犬がソファなどの高い場所に乗りたがる理由3つ

犬がソファなどの高い場所に乗りたがる理由3つ

気付くと愛犬がソファーやベッド、低めのテーブルなどに乗っているのを見て、犬は高い場所が好きなのだと思うかもしれません。しかし一般的には、犬は高い場所が苦手だとされています。猫のように垂直方向にジャンプ移動するような体のつくりではないのです。ではなぜ、犬がソファなどの高い場所に乗りたがるのか、その理由について考えてみましょう。

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犬の習性

草原を走る犬

猫の本には必ず「垂直移動できるような環境を整えましょう」と書かれていますが、犬の本にはそういう記載がありません。しかし犬の行動を見ていると、ソファーやベッド、椅子、低めのテーブルなど、床よりも少し高い場所に乗るのが好きそうな犬も決して少なくありません。

実際、本当に犬は高い場所に乗るのが好きなのでしょうか。

犬と猫の共通した祖先に、「ミアキス」という動物がいます。ミアキスとは、ラテン語で「動物の母」という意味を持つそうで、約6,500万〜4,500万年前に、主にヨーロッパ大陸などの森で暮らしていた、イタチに似た姿の動物だったといわれています。

その後森に残ったミアキスは猫へ、草原へと出ていったミアキスは犬へと進化していったと考えられています。ですから、猫は今でも森のように空間を立体的に使える環境での暮らしに適しており、犬は広い草原を駆け回るような暮らしに適した体の構造をしているのです。

つまり、犬はジャンプをして垂直方向に移動するような行動は得意ではなく、本来高い場所が苦手だとされています。実際、ドッグサロンや動物病院の台の上に乗せられて、心細そうに固まってしまっている愛犬を目にしたことのあるご家族も多いのではないでしょうか。

にもかかわらず、床よりも少し高いソファーや椅子の上、ベッドの上、少し低めのテーブルの上などに乗りたがる犬は多いです。今回はその理由を考えてみましょう。

犬がソファなどの高い場所に乗りたがる理由

ソファの上で寛ぐ犬

ではここからは、犬がソファやベッドなどの高い場所に乗りたがる理由について検証していきましょう。

1.高さではなく居心地の良さに惹かれている

愛犬がよく乗っている高い場所が、ソファやベッド、クッション性の高い椅子などの場合は、高さではなくて居心地の良さに惹かれている可能性が高いでしょう。

夏の暑い時にはフローリング等の冷たい床の上で寛ぎ、少し肌寒い季節にはふかふかと暖かいソファやベッド、クッション性の高い椅子などの上で過ごしたいというのは、犬にも人間にも共通している感覚かもしれません。

2.大好きなご家族の匂いに安心できる

犬の嗅覚は非常に優れており、視覚よりも嗅覚から多くの情報を得ていることが知られています。そのため、愛犬にとってリラックスできる場所であるか否かには、ニオイの要素も非常に強く関わるのです。

ベッドやソファ、椅子など、ご家族が普段長時間過ごしている場所には、愛犬が信頼し大好きなご家族の匂いが染み付いています。その匂いの中で過ごせることに、愛犬が安心している可能性も高いでしょう。

3.以前良い体験をした

特に居心地が良い環境でもなければ、特別ご家族の匂いが染み付いているような場所でもない、例えばテーブルの上や出窓などに乗りたがる場合は、過去の経験に原因があるのかもしれません。

犬は、自分の行動とその直後の経験を結びつけて学習します。そのため、「以前テーブルの上に乗った時に美味しいおやつをもらった」「退屈な時に出窓に乗ったら外の景色が見えて楽しかった」というような、良い思いをした経験を覚えているのかもしれません。

犬が高い場所に乗った時の注意点

椅子の上に座る犬

犬が高い場所に乗って楽しそうなのは良いのですが、飼い主として注意すべきポイントがあります。

飛び降りた際の衝撃

平地で暮らすように進化してきた犬にとって、坂道伝いに小高い丘に登り降りすることはできても、垂直方向にジャンプをして飛び乗ったり飛び降りたりというのは、苦手です。猫のようにジャンプの衝撃を上手に受け止められるような体のつくりではありません。

普段愛犬が好んで乗る場所は、愛犬にとって昇り降りできる高さの場所だと考えられますが、ご家族が急に姿を消した、雷や地震などの不意の出来事が起きたような場合は、焦って飛び降り、事故につながる可能性もあります。目を離さないように注意しましょう。

不安な状態での落下

本来犬は高い場所が得意なわけではないため、いつもより高い場所にいる時は、かなり不安な心理状態である可能性が高いです。

例えば、ドッグサロンの作業台や動物病院の診察台の上などで、心細そうな表情で固まってしまった愛犬を見たことがあるのではないでしょうか。緊張して不安がっている状態の犬は思いもよらない行動をとることがあり、それが落下事故につながる可能性もあります。

特に慣れない高い場所に乗っている時には、よく注意するようにしてください。

加齢による不具合

犬の老化スピードは非常に早く、いつの間にか足腰の筋力が衰え、関節などに痛みを抱えるようになっていることがあります。若い頃は平気だったソファやベッドなどからも降りられなくなってきているかもしれません。

年齢を重ねるに従い愛犬の様子をよく観察し、安全に移動するためのステップを設置する、場合によっては上がれなくするといった対策を施すようにしましょう。

まとめ

ベッドに乗っている犬

愛犬がよくベッドやソファに乗っているのを目にして、「犬は高い場所が好きなのだ」と思っているかもしれません。

しかし、犬が好んでいたのは高さではなく、居心地の良さ、それもご家族の匂いに包まれることで安心できるからだという可能性が高いことがわかりました。これは、ご家族にとっても嬉しいことではないでしょうか。

ただし、本来犬は高い場所が得意ではなく、特にジャンプによる垂直方向への移動は苦手です。愛犬がお気に入りの高い場所で寛いでいる場合も、目を離さずに万が一の時に対処できるようにしてあげましょう。

また、加齢による体力の衰えが原因で、高いところから下りた時に関節炎を悪化させる等のリスクも高まります。愛犬の様子をよく観察し、適宜適切な対処ができるよう心がけましょう。

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