1.前傾姿勢で威嚇(歯を剥き出す・唸る)
犬は怒っているときや警戒しているとき、相手を自分から遠ざけるために吠えたり唸ったりといった威嚇行動をします。ただし、威嚇行動をしているからといって、本気で怒っているとは限らず、むしろ怯えながら威嚇してみせていることも少なくありません。
犬は基本的に攻撃的な意識でいるときに、前傾姿勢になります。その反対に、不安や恐怖を感じているときは体の重心を後ろに置いた姿勢になっています。これは、「いつでも攻撃してやる」という攻撃的な意思と、「何かあったらすぐに逃げよう」という怯えの気持ちがあらわれているので、とても分かりやすいと思います。
そのため、犬が唸ったり歯を剥きだしているときに、前傾姿勢になっているときは、いつ本気の攻撃行動を起こしてもおかしくないと考えましょう。
2.背中や尻尾の毛が逆立っている
対峙している相手に対して攻撃的な意思を持っていたり、自分を大きく見せようとしたりする際、犬の体の毛が逆立つことがあります。犬が自分の意思で毛を逆立てているわけではありませんが、強い興奮状態に陥っているときや攻撃的な気持ちになっているときなどに背中や尻尾の毛が逆立つ傾向があります。
苦手な人に強引に触られているときや嫌いな犬に絡まれているときなどに背中の毛が逆立っている場合、「一触即発」の状態になっているかもしれません。一見静かに落ち着いているように見えても、怒りを我慢していて、なにかのきっかけでそれが爆発する可能性があるので、気をつけましょう。
3.噛んで放さない、噛みついた後に首を振る
犬が本気で相手を痛めつけようとして攻撃する場合、噛みついた後もしばらく放そうとしなかったり、噛んだまま首を振るような仕草を見せたりします。これは、動物が狩りを行うとき、つまり「獲物を仕留める」ときに行う行動です。
攻撃性の高い気質を持っている犬は、ほかの犬や猫、人間の子供に対してこうした行動を見せることがあるので、十分に注意が必要です。
犬が本気で怒っているときの適切な対応
犬が本気で怒っているときは、興奮状態を落ち着かせる必要があります。抱っこしたりなでたりしてなだめようとしても、その手に本気で噛みついてしまうこともあるので、できるだけ刺激しないことが重要です。
本気で怒っている状態でしつけなどをしようとしてもほとんど効果はないので、まずは冷静さを取り戻させるように犬を隔離するようにしましょう。家の中であれば犬をその場に置いて部屋を出たり、距離を置いて無視をしてください。声掛けすらも刺激になる場合があるので、犬の存在は意識しつつも、見ていないふりをしておきましょう。
また、散歩時などリードをしている状態で吠えたり唸ったりしたとき、リードを後ろから引っ張ってしまうと、犬は倒れまいとして体重を前にかけます。そうすることで、自然と犬が前傾姿勢になり、興奮状態に陥ってしまうことがあるので注意してください。
そのような場合には、リードを引っ張って止めようとするのではなく、その場から離れるなどして犬を落ち着かせることが大切です。
まとめ
犬は愛らしく大切な家族でありパートナーでもありますが、人間とは異なる本能を持った動物だということは忘れないようにしましょう。犬が本気で怒って攻撃した場合、他の犬や人間は大きな怪我を負うことになります。
適切な対応が取れるように、まずはこの記事を参考にして、犬が本気で怒っているときの仕草や行動を把握しましょう。