犬の老化
犬たちのシニア期は、寿命が延びていても以前とはそれほど変わりません。犬と人間の年齢に関する換算表などを参考にしてみると、犬たちが7歳の場合は人間でいうと44歳から54歳といった中年期に当たるようです。
人間もこのころになるとまだまだ体は動くけれど疲れやすくなっていたり、シワや白髪などが増えてきたり、ちょっと無理をすると回復に時間がかかるようになります。犬の場合も同様で、7歳を超えるころから少しずつ老化のサインが見られるようになるようです。
そして小型犬では14~15歳、大型犬では10歳を超えると人間でいう75歳という高齢期に入ります。このころになると老化のスピードが早まり、高齢期によくみられる病気なども起こりやすくなっていきます。
愛犬の見た目を若く保つ秘訣
犬たちの老化のサインでよくみられるもの、これがあるとちょっと年を取って見えるというものは被毛の白色化や毛量の変化、肥満、口臭、イボなどの皮膚トラブルがあります。これらが見られ始めると、「年を取ったな」という印象になります。
逆に言えばこれらのケアを丁寧にすることで、愛犬の見た目を若々しく保つことが出来るのです。
ここからは、丁寧なケアによって愛犬の見た目を若く保つ秘訣についてご紹介しましょう。
1.ブラッシングによる被毛のケア
犬も7歳、8歳になると口の周りや目の周りを中心に徐々に白っぽい毛が増えていきます。また、歳をとっていくにつれて毛根の働きが弱まるうえに皮脂の分泌が減少するため、被毛全体の艶がなくパサついた感じになったり、毛量が減ってきたりします。
これを防止するために重要なのが毎日の丁寧なブラッシングです。ブラッシングをすることで余計な被毛を取り除き、皮膚の血流を促すことで毛根や皮膚の元気を取り戻すのです。
またブラッシングをすると皮脂が被毛に伸ばされます。皮脂は被毛の艶を出すためのコーティング剤のような役目もあるので、丁寧にブラシをかけてあげることで、全体的にパサついたり、毛がよれよれになる等の「見た目の老化を防ぐ」ことに役立ちます。
2.食事管理と適度な運動による関節のケア
若い頃と同じ食生活をしているだけでも、中年期に差し掛かると人間は太るようになっていきます。これは消費するカロリーが年々低下していくからです。犬も同様にシニア期以降は消費するカロリーが年々減っていくので太りやすくなり、食事の見直しが必要になっていきます。
食事管理と同時に行いたいケアが運動です。老化が進むと肥満になりやすくなるのは運動量が減っていくせいでもあります。年を取っていくと犬たちも筋力が低下するため、運動を嫌がる傾向があるようです。
筋力が低下すると運動をしたくなくなり、更に筋力の低下を招きます。また筋肉量が減少していくことで、さらに関節に様々な負担がかかり、関節炎を起こしてますます歩くことを嫌がるようになることも。
シニア犬になったら肥満防止と低カロリーな食事を中心に与えますが、この時量を減らすのではなく、高たんぱくな食事に切り替えて筋肉量を維持するようにしましょう。
また、筋肉が衰えないよう、無理のない範囲でリフレッシュも兼ねてお散歩をしっかりしてあげると良いでしょう。
3.口内のケア
犬は人間同様に「歯周病」になりやすい動物です。3歳や4歳の成犬になると、およそ8割が歯周病であると言われています。
この原因は、十分な歯磨きや口内ケアをしていないからでしょう。口内のケアを怠っていると、軽度な歯肉炎から症状が進み歯槽膿漏、歯根膿瘍になって最終的には歯が抜けたり顎の骨が溶けてしまったりすることもあります。歯周病が心臓や腎臓といった臓器に悪影響を与える場合もあります。
また、歯がない犬、歯が汚れている犬はそれだけで年を取って見えるので、歯磨きや定期的に歯石除去などのケアをしてあげると良いでしょう。
さらに口臭も歯磨きや歯石のケアで防げることも多いので、気になるようでしたら獣医さんに相談してみてくださいね。
まとめ
人間より寿命が短い犬たちは、私たちより先に老いていきます。
愛犬と少しでも長く一緒に暮らすためにも、見た目のケアだけでなく体全体のケアをして、心身ともにいつまでも健康に暮らせるようにしていきたいものですね。