子犬が苦痛を感じてしまう『やってはいけない行為』5選

子犬が苦痛を感じてしまう『やってはいけない行為』5選

新しく子犬を迎えたら、可愛がり、しっかりとしつけようと張り切ることでしょう。しかし、犬のことをよく知らないまま接していると、知らないうちに子犬に苦痛を感じさせてしまう場合があります。子犬時代の経験は、一生を左右する大切なものです。今回は、子犬のが苦痛を感じてしまう「やってはいけない行為」をご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

子犬の頃の経験はその犬の一生を左右する!?

遊ぶ子犬達

幼児教育に関連したことわざに、「三つ子の魂百まで」というものがあります。3歳頃までに形成された性格は、百歳まで変わらないという意味です。実際に、脳の発達に関するニューロンの数がピークを迎えるのは1歳頃で、人格形成の基本が出来上がるのは乳幼児期だということは、科学的に証明されています。

犬も同じように、生後3週〜13週目頃までの「社会化期」といわれる時期に、母犬やきょうだい犬達、ブリーダーさんなどとのふれあいの中で、犬同士や見知らぬ動物との付き合い方や、未経験の出来事に対処できる能力が育成されることが科学的に証明されています。

もちろんこのような学習は、社会化期だけに留まらず生涯続けていく必要があります。しかし、とりわけ子犬時代の経験が大切だといわれています。

そこで、子犬の健全な成長を妨げるような苦痛を感じさせてしまう、子犬にやってはいけない行為についてご紹介します。

1.抱きしめられる

霊長類とは異なり、犬には抱きしめるという動作はできないため、本来犬は抱きしめられることがありません。しかも、抱きしめられるということは拘束され行動が制約されるため、信頼関係を築けていない人から抱きしめられると、子犬は脅威に感じることが多いのです。

ご家庭に迎え入れたばかりの子犬を、かわいさのあまり抱きしめてしまう行為は慎みましょう。少しずつ人に触られることに慣れさせ、子犬との間に信頼関係を築いてから、必要最小限の範囲で優しく抱くようにしましょう。

2.嫌なこと・怖いことを強要される

しょんぼりした表情の子犬

知らない犬や人に出会ったり、初めての場所に行ったりすることを怖がる子犬は多いものです。社会化期に十分な社会化のための経験を積めなかった子犬の場合は、その傾向が特に顕著です。

しかし、その後の生活を豊かで楽しいものにするためにも、知らない犬や人との交流や初めての場所へのお出かけに慣れさせる必要があります。

そのためには、無理やり強要するのではなく、よく観察しながら時間をかけて楽しさを教えてあげるようにしましょう。

3.体罰を使うしつけ

体罰を与えて問題行動をやめさせるのではなく、問題行動を始めたら気を逸らせてやめさせ、好ましい行動に誘導してできたら褒める、というしつけ方を中心に行うようにしましょう。

犬に関する研究が進むにつれて、犬のしつけ方についても見直され、犬にとってもご家族にとってもより良い方法が提唱されてきています。体罰を与えてのしつけは、子犬に過剰な苦痛を与え、後々の行動に悪影響を与えることがわかってきました。

具体的には、しつけやトレーニングとは全く関係のない場面でも、ストレスや恐怖を感じている時の行動を見せるようになるということです。つまり、臆病な性格や攻撃的な性格になりやすいということです。

体罰や食事を抜くなどの直接的にダメージを与える罰を使ったしつけではなく、「おやつ」「褒める」「撫でる」「遊ぶ」「散歩」「かまう」といったようなご褒美を与えるしつけを主軸に据えましょう。

4.名前を呼ばれた後に叱られる

叱られる犬

子犬の名前を呼んだ後は、必ず嬉しいこと、楽しいことがあるようにしてください。名前を呼んだ後に「叱る」と、自分の名前が「嫌なこと」「怖いこと」の合図となってしまいます。

また、褒められる時も叱られる時も同じように名前を呼ばれていると、呼ばれた時に褒められるのか叱られるのかがわからず、子犬は混乱し、それが苦痛と感じさせる場合もあります。

5.一貫性のない生活ルール

子犬が行う同じ行為に対して、その時の気分や、または子犬と接するご家族によって叱ったり褒めたりと異なる対応をしてはいけません。

相手によって対応が違うと、子犬はその行為をしても良いのか悪いのかがわからずに混乱してしまうからです。その結果、子犬に正しい行動を教えることもできなくなります。

前述の名前と同様に、子犬の一つの行動に対して、「良い対応」と「悪い対応」を混在させないように、ご自身の中でもご家族の間でも、必ず統一したルールを設定するようにしましょう。

一貫性のないしつけの落とし穴

おやつをもらう犬

例えば、おやつを欲しがってワンワンと吠える子犬に対して、ご褒美以外ではおやつをあげないことを教えるために、ご家族揃って子犬が鳴いても無視するようにしていたとします。これを徹底すれば、子犬は「鳴いてもおやつはもらえない」と諦めて鳴かなくなるでしょう。

しかし、ご家族が誰もいない時にかわいそうだと思ったおばあちゃんが、鳴いている子犬におやつをあげてしまいました。すると子犬は「鳴いておやつをもらえないこともあるけど、もらえることもある!」と期待して、いつまで経っても鳴くことをやめないでしょう。

このように、ある行動に対して賞罰を与えたり与えなかったりすると、期待させてしまい問題行動をやめさせられなくなります。上の例では「無視する」という罰を徹底しなかったために「吠えればおやつがもらえるかも」という期待をさせてしまったというわけです。

まとめ

抱きしめられる子犬たち

愛犬との間に信頼関係を構築し、新しい刺激を与えて積極的に学習させるのは、子犬に限ったことではありません。犬にも生涯学習が必要なのです。

しかし、特に子犬の時のコミュニケーションに失敗すると、その後の長い生活を愛犬もご家族も苦労することになりかねません。

ご家族の感情や思い込みではなく、犬の習性を知って愛犬の様子をよく観察することで、子犬との間にしっかりと信頼関係を築きたいものです。

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