犬の去勢・避妊はすべき?結局どうしたらいいの?
新しい家族として迎えた犬と暮らし始める生活はワクワクすることの連続だと思います。これから長く愛する家族として共に過ごしていく大切な愛犬の去勢・避妊手術について、ふと考えたことはありませんか?
犬の去勢や避妊手術は義務ではないので、飼い主さんの考えにより受けるか受けないか決めることができます。
「人間の勝手な都合でかわいそう」「健康体なのに手術をすることに抵抗がある」「将来的に子供を生ませたくなるかもしれない…」など、愛犬の幸せを考えると悩んでしまうものだと思います。
去勢、避妊手術にはメリットもデメリットもあるので、しっかりと理解したうえで受けるか決めましょう。
犬の去勢・避妊手術のメリット
1.病気の予防
去勢・避妊手術を受けることは、将来的に発症してしまうかもしれない様々な病気の予防に繋がります。女の子の犬であれば子宮蓄膿症や乳腺腫瘍、また卵巣の疾患などのリスクを減らすことが出来ます。男の子の犬の場合、前立腺肥大や精巣腫瘍、また会陰ヘルニアなど。
これらの病気のほとんどが8歳以上のシニア犬になってから発症率が上がる病気で、加齢も原因のひとつでもあります。若い年齢のうちに去勢・避妊手術を受けることは予防策のひとつとなります。
女の子の場合、初回発情までに避妊手術を行うと乳腺腫瘍の発生率が1%と言われています。しかし2回目の発情以降に避妊手術を行った場合は発生率が25%になります。早めに手術を行う方が乳腺腫瘍の発生率は圧倒的に低くなります。
2.発情期のストレスがなくなる
愛犬に子供を産ませない選択をしているのであれば、発情期があっても交配することはありませんよね。
女の子の犬の発情期(ヒート中)はホルモンの影響でストレスを感じ、落ち着きがなくなったり食欲不振になってしまったりといつもと違う行動をとりがちです。また去勢していない男の子の犬であれば、発情期中の女の子の犬のニオイを感知すると発情します。
これは自然の本能なので仕方がないのですが、発情期中の女の子の犬のニオイを感知した未去勢の男の子の犬の興奮度合いはもの凄いもので、攻撃的になったり脱走しようとしたりと、飼い主さんでも手がつけられなくなることがあると思います。
女の子でも男の子でも「発情」に関する性ストレスは相当なもの。去勢・避妊手術を受けることでこのストレスをなくしてあげることが出来ます。
犬の去勢・避妊手術のデメリット
1.手術に伴うリスク
多くの犬が去勢・避妊手術を受けてはいるものの、外科手術なので絶対に安全という訳ではありません。実際に手術中に亡くなってしまった犬がいるもの事実です。
特にパグやボストンテリア、フレンチブルドッグなどの短頭種は鼻や喉の奥の形状の影響により、目覚める時に呼吸困難に陥りやすく麻酔のリスクが高いと言われています。
その他、肥満の犬も喉のまわりのなどの脂肪が多く呼吸機能が低下していることが多々あるためリスクが高くなります。
2.太りやすくなる
去勢・避妊手術を受けた犬は、ホルモンバランスの変化による影響で太りやすくなってしまいます。
女の子の犬の場合、避妊手術を受けたことによりエストロゲンの分泌量が減少します。エストロゲンには食欲を抑制する働きがあるため、そのホルモンの分泌が減少することにより、食欲が増加して太りやすくなる傾向があります。
男の子の犬の場合、術後には筋肉を発達させる働きがある男性ホルモンの分泌が減少します。そのため筋肉ではなく脂肪がつきやすくなり太りやすくなるよう。
また男の子でも女の子でも、繁殖するために必要であった性ホルモンが減少するので、手術前に比べると体に必要なカロリーが少なくなります。術後はご飯の内容や与える量にも注意が必要です。
3.尿失禁が起こる可能性がある
去勢・避妊手術を受けることで尿失禁を起こす犬もいます。どちらかというと女の子の犬によく見られる症状で、男の子の犬にはあまりありません。また、特に大型犬の発症率が高くなっているので大型犬の女の子の場合はリスクが高くなります。
尿失禁は性ホルモンの減少が原因になることが多いよう。尿道括約筋の筋肉が緩まり尿漏れを起こしてしまうようです。術後すぐではなく中高齢になってから症状が現れやすく、症状が出た場合、ホルモン剤を使用しての治療となります。
まとめ
犬を迎え入れた時に考えて決めなければいけないのが「去勢・避妊」をどうするか。正しい正解はないものかもしれませが、愛犬の幸せを考慮して決めてあげられるのは飼い主さんだけです。
いまいちど愛犬の去勢・避妊についてどうするべきなのか考えてみましょう。