犬の誘拐を防ぐ方法とは
近年、世界中でコロナ禍による在宅時間の増加のためか、ペットブームが急激に高まっています。その需要に供給が追い付いておらず、ペットの価格は高騰が続いています。
そのせいか、「ちょっと見かけてかわいかったから」というびっくりするような理由で犬を誘拐したり、繁殖や転売などのために誘拐したりする事件が急増しているのです。
日本においてはいくら家族がペットを愛していても、人の財産・所有物という取り扱いになります。そのため実際に誘拐が起こっても警察などでの取り扱いは「窃盗」となり、積極的な捜査や捜索はなされません。
つまり、ペットを守るのは自分たちの力で出来る努力をする必要があるのですが、なによりもまずは犬の誘拐を防ぐ環境を整えることが大切です。
1.目を離さない
小さい子供同様、遊びに行くときや庭先で遊ばせている際に「ちょっとだから」と目を離さないようにしましょう。
外出先ではきちんとリードを付け、離さないようにしましょう。お使いのリードが伸縮性のリードだったとしても、目が届きいざとなったら手が届く距離を保つように気を付けることが大切です。飼い主の手が届かない距離に犬がいた場合、すれ違いざまにリードを切られて連れ去られてしまう危険があります。
またリードを外して遊ばせることが可能なドッグランは、飼い主同士のおしゃべりも楽しいものですが、ここにも危険があります。全く見知らない人がいることもありますし、おしゃべりに夢中になってしまったり、柵で囲われているからと油断していると、知らないうちに犬がどこかに連れ去られていることも。
河川敷などで「誰もいないから」とリードを離してしまうことも、何かあってもすぐには手が届かないため、誘拐する側にとっては絶好のチャンスです。犬は離さず、手の届くところで一緒に歩くのがマナーであり、安全なお散歩といえますね。
2.買い物中に外でひとりで待たせない
たまにスーパーやコンビニの店先に、犬をつないで待たせている方がいます。
「ほんの少しだから」「いつもやってて慣れているから」「店の中から見えているから」といって、お買い物をしている最中に犬が誘拐されてしまうことがあります。
目を離していなくても店内から外には物理的な距離があり、不審な人が犬を持ち上げてしまっても助けが間に合いません。人目があるから、という油断も、スーパーなど不特定多数の人が利用する施設では、待っている犬が誰の犬かも分からないため、誘拐されそうになってもその人が飼い主ではないのかどうか判断できないため助けようがないのです。
「車で待たせているから」という場合も、100%安全であるとは言えません。時期によっては熱中症の危険もありますし、車種によっては車ごと盗まれたり、珍しい犬種だからと窓を割られて犬を持ち去られるというケースもあるようです。
どうしても犬と出かけて買い物中に待たせたい場合、走行中の安全のためにも、犬はクレートにいれて外から目立たないようにおいておくほうがよいでしょう。
また誘拐とは別ですが、待たせている最中に見知らぬ人から不要なものを食べさせられたり、暴力を受ける可能性もゼロではないため決して安全とは言えません。お店の外で犬を待たせるのはやめましょう。
3.散歩をルーチン化しない
犬にとってお散歩は大きな楽しみの一つです。犬はルールが大好きなので、決まった時間になると「お散歩に行ける♪」とそわそわウキウキしだすでしょう。
しかし毎日同じ時間に同じルートでお散歩をすることは、誘拐する側にとって誘拐の計画を立てやすくする絶好のチャンスを作っていることになります。
また、犬や人に出会うと吠えたりとびかかったりするからと、人気のない早朝・深夜に散歩をしたり、人通りの少ない道を選んで歩いたりする飼い主さんも多いのではないでしょうか。
こちらのケースも、お散歩をする側にとっては気楽なようでいて、人目がないため強引に誘拐されても誰にも助けてもらえず目撃もされないため、大変危険であるとも言えます。
また犬にとっても、毎日同じルートでは刺激が足りず、マンネリ化する場合もあります。時々はルートを変えて新しい道を開拓したり、季節や時間が許せばお散歩の時間をちょっと変えたりして、風景やにおいに変化を持たせることは犬にとっても良い刺激になるでしょう。
万が一誘拐されてしまったら
まずはしっかりと警察に届け出をしましょう。それと同時に近隣の動物愛護センターに届け出ます。警察では被害届と犯人に対する告訴状を提出することが可能です。
しかし警察に届け出てもはっきりと「犬が誘拐された=窃盗された」という証拠がないと、被害届が受理されない場合もあるようです。犬の場合、「逃げた」のか「連れ去られた」のかがはっきりとわからないとされるからだそうです。防犯カメラや目撃情報などが必要とされるということですね。
また犯人を見つけ連れ歩いている犬が自分の犬であると主張しても、反対に「自分がずっと飼っている犬だ」と開き直られるケースもあります。こういった場合に備えて、ぜひマイクロチップの登録を更新しておくことが大切です。
まとめ
犬の誘拐はあまり大きなニュースにならないため、身近に感じられないと思う方も少なくないかもしれません。
しかし世界的にみても、日本でみてもこの数年は著しく増加傾向にあります。飼い主の努力で防げるケースも多いので、ぜひ愛犬家のみなさんはご自身と犬の安全のためにも、犬から目を離して遊ばせたりすることのないよう、気を付けていきましょう。