犬は時間を理解している?
まず、犬が時間そのものを理解しているかということは、結論として「NO」です。そもそも時間は、人間が月や太陽の動きを利用して作り出した概念であり、動物たちがそれを知っているとは考えられないからです。
私たち人間は24時間を1日としていますが、犬も必ずしもそう思っているとは限りません。生活リズムとしては、飼い主さんに合わせるため同じリズムで生きているように見えますが、犬の本能的な感覚としては異なっているとも考えられています。
最近では、犬は1日の単位を7時間周期で生きているとも考えられるようになっています。これは、犬の脈拍数などを考えて、人間と比較すると3~4倍のペースで生きていると考えることができるためです。
ただしこれは、犬が「7時間経ったから1日過ぎた」と考えているわけではなく、人間から見たときにそうした周期で生きているというだけのことでしょう。
ですが、同じ1時間でも犬と人間では体感が異なるため、留守番時間などが長い場合、犬は人間が思っている以上に長く感じている可能性があるということは覚えておきましょう。
犬の年齢の重ね方
犬と人間は生きている時間の感覚が異なりますが、それと同様に年齢の重ね方も異なります。体の老い方は脈拍数(心臓の動き)によって差が出ると考えられていて、それが異なる小型犬と大型犬でも差が出ます。
そのため、小型犬に比べて大型犬の方が早く年老いてしまうと考えられていて、平均寿命も短いのです。
一般的に小型・中型犬は1歳頃に18~20歳になり、その後は1年で4~5歳ずつ年を取っていきます。大型・超大型犬は1歳頃に12~15歳になり、その後は1年で7~8歳ずつ年を取ります。
1日のスケジュールを把握しているのはなぜ?
犬は時間そのものを理解していないとされていますが、なかには「うちの子は時間を理解してる気がする…」と思う飼い主さんもいるのではないでしょうか?
確かに、いつもご飯をあげている時間になると吠えてご飯をせかしたり、散歩に行く時間になるとそわそわしたり玄関で待っていたりすることがあると思います。しかし、これは時計を見て「そろそろ〇時だからご飯だ!」と思っているわけではありません。
犬は時間を理解することはできないものの、過去の記憶や経験を覚えることやそこから次に起こることを予測することはできると考えられています。
犬は飼い主さんの行動や外の景色、聞こえてくる音など様々な要素から、1日の大まかなスケジュールやリズムを理解しているのです。「キッチンに立つ」「散歩用のジャンパーを着る」などわかりやすい行動をはじめ、飼い主さんが「伸びをする」「時計をチラッと見る」などちょっとした仕草を観察して、次の行動を予測していることも考えられます。
犬の1日を充実させるためには
犬は人間にとっての1日を約3日程の感覚で生きていると考えられています。そのため、飼い主さんにとってはそれほど長く感じていない留守番時間も、犬にとってはかなり長く感じている可能性があります。
また、1日2回している散歩も、犬にとっては1~2日に1回程度にしか感じていないかもしれません。
このようなことを考えると、犬の生活を充実させるためには、こまめなコミュニケーションが必要だということがわかります。2~3分という短時間でもかまわないので、軽くスキンシップを取ったり遊んだりするだけで犬にとっては充実した時間になるでしょう。
反対に、散歩を1日さぼってしまうと1週間近く散歩をしていない気分になるかもしれません。
飼い主さんのスケジュールに合わせるだけでなく、犬にとってどういった感覚になるかを想像してみると、愛犬の生活をより充実させるヒントが見つかるでしょう。
まとめ
私たち人間と一緒に生活している犬は、一見時間を理解しているように見えることもあります。
しかし、時間という概念を理解したり、時計を読んだりしているわけではなく、飼い主さんの行動や周囲の様子を観察したり、積み重ねた経験から予測したりします。
また、人間と犬にとっての時間の濃密さは異なっています。私たちにとっての1日の間に、犬は3日ほどの時間を過ごしていると考えられています。
そのため、愛犬にはできるだけ充実した毎日を送らせてあげられるように工夫をしてみてくださいね。