犬が失禁してしまう原因
犬の失禁は、飼い主が気づかない程度のほんの少量である場合もありますし、排泄と変わらないほど大量の場合もあります。
おしっこをお漏らしすることも、うんちをお漏らしすることも、どちらも「失禁」に当てはまります。
犬がおしり周りをしきりに舐めるようになったなと感じた時、もしかすると失禁しているかもしれません。ほんの少量のお漏らしがあり、自分自身で舐めてお手入れをしているのです。
おしり周りの毛が濡れていることがよくある、後ろ足だけ濡れていることがよくある、陰部に赤みや腫れがあるなどする場合にも、失禁のサインかもしれません。
今回は、そんな犬が失禁してしまう原因と解決方法について解説します。
1.去勢手術や避妊手術を受けた
去勢手術や避妊手術を受けたことが原因で尿失禁することがあります。
膀胱の筋肉を上手くコントロールすることができず、夜間に失禁が見られることがあるとされています。これには、性ホルモンが関係していますので、手術後に尿失禁が起こる場合はホルモン剤の投与などの治療が必要になります。すぐに効果が出ないことが多いので、1か月ほどは様子を見てください。
2.下部尿路疾患
犬が尿失禁してしまう原因には、下部尿路疾患があります。
尿は「膀胱」に溜まり、「尿道」を通って、「外尿道口」という穴から排出されます。この3つの経路のことを「下部尿路」と言います。
そして、次のような疾患が下部尿路疾患に当てはまります。
- 下部尿路感染症(膀胱炎など)
- 前立腺炎
- 前立腺腫瘍
- 前立腺肥大
- 泌尿器の腫瘍(ガン)
- 気腫性膀胱炎
- ポリープ様膀胱炎
- ストルバイト結石(尿結石)
- シュウ酸カルシウム結石(尿結石)
失禁には、このような疾患が隠れていることがよくあります。愛犬の失禁に気づいたら、解決する方法として、すぐに動物病院で検査を受けるようにしてください。
とくに、シニア犬や老犬は定期的な検査をおすすめします。
3.肛門括約筋不全
犬が便失禁してしまう原因には、肛門括約筋不全があります。
肛門の手術を受けた時、肛門に外傷を負った時、骨盤神経や陰部神経を損傷した時など、肛門括約筋の筋肉が機能を失ってしまい、無意識に排便してしまうことがあります。
解決する方法ですが、手術を希望する場合には、神経外科の得意な獣医師に相談するのがよいと思います。人工肛門という選択肢もあります。
まずは、便失禁があることをかかりつけの獣医師に相談されてみてください。
4.不安・緊張・恐怖
犬は、極度の不安・緊張・恐怖を感じた時、尿や便を失禁してしまうことがあります。
よくあるのは、動物病院で注射を打たれた瞬間に失禁してしまうことです。一過性の失禁ですし、犬の体に異常があるわけではありません。
「こんな時に失禁してしまう」ということがはっきりと分かっている場合、マナーベルトやおむつを着用することで、尿や便で周りを汚してしまうことを防ぐことができます。
解決する方法ですが、どんな犬にも不安や緊張や恐怖を感じる場面があります。恐怖心を煽ることがないよう、飼い主が明るく楽しく振る舞ってあげるとよいのではないでしょうか。
5.認知症
犬が便失禁してしまう原因には、認知症があります。
解決する方法ですが、低下した脳の機能を活性化させるため、脳に刺激を与えてあげることです。
外に出てお散歩をし、ニオイを嗅いだり、音を聞いたり、目で追うなどすることでよい刺激を受けることができます。
歩くことが難しい場合には、ペットカートでのお散歩でも構いません。人や犬との触れ合いもよい刺激になると思います。
まとめ
犬が失禁してしまう原因を5つ解説しました。
- 去勢手術を受けた
- 下部尿路疾患
- 肛門括約筋不全
- 不安緊張恐怖
- 認知症
余談ですが、あまりの嬉しさに興奮してお漏らししてしまう「うれしょん」も失禁に当てはまるかもしれません。このような場合は、可愛い失禁なので許せてしまいますよね。