犬の里親になるために必要な心構え
「犬の里親になりたい!」「犬を幸せにしたい!」という方が増えていることは嬉しいことです。しかし、実際はそう簡単なことではありません。
私は子犬を迎えたこともありますし、里親になったこともあります。保護した犬をそのまま迎えたこともあります。思っていた通りだったこともありますし、考えもしなかったことで苦労したり、犬につらい思いをさせたり、困難もありました。
これから犬の里親になりたいと考えている方へ、こんな心構えが出来ていたらいいかも…ということを解説します。必ずお役に立てると思います。
1.同居する家族みんなの同意を得ること
犬の里親になるために必要な心構えは、同居する家族みんなの同意を得ることです。
「自分が飼い主になってお世話すればいい」という考えではよくありません。お世話やしつけの中心となる人はいるべきですが、家族みんなが協力してお世話できる方がよいです。犬は群れで暮らす動物です。家族みんなに愛されることが幸せなのです。
ひとりでも反対する人がいたり、あまり犬を好ましく思わない人がいたりする場合、里親の条件をクリアすることができず、譲渡されない場合があります。
2.犬が生涯ずっと暮らせる家に住み続けること
犬の里親になるために必要な心構えは、犬が生涯ずっと暮らせる家に住み続けることです。
「庭付き一軒家の持ち家がいい」などとよく言われますが、賃貸でも問題ありません。私も犬と暮らし始めたばかりの頃は賃貸でした。ただし賃貸である場合、犬を飼育することができる家でなければなりません。
そして、必ず事前に「犬を飼育するための条件やルール」を確認しておく必要があります。
- 超小型犬のみ
- 体重10㎏以下の犬のみ
- NGな犬種がある
- 片腕で抱っこできる犬のみ
- 他人に吠える犬NG
家のオーナーさんによって条件は様々です。
そして、最も気を付けたいことは引っ越しです。必ず犬も暮らせる家に引っ越さなければなりません。実は、引っ越しを機に捨てられてしまう犬が多いのです。
3.経済的な負担
犬の里親になるために必要な心構えは、経済的な負担です。
犬1匹にかかる年間飼育費用は約35万円とされています。15年でかかる飼育費用は約525万円です。
- 病気や怪我の治療
- ごはんやおやつ
- トリミング(シャンプーやカット)
経済的な負担が最も大きいとされているのがこの3つです。
そして、治療費や食費は犬が高齢になればなるほどさらに高くなります。病気や怪我が増え、ごはんが総合栄養食から療養食へと切り替わることがあるからです。
犬の里親になったばかりの頃は幼かったお子さんも成長し、学費や生活費がかかるようになります。子供に必要だから犬には…ということでは絶対にいけません。
経済的な負担は、犬の将来のことまで見据えて考えるべきです。
4.理想と違っても愛せること
犬の里親になるために必要な心構えは、理想と違っても愛せることです。
里親を募集している犬は、何かしら問題を抱えています。一度は家族を失っています。心に大きな傷を負っていることがあります。そのため、すぐには懐いてくれないかもしれません。理想としている犬ではないかもしれません。
なかなか言うことを聞いてくれないことがあります。成犬であると、子犬のようにしつけも上手くいかないことがあります。根気強く愛情を持って向き合っていかなければなりません。
私は保護した犬を家族に迎えてもうすぐ10年になりますが、私以外の人がお散歩へ連れて行くことはできません。リードを持つことを許さないからです。家族以外の人は触れることも近づくこともできません。激しく威嚇するからです。
里親を待っている犬にはこんな犬もいます。里親として家族に迎えた犬がどんな犬に成長するかは一緒に暮らしてみなければ正直わかりません。それでも、その犬が生涯を終える時まで、愛情を持ってお世話し続けることができるでしょうか。
まとめ
犬の里親になるために必要な心構えを4つ解説しました。
- 同居する家族みんなの同意を得ること
- 犬が生涯ずっと暮らせる家に住み続けること
- 経済的な負担
- 理想と違っても愛せること
犬の里親になるための条件は、里親を募集している方によって異なります。
心構えができていても犬の里親になれないこともある、ということを知っておくとよいと思います。