老犬になるとかかりやすい病気
老化に伴い体の各器官が衰えてしまうのは仕方ないところではあります。
しかし、実際に不調があるようなら、早めに治療をすることで愛犬の生活の質を上げてストレスを減らすことができます。
まずは犬の病気について学び、日頃からその可能性について配慮しておくことで、病気を早期発見し、結果として健康長寿に繋げることができます。
1.白内障(老齢性白内障)
犬の加齢に伴って、眼球内の水晶体が白くなってしまう病気です。
目を見たときに白く見えるため飼い主側も早期に見つけることができますが、タンパク質が変性して起こるため一度白くなってしまうと元には戻りません。
白内障になると視力が落ちるほか、暗い場所では物が見えなくなったり過度に眩しがったりします。
犬は鼻や耳が発達しているので多少視力が落ちても問題なく行動できます。しかし、以下のような症状が出た場合は白内障を疑います。
- 黒目が白っぽくなってきた
- 屋外で段差に躓くようになった
- カーテンを開けると部屋の中でも物にぶつかるようになった
また、人の場合の白内障はほぼ加齢によって起こりますが、犬の場合はかなり若いうちから遺伝的に白内障になりやすい子もいるので、よく観察してあげてください。
2.糖尿病
犬も人間同様に、すい臓からのインスリンというホルモンの分泌が不足することで糖尿病になります。
糖尿病とは、血液中の糖分(血糖)を筋肉や臓器に送り込む働きが失われ、高血糖が続いてしまう病気です。高血糖が続くことで血管の負担が増加し、心臓病や腎不全、末端部の壊死などといったもっと重い病気になってしまうことも。
加齢に伴いすい臓の細胞が弱ってしまったり、肥満などの原因によって糖尿病を発症する確率が上がります。
またこの病気は小型犬に多いとされますが、雌の場合は黄体ホルモンの異常で引き起こされることもあります。
多飲多尿が大きな特徴で、いつもよりおしっこの回数が多いなと感じる場合は、膀胱炎などの可能性も含めて動物病院を受診しましょう。
また、この多飲多尿は腎不全の初期症状でもあります。こちらも早めの対処で進行を遅らせることができるので動物病院でしっかり検査してもらってください。
3.悪性腫瘍(がん)
近年は犬の長寿化に伴って、悪性腫瘍が見つかる犬たちも多くなりました。
昔の犬たちは10歳を迎えずに亡くなる場合も多かったのですが、今は栄養状態も良くなり多くが室内飼育であったりするため安全で寿命が延びたのでしょう。
しかし長寿化が進むことで、腫瘍の発症も以前に比較して多くなり、高齢犬の死亡原因で腫瘍が占める割合が年々大きくなっています。犬の悪性腫瘍が発生する部位は人間と変わらず、皮膚、リンパ、乳腺、膀胱、肝臓など様々です。
犬の悪性腫瘍が発生する部位は人間と変わらず、皮膚、リンパ、乳腺、膀胱、肝臓など様々です。
対処方法
愛犬の体調変化を早期に発見するためには、日ごろのケアと観察がとても重要です。飼い主さんは毎日犬に触れて観察したり、食欲や便の様子などをしっかりチェックしたりしましょう。
犬たちの身体に触れることはスキンシップにもなりますし、身体の隅々までマッサージなどをすることで皮膚の異常やしこり(腫瘍の可能性)などにも早く気付くことができます。
またシニア犬と言われる年齢になったら、なにもなくても年に1、2回の健康診断を受けるのも良いでしょう。日頃から血液や尿などの正常な数値を知っておくことは、異常な状態になっているかどうかが直ぐに分かるなどのメリットにつながります。
もちろんいつもと違う様子が見られたら、早めに動物病院を受診することが大切です。
まとめ
老犬のかかりやすい病気はこのほかにもありますが、どれも日頃の健康状態を観察して早期に発見することが大切です。
初期のうちに病気が見つかれば、それだけ治療の負担も減らすことができますし、なにより犬たちが幸せに暮らすことにつながります。
元気な時から定期的に動物病院で健康診断を受け、病気を発見しやすくしておくことも大切です。あれ?と思ったら早めに獣医さんへ相談してみましょう。