犬の排泄頻度
犬は1日に体重1kgあたり25~40mlほど排尿します。5kgの犬なら多ければ200mlほどですね。これを1日のなかで数回に分けて排尿するわけです。子犬なら3~10回(あるいはそれ以上)、成犬でしたら2~5回程度でしょうか。
何の制限もない場合は犬たちは尿意を催せば排尿をしますが、もちろん我慢することも可能です。成犬で10~12時間、子犬では月齢と同じくらいの時間(4か月なら4~5時間)であれば我慢することが出来ると言われています。
でも我慢しすぎることは膀胱炎などのリスクもあるので、できれば催した時に好きなタイミングで排尿できる環境が望ましいですね。
排便はもっと回数が少なく、1日あたり子犬で4~5回ほどで成犬なら2回ほどです。
犬が人前でトイレをしない原因
犬は室内のトイレの場所をトレーニングで覚え、そこで用を足すようになります。しかしどうしても人がいる前では用を足さない犬もいます。そのような犬の場合、トイレが置いてある室内に人がいると、限界まで我慢したり、見ていない所(トイレではないところ)で漏らしたりしてしまうのです。
これは犬が「人前ではしない」と心に決めているからです。ではなぜそう思ってしまったのでしょうか。それには犬なりのちゃんとした理由がありました。
1.怒られたから
「以前はちゃんとトイレでしていたのに」という場合、最も多い原因が「怒られた(と感じた)」からです。
トイレではない場所で粗相をしてしまったときに厳しく叱ってしまうと、犬は排尿や排便することが怒られることと学習することがあります。飼い主は「場所が違う」というつもりで叱っていますが、犬には場所の違いが分からず直前の行動(=排泄)を怒られたと思ってしまうのですね。
「そんなに厳しく叱っていないのに…」という場合でも、犬たちは飼い主の「あ~…」という残念そうな声もしっかり記憶しています。用を足したときに嫌な顔をされたことを学習すると、その人の前で排泄することを避けてしまうようになるのです。
2.落ち着かないから
動物は排泄時には、とても無防備な状態となります。神経質な犬や人の視線に敏感な犬の場合、排泄する姿そのものを見られることを嫌がる場合もあるようです。飼い主にじっと見つめられる=叱られると感じてしまうのかもしれません。
また、飼い主と目があうと遊びのスイッチが入ってしまう犬もいます。飼い主がその場にいる限り意識がそちらに向いてしまうので、トイレどころではなくなって我慢し続けてしまう事に。
人前でトイレをしなくなったときの対処法
トイレトレーニングを再度実施します。
犬が人前で排泄・排尿をしなくなった理由の最も大きなものが、「怒られたと感じた」ということです。これは一度覚えてしまうとなかなか難しいのですが、根気よく「トイレでできたら褒める」を繰り返してあげることが改善につながります。
子犬の場合はトイレトレーニングの際に叱らないことも大切です。出来たら褒める、出来なかったら黙々と片付けるということを徹底していきましょう。前はできていたけど今は出来ないという成犬の場合も同様です。
人目があると落ち着かないという神経質な犬の場合は、飼い主の側が「見てないよ」というポーズを取ってあげることも良いでしょう。見られていることが苦手な犬なら、無理に見つめずその犬の負担にならないように飼い主が配慮してあげることも良いと思います。
前述した排泄の頻度や日頃の生活パターンから排泄のタイミングを計り、犬がそわそわし始めたら席を外す・しらんぷりをするなどしてみてください。犬がそのタイミングで自分なりにこっそりと指定した場所で用を足したら、今度は大袈裟に褒めてあげましょう。
まとめ
今はトイレが出来ている犬たちも、飼い主に怒られたり、緊張させられたりすれば人前で排泄するのを嫌がってしまうかもしれません。
トイレの際はむやみに叱らず、生理的な欲求を無理に抑えさせることは控えましょう。
飼い主側としては、犬たちが無防備な状態のときでも安心できる存在になることを心がけていきたいものです。