イギリスで人気の13犬種の飼い主へのアンケート調査
犬と散歩をしている人たちを見ていると、犬と飼い主が何となく似ていることが多いという声が時折聞かれます。長く一緒に暮らすうちに犬と飼い主の雰囲気が似てくることもあれば、飼い主が自分の風貌に近い犬を選びがちということもあるようです。
では外見ではなく犬の気質についてはどうでしょうか?イギリスにある世界最古のケネルクラブであるザ・ケネルクラブ(略称KC)が、イギリスで最も人気のある16犬種の犬の飼い主(現在または過去)1,500名以上を対象に行ったアンケート調査から興味深い傾向が明らかになりました。
飼っている犬種別に飼い主の性格を分類
このアンケート調査では、参加者の性格特性を分類する質問が設定されていました。
質問項目は人の性格は5つの因子の組み合わせで決まるという心理学のビッグファイブ理論に基づくもので、「開放性」「誠実性」「外向性」「調和性」「情緒安定性」の5つの因子のうち、どの因子に属する特性が最も強いかに焦点が当てられました。
回答者による自己申告から分析された性格特性と飼っている犬種を照合したところ、その人が飼っている犬種によって、性格特性のうちどの因子が強いかに明らかな傾向があることが明らかになりました。
犬種ごとの飼い主の性格特性の傾向はこんな感じ
調査で挙げられた13犬種と、その飼い主の性格特性の傾向はそれぞれ次のようなものでした。
- ジャックラッセルテリア 忠実で信頼できる
- コッカースパニエル クリエイティブで家庭的
- ボーダーテリア 陽気で活発
- スプリンガースパニエル 伝統を重んじ控えめ、時間に正確
- ポメラニアン 情熱的で自由奔放
- スタッフォードシャーブルテリア 愛情深く、信頼できる
- ミニチュアシュナウザー 誠実で良心的、規則正しい
- ウィペット 新しい経験を好み冒険的
- ゴールデンレトリバー 情緒が安定していてポジティブ
- ラブラドール オープンで友好的
- ダックスフンド 信頼性が高い
- ジャーマンシェパード 他人を助けることに積極的
- チワワ 信頼性が高い
調査を実施したザ・ケネルクラブの広報担当者は、これらの犬種の飼い主の性格特性と、それぞれの犬種の気質には似た傾向があり、人は無意識のうちに自分と似たタイプの性質を持つ犬を選ぶのかもしれないと述べています。
このアンケート調査はロンドンで開催される、約200種類の犬を間近に見ることができる大規模イベントに先駆けて実施されました。
アンケートの結果がメディアなどで取り上げられることで、「犬の気質や特徴を理解するために事前にリサーチして、自分の性格やライフスタイルに合った犬を迎えてほしい」という思惑が込められています。
まとめ
イギリスのザ・ケネルクラブが実施したアンケート調査からわかった、人気犬種の飼い主の性格の傾向という話題をご紹介しました。
科学的な調査ではなく、回答者の自己申告によるものなので精度を追求した調査ではありませんが、イベントを前にしてイギリスの新聞やネットニュースなどで数多く取り上げられており、調査実施の目的は達成できたと見受けます。
「犬を迎える前によくリサーチしましょう」とストレートに呼びかけることも大切ですが、こんな風についつい犬の気質と自分の性格を比べたくなるような話題を提供するというのは、有効な戦略と言えますね。
《参考URL》
https://www.thekennelclub.org.uk/media-centre/2022/october/research-into-breed-choices/