犬に誉め言葉は伝わっている？
犬のしつけをしているときに「すごいね！」「いいこ！」「グー！」などのほめ言葉を使ったり、コミュニケーションを取るときに「かわいいね」「えらいね」などの言葉をかけたりすることがあるのと思います。
こうした愛犬を誉めるときに使っている言葉は、犬にその意味や気持ちが伝わっているのでしょうか？
基本的に犬は、人間の言葉の意味を正確には理解できません。それは、人間と犬という異なる種類の動物のため、正確に伝わる共通言語を持たないため仕方のないことでしょう。
しかし、私たち人間は犬の行動や仕草を観察し、研究することで犬の感情を理解できるようになってきています。それと同様に、犬たちも私たち人間の表情や行動を日々観察し、そこに含まれる感情を少しずつ理解しているのです。
もちろん、一度聞いただけでは理解できませんが、何度も同じ言葉を聞いていると、その場の状況や飼い主さんの表情・仕草などから大まかな意味を理解できるようになってきます。
「散歩だよ」「散歩に行こう」と言って散歩に連れ出す、という一連の行動を毎日行っていると、「散歩」という言葉は『外に遊びに行く』という意味だと理解します。これと同様に、「ご飯」「トイレ」などの言葉の意味も理解しますし、誉め言葉や叱る言葉にしても同じことが言えます。
「すごいね」「いい子」などの誉め言葉を聞くたびに、飼い主さんが笑顔になっていたり、優しくなでてくれたり、大好きなおやつをくれたりすると、その言葉にはポジティブな意味があるということがわかってくるのです。
犬に誉め言葉は必要？
そもそも、言葉の意味を正確に理解できない犬に対して、誉め言葉をかける必要があるのか疑問を感じる人もいるかもしれません。「言葉はなくてもなでればいいのでは？」「おやつをあげればいいのでは？」と思う人もいるでしょう。
しかし、誉め言葉は犬と飼い主のコミュニケーションにおいて、とても大切なものです。愛犬を喜ばせるだけでなく、しつけのトレーニングをするときや日常生活の中で飼い主さんの意思を伝えるためにも必要です。
犬のしつけをするとき、いいことや悪いことの評価をする上で重要なのがタイミングです。誉め言葉を使うことで、「犬がしている行動を認めている」「その行動を好ましいと感じている」ということをしっかりと伝えられます。
誉めるためになでたり、おやつをあげたりすることでも評価はできますが、犬に近づいたりおやつを取りに行ったりすることで、どうしてもタイミングがずれてしまいます。
しかし、誉め言葉であれば、瞬間的に犬に伝えることができます。まず、誉めたい行動の直後にほめ言葉を伝えておき、それからなでたりおやつをあげたりすることでタイミングよく正確に誉められるのです。
犬に誉め言葉を上手に伝えるコツ
誉め言葉の意味を愛犬にしっかり伝えるためには、言語そのものではない部分で意識したいことがあります。
犬は人間の感情を読み取るとき、言語そのもののよりもそれを発している人の表情やボディランゲージ、声のトーンや息遣いなどを観察しています。犬同士では吠え声のトーンやボディランゲージを使って意思疎通を図るため、それと同様のことを人間に対しても行うのです。
そのため、犬を誉めるときはポジティブな感情が伝わりやすいように「はっきりとした笑顔」で「声のトーンを高く」して伝えることが大切です。また、長い文章ではなく「いいこね」「すごい」など短い言葉を使うと、犬は聞き取ったり覚えたりしやすいので、すぐに理解できるでしょう。
また、誉め言葉をより強く意識してもらえるように、誉め言葉をかけた直後になでたり、おやつをあげたりというような犬が喜ぶことをしてあげると効果的です。
まとめ
犬は飼い主さんから誉めてもらえることに大きな喜びを感じます。犬は、信頼している相手に自分の存在や行動を認めてもらうことをうれしく感じますし、大好きな飼い主さんが笑顔でいてくれることにも喜びを感じるからです。
愛犬を誉めるときには、はっきりと伝わるように満面の笑顔でややテンションを上げて言葉をかけてあげてくださいね。そうすることで、愛犬のうれしそうな様子が見られることでしょう。
