警察犬を減らしてドローンに移行
働く犬にはいろいろな職業がありますが、警察犬はその中でも危険度の高いものです。しかしアメリカではこの数年、現在働いている警察犬が引退した後に後任犬をいれることをやめたり、警察犬プログラムの削減を検討している警察署が増えているそうです。
これらの警察署では警察犬に代わってドローンが導入されているのだそうです。警察犬の仕事のすべてをドローンに置き換えることは無理ですが、ドローンはどのように警察の仕事を実行しているのでしょうか?
なぜ警察犬を削減しているのか?
アメリカの警察署が警察犬を減らしている理由としては経費、訓練、維持管理、設備が挙げられています。
米国警察犬協会によると、パトロールや麻薬操作のための犬の訓練には8,000ドル〜10,000ドルの経費がかかります。さらに食事、医療費、日常の世話、継続的なトレーニングのために年間20,000ドル〜30,000ドルの経費が発生します。
また警察犬が出動するためには犬仕様に改造した専用車両が必要で、それは通常のパトロール車両が減ることを意味します。犬を飼育するための専用の設備も必要です。
確かに代替ができるのであれば、警察犬を削減していくのも致し方ないと思われます。
ドローンが警察犬の代わりに出来ること
ドローンが警察犬の代わり(場合によっては警察犬よりも優れている)に行う任務の代表は追跡です。
ドローンはパトカーに同乗するのではなくパトカーと同じ経路で上空を飛び、パトカーが入り込めないところでも追跡を続け、映像や位置情報を記録したり発信することができます。
捜索もドローンが得意とするところです。夜間でも視界を確保することができ、犬や人間では入れないような場所も上空から捜索することができます。このように状況によってはドローンの方が警察犬よりも費用対効果が高いことがわかります。
そしてドローンによる追跡も捜索も捜査中の怪我人(または犬)が出るリスクが低くなるのも大きなメリットです。
嗅覚を使った捜査など警察犬の仕事の全てがなくなるわけではありませんが、ドローンのような新しい技術によって犬が危険な仕事に従事しなくてもよくなるのは歓迎すべきことのように思います。
アメリカの警察犬は引退後にハンドラーの家庭に引き取られることが一般的なので、仕事のなくなった警察犬が路頭に迷うという心配はなさそうです。
まとめ
アメリカの警察署で、経費や設備、費用対効果の問題から警察犬をドローンに置き換えるところが増えているという話題をご紹介しました。
犯罪者がドローンによって追い詰められるというのはアクション映画のシーンを思わせますが、既に実用化されているようです。
費用対効果の面で機械やロボットを採用すると聞くと非情な印象がありますが、こと警察犬に限っては「それは良いアイデアだ!」と感じる方が多いのではないでしょうか。
《参考URL》
https://www.the-journal.com/articles/are-police-dogs-an-effective-crime-fighting-tool-or-have-they-had-their-day/
https://www.uspcak9.com