境界線トレーニングとは
境界線トレーニング、あまり聞きなじみがない方も多いでしょう。別名、「バウンダリートレーニング」ともよばれます。
境界線トレーニングとは、まるでそこに境界線があるかのように、犬の行動を抑えることができるトレーニングをいいます。境界線トレーニングを習得することで、さまざまな効果が期待できます。
散歩中においては、道路への急な飛び出しを防ぐことができたり、犬同士のケンカを防ぐことができます。
室内においては、飼い主さんにとって入ってほしくない場所（キッチンや寝室、ソファの上、2階など）への侵入を防ぐことができます。また玄関や窓からの飛び出しも抑制できるため、事故防止につながります。
このように実際に扉や柵を設置していなくても、まるで境界線があるかのように犬が自らの意思で行動を抑えることができます。ご家庭でのルールをしっかりと守ることができるために、境界線トレーニングは効果的なトレーニングといえます。
境界線トレーニングを行う際のポイントや注意点
愛犬に境界線トレーニングを行うには、犬が基本のしつけを覚えている状態がベストです。基本のしつけとは、オスワリやマテ、オイデ、ダメ、イイコなどの基本的なコマンドを理解すること、また犬が自分の名前をきちんと認識していることです。
また、境界線トレーニングはご家庭で習得することができますが、その環境も大切となります。境界線トレーニングに関わらずですが、静かで落ち着いた環境で行いましょう。そうすることで、犬は飼い主さんとトレーニングに集中することができます。
境界線トレーニング①～玄関の飛び出しを防ぐ～
お散歩に行くときに玄関のドアを開けた瞬間、犬がリードを引っ張って飛び出してしまうと非常に危険です。境界線トレーニングを行い、玄関の飛び出しを防ぎましょう。
- 犬にリードを付けた状態でドアの前に座らせ、オヤツをあげます。
- マテとコマンドを出し、ドアを開ける仕草をします。立ち上がらずに座り続けることができたらオヤツをあげます。
- ドアを少し開けます。立ち上がらずに座り続けることができたらオヤツをあげます。
- 飼い主さんが外に出て、「ヨシ」とコマンドを出します。犬が外に出た瞬間に名前を呼び、飼い主さんに注目することができたらオヤツをあげます。
- ①～④を繰り返し行います。「ヨシ」と「名前呼び」の間隔を少しずつ長くしていきましょう。
- 慣れてきたら、ドアを全開にしたまま同じトレーニングを行います。
①～⑥のトレーニングをすることで、ドアの前で飼い主さんのコマンドが出るまで待つことができ、外に出てからもすぐに立ち止まることができます。
ポイントは、きちんと「良い行動」をすることができた瞬間にオヤツというご褒美をあげることです。そうすることで、「ドアの前で待つ、飼い主さんのコマンドに従う=オヤツがもらえる」と学習します。
境界線トレーニング②～部屋への侵入を防ぐ～
次は、部屋への侵入を防ぐ境界線トレーニングをご紹介します。入ってほしくない部屋やキッチン、階段、ソファの上など、さまざまな場面で効果的です。
とくにキッチンには犬にとって危険なものや食べ物がたくさんあるので、しっかりとトレーニングしていきましょう。境界線トレーニングを行うとき以外は、常にドアを締めたり柵を設置しましょう。
- 犬に覚えさせたい場所のドアを全開にする。
- 入ろうとした瞬間に「あっ！」と声をかけ、飼い主さんに注目させます。
- 「オイデ」とコマンドを出したり、名前を呼んで飼い主さんへ近づいてきたらオヤツをあげます。
- ①～③を繰り返します。
まとめ
境界線トレーニングは、完璧に習得するまで時間と根気が必要となります。しかし習得すると飼い主さんのコマンドをよく聞き、落ち着いて生活をすることができます。愛犬との生活をより良くするために、また愛犬の命を守るために、ぜひ習得しましょう！
