老犬の介護に絶対必要な心構え
1.散歩も介護のひとつ
老犬になると散歩に行きたがらなくなります。体を動かすことも運動をすることも億劫になります。老犬だから仕方がないなどと考えてしまうかもしれません。
しかし、老犬の散歩は介護のひとつです。犬の筋力が低下してしまわないようにするためのケアです。散歩をやめてしまったり、体を動かす機会が減ってしまったりすると、想像よりも早く寝たきりになってしまうことがあります。
犬の筋力が低下すると、関節の動きも悪くなります。また、骨量も低下してしまいます。寝たきりを防ぐための介護として、適度な散歩を必ず続けてほしいです。
外の世界には視覚・嗅覚・聴覚を刺激するものあふれています。老犬の脳の活性化にもなり、若々しさや健康寿命の維持、認知症の予防にも役立てられるとされています。
2.体に優しい食事の提供を心掛ける
老犬になると消化機能が衰えます。年齢に合ったドッグフードを選ぶことも大事ですが、食べさせ方にも工夫が必要になります。
噛む力が弱くなってしまったり、歯の数が減ってしまったりした場合には、小粒を選ぶ、こまかく砕く、お湯でふやかして与えるなどの工夫をするとよいと思います。
嘔吐や下痢をすることが増えた場合には、食事の回数を増やす必要があるかもしれません。若いうちは1日2回に分けて与えることが多いですが、老犬の場合には3回や4回に増やすことで上手く消化できるようになることがあります。
お皿から上手く食べることができなくなってしまった時には、飼い主の手で食べさせることが必要になることもあります。
3.口の中や歯のケアを怠らない
つい怠ってしまいがちな愛犬のお口のケア。老犬には病気のリスクを高めるばかりです。
歯周病菌は歯肉に炎症を起こします。さらに進行すると、歯や骨を溶かします。やがて細菌は体中に行き渡り、肝炎・腎疾患・心疾患を引き起こすことがあります。
歯石は細菌の塊です。日頃の歯磨きで歯石の蓄積を防ぎましょう。老犬になると全身麻酔を用いた歯科治療ができない場合があります。
口臭や歯石が気になると感じているのであれば、今すぐに歯科検診を受けに行きましょう。
4.トイレと排泄の問題に配慮する
老犬になると、おしっこの回数が増えます。トイレやシートは常に清潔にしておかなければなりません。留守番中はトイレを複数用意したり、おむつを着用したりしなければならないこともあります。
腸の働きが低下し、便秘がちになる老犬もいます。腹部のマッサージやサプリメントについては必ず獣医師に相談してください。
お水を飲みたがらなかったり、飲む量が減ったりすることもあり、便秘の原因になりやすいです。食事と一緒に水分を摂れるよう工夫したり、老犬用のミルクを与えたり、水分の多い食事に変えるなど工夫してあげてください。
留守番中の粗相が増えるかもしれませんが、絶対に叱ったり嫌な顔をしたりしないであげてください。
5.無駄吠えと夜泣き対策を怠らない
介護中の飼い主を悩ませるのが「無駄吠え」と「夜泣き」です。物凄く大きな声で鳴きますし、一晩中鳴き続け眠れない夜もあります。直接何か言われることはなくても、「犬の鳴き声がうるさい」とご近所で噂になっていることがあります。
留守番中のことであると気づけない飼い主も多いようです。「老犬がいます。無駄吠えをすることがあります。申し訳ありません。」と、私も謝って回ったことがありました。
決して安くはありませんが、簡単に設置できる防音グッズを活用するのがおすすめです。経済的な余裕がある場合には、業者さんに入ってもらうのもアリだと思います。
6.寝たきりの介護方法について知っておく
寝たきりの介護が必要になった時は、皮膚や筋肉の褥瘡を防ぐため、定期的に寝返りを打たせてあげなければなりません。
私の愛犬も褥瘡をおこしたことがありましたが、出血が止まらず、毎日病院に通って手当を受けていました。
血行をよくするため、寝返りを打たせるだけではなく、マッサージをしてあげるのもおすすめです。
まとめ
老犬の介護に絶対必要な心構えを6つ解説しました。
- 散歩も介護のひとつ
- 体に優しい食事の提供を心掛ける
- 口の中や歯のケアを怠らない
- トイレと排泄の問題に配慮する
- 無駄吠えと夜泣き対策を怠らない
- 寝たきりの介護方法について知っておく
同じ散歩コースでも、老犬になればかかる時間が2倍にも3倍にもなります。時間の余裕を持てるようにしたいです。
粗相と後始末が増えるとイライラしてしまうこともあります。帰宅してみると、おむつを脱いで噛みちぎっていることもあります。
夜鳴きは介護中の一番の悩みです。何をしても鳴きやんでくれませんし、犬も疲れきった様子です。このまま倒れて死んでしまうのではないかと恐ろしく感じてしまうほどです。
犬社会でも高齢化が進んでいます。疲弊してなげやりになってしまう前に、老犬の介護をサポートしてもらえるサービスや施設の利用も検討してみてください。