1.嗅覚
良く知られている通り犬の五感の中でもっとも優れているのが嗅覚。犬の鼻の中は嗅上皮と呼ばれるニオイを感知する部分の面積が人間よりも非常に広いため、多くのニオイを敏感に察知することが出来ます。
また、嗅いだニオイの情報の処理をする嗅球と呼ばれる脳の組織も発達してるため、ニオイを嗅ぎ分ける能力も優れています。
そのため犬の嗅覚は人間と比べると非常に優れていて、犬種やニオイの種類によって差はあるものの数千倍以上~1憶倍とも言われています。
犬は嗅ぎ分けるのに得意なニオイがあり、感知しやすいニオイは酢酸と吉草酸などの刺激臭になります。
酢酸は人間の汗に含まれる刺激臭のひとつでもあり、天然に多く存在する酸っぱいニオイの脂肪酸。また吉草酸も天然の脂肪酸のひとつであり、人間の足のニオイと近いニオイになります。犬のこれらの刺激臭を嗅ぎ分ける能力は人間の1億倍と言われます。
また犬の嗅覚は、ほんのわずかに残ったニオイを感知することもとても得意。警察犬がニオイで人を追うことが出来るのは、地面に残ったわずかな数日前の足跡のニオイを感知することが出来るからです。
2.聴覚
犬の聴覚は嗅覚の次に優れた五感。私たち人間の耳には届いてこない音も犬には聞こえているのです。
人間が聞こえる音の周波数は16~20,000Hzに対し、犬に聞こえる周波数は65~50,000Hzと言われています。周波数は高いほど高音となるため、犬は人間が聞くことのできない高い音が聞こえています。
この犬の聴力の特徴を活かしたのが犬笛です。犬笛は人間には聞こえない周波数の音を発すため、周囲の人に気づかれることなく訓練や指示を出すことが出来ます。
また、犬と人間では聞こえてくる音圧レベルも異なっていいます。私たちには聞こえないほんのわずかな音まで耳に届くため、日常的な生活音も私たちよりもずっと大きく聞こえているのです。
犬が雷などの大きな音を苦手とするのは私たちより大きく聞こえてるから。またほんのわずかな音も聞きとることが出来るため、マンションのエレベーターの音や離れた場所の人の足音なども聞き取っているはずです。
3.視覚
犬の視覚も人間より優れた一面を持っています。実は視力だけに関して言うと決して良いとは言えず、人間でいうと0.2~0.3ほどしかありません。焦点をしっかりと合わせることが出来ず、全体的にボンヤリと見えているようです。
しかし犬は本来、狩りをして獲物を捕らえていた生き物。動体視力は非常に優れています。止まっている物よりも動いている物を見分けることがとても得意。動いている物であれば800m先にある物でも見分けることが出来ると言われています。
そして暗い場所でもよく見えるのが犬の視覚の特徴のひとつでもあります。犬の目の網膜の奥には人間にはないタペタム層と言う反射板があり、少ない光を反射して暗い場所でも物体を見ることが出来ます。
また視野も人間より非常に広く、人の視野が180°に対して犬の視野は250~270°ほど。前だけではなく斜め後ろ側の物も見ることが出来ているのです。
4.運動能力
個体ごとに差はあるものの、犬の運動能力も人間よりはるかに優れている能力のひとつ。
飼い主さんが絶対に追いつけないほどの速さで走ったり、ただ速く走るだけでなく長い時間走り続ける持久力も持っていますよね。また、力強いジャンプをして遊ぶなど運動能力に驚かされることもあるかと思います。
犬の運動能力が優れているのは野生時代の名残りのことが多いようです。逃げる獲物を走りまわりながら追いかけていたことにより、しなやかで強力な筋肉がつき速く走ったり高くジャンプすることが出来るようになったようです。
また逃げまわる獲物を一晩中追いかけることもあったため持久力も身につき、速いスピードで長時間走ることにより肺活量も鍛えられたようです。
まとめ
犬が持つ人間より優れた能力に驚かされることもあるかと思いますが、これらは犬が持っている特徴でもあると思います。
犬はニオイを嗅ぐことが好きですし、飼い主さんの笑顔も声も大好き。そして楽しいお散歩でしっかり運動することも大切です。これらの素晴らしい能力をフル活用できるように愛犬と過ごしていきましょう。