飼い主さんが気づいていない犬への虐待とは?
犬への虐待は大きく分けるとふたつの種類があります。ひとつは「積極的虐待」で、殴る、蹴るなど身体への暴力行為。
あきらかに犬に対してやってはいけないと分かりきっている行為のことで、身体に外傷が生じる危険性のある行為、犬同士を闘わせる、また大きな声で怒鳴るなどして心理的抑圧を与えることも含まれます。
もうひとつは「ネグレクト」。犬に対してやらなければいけない行為をしないこと。必要なお世話をしない、劣悪な環境で過ごさせる、病気を放置してしまうなどです。
ネグレクトに関しては暴力行為を行っている訳ではないので、罪の意識が低い飼い主もいるようですが虐待になります。
また中には「愛犬のために良かれと思ってしている行為」が虐待になってしまっていることもあります。悪気はなかったとしても愛犬にとってはとても辛いこと。犬への虐待にあたる「絶対NG行為」を確認していきましょう。
犬への虐待にあたる「絶対NG行為」3選
1.甘やかす
優しい虐待といわれているのが「甘やかしすぎる」こと。必要最低限のしつけもせずに愛犬からの要求に応えすぎているのは、可愛がっているようで実は虐待行為になっているのです。
しつけをしないということは犬は犬としての社会性を身に付けることが出来ず、不安感や恐怖心を抱きやすい性格になってしまう恐れがあります。また愛犬を守るためのしつけをしていない場合、急な事故などを防げない恐れもあります。
犬に関する勉強をせずに愛犬が欲しがるものを何でも食べさせていては肥満になってしまいますし、誤って犬が中毒症状を起こしてしまう食品を与えてしまうと最悪命の危険もあります。
また愛犬自身も飼い主さんに対する依存心が強すぎる場合、分離不安症という病気になってしまう可能性も。愛犬に人間社会で「家族」として幸せに暮らしていってもらうためには適切なしつけをしっかりと行いましょう。
2.厳しすぎるしつけ
「愛犬には素直でしっかりとした優しい性格に育ってもらいたい!」など、理想像を強く持っていると、ついついしつけが厳しくなってしまうこともあるかもしれません。
また、犬は個性豊かな生き物なので個体ごとに性格は様々。上手くいくだろうと思って頑張っているしつけの失敗が何日も続くと、イライラして大きな声で叱ってしまうこともあるかもしれませんね。
しかし大きな声で叱りつける、叩く素振りを見せるなど愛犬に恐怖心を与えるようなしつけの仕方は絶対にNG行為となります。
もちろん「怖いから…」という心理でお利口にしてくれることはあるかもしれませんが、これでは愛犬と飼い主さんの信頼関係を築くことは出来ません。
愛犬と飼い主さんの間に必要なのは「信頼」になります。叱りながらしつけをするのではなく、愛犬に成功体験をたくさんしてもらえるように誘導し「褒めるしつけ」を基本にしましょう。
3.体調管理を怠る
いつも元気そうに過ごしているからと体調管理を怠るのもNG行為になってしまいます。
日々お仕事や家事で忙しいと愛犬のために時間を作ることが難しくなる時もあるかもしれません。しかし、お散歩がサボり気味で、運動不足になると共に心身の健康を保つことが難しくなります。
お散歩が出来ないことがストレスとなり噛む、吠えるなどの問題行動を起こしてしまう可能性もあるので悪天候の時以外はしっかりとお散歩に出かけるようにしましょう。
またコミュニケーションタイムを作ることが出来ず、皮膚や被毛など身体のチェックやケアを怠ってしまうと、愛犬の身体に起きている小さな異常を発見することが出来なくなってしまいます。
人間もそうですが、身体に起きているどんなトラブルも病気も早期に気づくことで悪化を防ぐことが出来ます。犬は自分自身で健康管理をすることは出来ないので、飼い主さんが毎日しっかりと愛犬の健康状態を確認してあげましょう。
まとめ
積極的虐待ではなかったとしても、また悪気はなかったとしても結果的に愛犬の心と体を傷つけてしまう行為は虐待に近いものになってしまうのかもしれません。
犬と暮らすようになったらしっかりと「犬の勉強」をして愛犬に必要なしつけと健康管理、また健やかに過ごせる環境も用意してあげましょう。