犬が寝ている時に体をピクピク動かす理由とは?4つの原因と注意すべき症状

犬が寝ている時に体をピクピク動かす理由とは?4つの原因と注意すべき症状

犬が寝ているときに小刻みに体を動かしたり、震えたりしていることはありませんか?この記事では、犬が寝ているときにピクピク動く理由や注意しておくべき点について、解説します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

1.脳内で記憶の整理をしている

寝ているビーグル

犬が寝ているときにピクピクと動く理由のひとつとして考えられているのが、脳内で記憶や体験の整理をしているということです。

細かい部分は明らかになっていませんが、犬は人間と同様に、寝ている最中に起きているときに受けた刺激や情報を脳内で整理していると考えられています。

特に、子犬のように新しい刺激に毎日触れる犬は、寝ているときにもその情報整理のために脳が様々な働きをしているとされています。目が覚めている状態から眠るときには、脳の神経の働きが変わります。日中張り切りすぎると脳の活動もいつも以上に活発になり、脳が眠る状態に切り替わりにくくなるかもしれませんん。その結果、お出かけやトレーニングなどで、犬がたくさん刺激を受けた日は、寝ているときに体がピクピクと動くことが多いかもしれません。そのようなときは、ゆっくりと眠れる環境を整えて、頭も体もしっかりと休ませてあげてくださいね。

2.夢を見ている

笑いながら舌を出して眠る犬

人間の眠りは、90分周期で「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」をくり返しているとされています。一方、犬の眠りの場合は「レム睡眠」が大半で、1日のうち12~18時間という長い時間寝ているかわりに、危機察知能力が働く浅い眠りをしています。

近年の研究では、ノンレム睡眠でもレム睡眠でもどちらの場合も夢を見るということがわかっています。そして、基本的にレム睡眠の間に見た夢は記憶に残り、ノンレム睡眠の間に見た夢の記憶は残らないようです。また、レム睡眠の間に夢を見ているときは脳が働いているため、体の動きにも影響が出やすいとされています。

そのため、浅い眠りの中で夢を見ていると、それに影響されてまるで走っているかのように足を動かしたり、口や目元をヒクヒクと動かしたりします。なかには、むにゃむにゃと寝言のように声を出したり、はっきりワン!と吠えたりする犬もいます。

こうしたとき、眠りが浅い傾向があるので、声掛けをしたり体に触れたりするとびっくりして飛び起きることがあります。犬をゆっくりと休ませてあげるために、必要以上に心配して度々起こすことのないように注意してください。

3.音に反応して動いている

片足を上げて眠っている犬

犬が寝ているときに体を細かく動かすのは、基本的にレム睡眠のときが多いと考えられています。前述した通り、レム睡眠は危機察知能力が働く程度に眠りが浅いので、外から受ける様々な刺激にも反応しやすいのです。

寝ているときは目を閉じているため視覚的な刺激にはあまり反応しませんが、人が近づいてくる気配や周囲で発せられている音はしっかりと感知しています。そのため気になる音が聞こえてきたときなどは、思わず体が反応して自然に動いてしまうことがあるようです。

4.けいれん発作など病気の可能性も

丸まって寝る白い犬

犬が寝ているときに体をぴくぴくと動かすことは、ごく自然な行動で多くの犬に見られるものです。そのため、過剰に心配する必要はなく、基本的には見守っていていいでしょう。

ただし、ごくまれに睡眠中の小刻みな動きが、病気が原因となっている痙攣発作の可能性もあります。主に、てんかんなどの脳疾患や神経系疾患によるものが多く見られるため、少しでも様子がおかしいと感じたら動物病院に相談することをおすすめします。

体を大きく反らせたり激しく震わせていたりすることが多かったり、数分に渡って痙攣や震えが続いていたり、失禁や嘔吐などを伴っていたりする場合は、できるだけ早く受診をしましょう。

また、呼びかけに反応しない場合も注意が必要ですが、明らかに痙攣発作だと思われる場合は、無理やり起こそうとしないでください。発作を起こしている最中に触れると、刺激に反応して周囲のものに噛みついたり思わぬ悪影響が出たりする可能性があります。

発作中は、犬の周囲のものをどかして安全を確保し、発作の様子や状態をしっかりと観察しましょう。

そして、発作がおさまった時点ですぐに病院に連絡し、獣医師の指示をあおいでください。その際に、発作時の様子を正確に伝えると診察や治療に役立ちます。

まとめ

寝ているコッカーの子犬

犬が寝ているときに体をピクピクと動かすことは、決しておかしなことではありません。そのような様子がみられるときは、1日の中で受けた刺激や記憶の整理を脳内でしていたり、夢を見ていたりすることが考えられます。

睡眠中に痙攣発作を起こすこともありますが、ごく稀なことなので心配しすぎないようにしましょう。

心配のあまり、犬が寝ているときに度々起こしてしまう飼い主さんもいますが、犬がゆっくり休めず健康を害する恐れがあるので注意してくださいね。

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