減や噛んでいい場所などを学ぶきっかけとなるのです。
子犬が飼い主さんの手や洋服にそでなどにじゃれつくように甘噛みをしてくるときは、単純に遊びの延長としているだけで攻撃しているわけではありません。
甘噛みをやめさせるためには、噛んできたら遊びをやめて無視をするということをくり返しましょう。そうすることで、「歯が手に当たると楽しい遊びが終わってしまう」という学習をして、歯が当たらないように注意するようになるのです。
甘噛みをしなければ遊びを続けてあげることで、それがごほうびとなって「甘噛みをしない」という行動が少しずつ定着していきます。
2.かまって欲しい
犬に甘噛みをされると、その痛みからつい大きな反応をしてしまうことがあると思います。犬がすることだから、と叱らずに優しく対応してしまうこともあるでしょう。
しかしそのような対応をしていると、犬は「噛むとかまってもらえる」と学習してしまい、遊んで欲しいときや気を引きたいときなどにわざと甘噛みをするようになることがあります。
甘噛みをしているときに、笑って受け流したり、頭をなでながら「だめだよ」などと優しく対応したりするのはNGです。甘噛みをやめさせるためには、こちらが嫌がっているということをしっかりと伝えなくてはなりません。
そのためには、甘噛みをしてきた瞬間に「痛い!」と大きな声を出してそのままほかの部屋に行ってしまったり、遊びを中断して1分ほど無視したりすると効果的です。そのような対応をくり返すことで、犬はなぜ遊んでもらえなくなったのか、かまってもらえないのかを考えて学習します。
3.口の中がかゆい(歯の生え変わり)
子犬が甘噛みをする大きな理由として考えられるのが、「歯の生え変わり」です。
子犬は生後3~4か月頃から少しずつ乳歯が抜けて、永久歯へと生え変わります。歯がぐらぐらしたり、抜けたりするときには歯ぐきがむずむずしてかゆくなることがあります。そのため、口の中のかゆみや不快感を解消するために、近くにあるものを噛もうとするのです。
この時期の甘噛みについては、生え変わり期の不快感をなくしてあげるために噛み心地の良いおもちゃを与えて対応してあげましょう。あまり硬すぎるものではなく、歯ぐきを程よく刺激できるおもちゃがいいでしょう。歯の生え変わり期用のおもちゃなども販売されているので、ぜひ参考にしてみてください。
4.本能やストレスの発散
犬は甘噛みをしようと思っているわけではなく、本能的に思わず噛みついてしまったり、ストレスを発散するために近くにあるものを噛んだりすることがあります。目の前で手が動いていたり、洋服のすでやすそがひらひらしていたりすると、動体視力が優れている犬はつい気になって、飛びついたり噛みついてしまったりします。
このようなことを防ぐためには、犬の前ではややゆったりを動くように意識し、噛んで遊べるおもちゃなどを用意して本能やストレスの発散をできるようにしてあげましょう。
まとめ
犬の中でも、特に子犬が甘噛みをするのはごく自然な行動です。過度に叱る必要はありませんが、「甘噛みであっても人の手や服に歯を当ててはいけない」ということはしっかりと教えなくてはいけません。犬同士であっても強く噛みすぎれば叱られ、甘噛みをすることで噛むときの力加減を学ぶのです。
犬が甘噛みをしてきたときは、その心理を考えつつ、いかなる理由であっても『人に歯を立ててはいけない』ということをきちんと教えてあげましょう。甘噛みをしてきたときは、しつけのチャンスだと思ってぜひ取り組んでみてくださいね。