「犬が人の上に乗る=主従関係が逆転」は間違い
一昔前まで飼い主の上に犬が乗るということは、飼い主と犬との主従関係が逆転してしまっている、という説が濃厚でした。これは犬が群れの中でリーダーとみなした相手の上に乗ることはないという習性から考えられたものです。
しかし近年の研究によると、犬は人間との間に順位をつけ、その順位に重きを置くことはないと考えられています。また、人間に対して親子のような愛情を向けているという考えが濃厚なので、オオカミを元にした主従関係の考え方は根本的に間違っていると言われているのです。
したがって「犬が飼い主の上に乗る」という行動には、飼い主との関係性を脅かすような意味はなく、単純に安心できているから信頼しているから、というポジティブな意味が含まれているという説が濃厚です。
胸キュン行動♡犬が人の上に乗って眠る理由4つ
では、犬が人の上に乗って眠るとき、どのような理由があるのでしょうか。ここでは犬が人の上に乗って眠る時の心理や理由について解説します。
1.飼い主の上が安心するから
犬が飼い主の上に乗って眠っている時、大きな意味合いとして「飼い主にくっついていると安心する」という理由が強く考えられます。
特に、普段から飼い主に抱っこしてもらう機会の多い犬にとっては、飼い主の腕の中つまり飼い主の上は安心できる場所という認識になっている犬も多いでしょう。
そのため無防備になる就寝中は、なるべく飼い主の上に乗って眠りたいと考える犬も多く、安心感を得るためにこのような行動をとっていると考えられます。
2.不安なことがあり安心したい
何か不安なことがあった時、犬は信頼できる飼い主にピッタリ寄り添うことがあります。これは、飼い主の隣にいれば安心という強い心理が働いているからです。
特に強い不安を抱いているときは、まるで「飼い主さん、助けて」というように飼い主の腕の中に飛び込んでくることもあるでしょう。すると、横になっている飼い主から見ると、突然飼い主の上へと飛び込んできたように見えるのです。
犬は不安な時、少し体を丸めるような姿勢を取ったり、飼い主にいつも以上にピッタリとくっついてきたりします。不安そうな様子を見せているときは、撫でてあげたり声をかけてあげたりして落ち着かせてあげましょう。
3.「甘えたい」気持ちが強い
「甘えたい」という気持ちが強い時も、眠る際に飼い主の上に乗ってなるべく飼い主と密着しようとする犬は少なくありません。
「甘えたい」という気持ちが強まる理由はさまざまです。寒さを感じて人肌恋しくなったから、不安に駆られるような出来事があったから、その日あまりかまってもらえなかったから…など、いろんな理由が考えられます。
あまりにも「甘えたい」という欲求を向けてくることが多い場合は、分離不安を引き起こしている可能性が疑われるので、日頃から適度な距離感を保つよう意識して接してみましょう。
4.寒いから体温で暖を取りたい
冬になると飼い主の上に乗って眠ることが増えるという場合は、寒さを感じているのかもしれません。飼い主にくっつくことで、飼い主の体温を感じられて暖を取れると理解しているのでしょう。
あまりにも飼い主にくっついてきたり、ブルブルと寒そうに震えている様子が見られる場合は、室内の寒さ対策を見直したり暖房機器の設定温度を見直してください。
まとめ
いかがでしたか。犬が人の上に乗って眠る理由は、大きくまとめると「飼い主のことを信頼しているから」です。良い信頼関係が築けている証ですので、邪険にせず、ゆったりとした気持ちで受け入れてあげましょう。