犬の認知症とは
近年では犬の高齢化も進んでいて、その結果認知症を発症する犬も少なくないよう。犬の認知症とは老化によっておこる脳の障害。認知機能が低下し問題行動が増えるため飼い主さんを悩ませることもあります。
個体差はあるものの一般的には12~13歳頃から発症しやすいと言われています。寿命が短いと言われる大型犬は7~8歳ころから注意が必要です。
早期発見することで認知症の進行を遅らせる治療を開始することが出来るので、愛犬が高齢の場合、毎日しっかりと行動や様子をチェックしましょう。
犬の認知症の初期症状
まずは犬の認知症の初期症状から確認していきましょう。これらの行動が現れたら認知症を発症している可能性があります。
- 親しかった人や犬を認識できなくなる
- 障害物をよけることができない
- こぼしたご飯を見つけられない
- 飼い主さんの帰宅時にお迎えに来なくなった
- 褒められても無反応
- お昼寝の時間が増えて夜に起きている
- 夜鳴き
- トイレの失敗が増える
- 何事に対しても無気力で無関心
その他、名前を呼ばれても反応しにくくなる、オスワリやオテが出来なくなるなど今まで普通に出来ていたことが出来なくなると認知症を発症している可能性があります。気になる症状や行動が見られたら早めに動物病院で診察をしてもらいましょう。
犬の認知症が進むと現れる『4つの症状』
1.飼い主さんを認識できなくなる
飼い主さんとしてはとても悲しい症状になりますが、犬の認知症が進むと徐々に飼い主さんのことを認識することができなくなってしまいます。
2.旋回運動
犬の認知症が進むと多く見られるのが「旋回運動」になります。ぐるぐると同じ場所を回り続ける動きです。飼い主さんが止めようとしても、なかなか動きを止めることはないので自然と落ち着くまで待つしかありません。
家具の角などにぶつかってもそのまま旋回し続けることもあるので、ぶつかってケガをしてしまわないように、危険な場所にはクッションやタオルなど柔らかい素材の物でカバーするようにしましょう。
3.睡眠時間が昼夜逆転する
初期症状では昼に寝ている時間が増えて、夜に起きている時間が多くなります。進行していくと完璧に昼夜逆転してしまうこともあります。夜鳴きもひどくなるため、飼い主さんを悩ませる症状のひとつになります。
4.失禁
高齢になると認知症でなくてもトイレの失敗は増えてきます。認知症の場合は、トイレの場所を忘れてしまったり、飼い主さんのコマンドが分からなくなってしまうため少しずつトイレの失敗が増えてきてしまうよう。
進行していくと所かまわず失禁してしまうこともあるようです。
犬の認知症は予防できる?
犬の認知症を完璧に予防することは難しいようです。しかし、適切なライフスタイルを心がけることで発症や進行を遅らせることは可能です。
1.シニア期になったら心がけたい生活
高齢になってきた犬には、適度な刺激が認知症の予防に繋がる可能性があります。体の運動だけでなく脳に刺激を与えるような知育玩具もおすすめ。
お散歩は可能であればお日様の出ている時間帯にしましょう。昼間にお散歩に行けない場合は、できるだけ朝日を浴びることで体内時計をリセットし脳に良い刺激を与えることが出来ます。
また認知症は昼夜逆転の生活になってしまう可能性が大なので、あまりお昼寝をさせないようにしてください。些細なことでも良いので、こまめに声をかけたり一緒に遊ぶなどして昼間の時間を過ごしましょう。
そして筋肉の衰えは寝たきりになってしまうリスクが高くなります。寝たきりになってしまうと認知症の進行も加速してしまうため、シニア期になっても出来るだけお散歩には行きましょう。
過剰な運動は必要ありませんが、筋肉を保てるような適度な運動は心がけてください。
2.ご飯やサプリメントは?
DHAやEPA、またビタミンEは記憶力や認知力の向上が期待され、脳の老化を穏やかにしてくれると言われています。これらが豊富なフードに変更する、またサプリメントで補うのもおすすめです。
まとめ
脳の老化により発症してしまう認知症は早期発見することが大切です。年を重ねた愛犬の生活に変化が見られたら早めに動物病院に相談してみましょう。
また、認知症になってしまった愛犬をお世話していくことは大変なことでもあり、悲しい気持ちになってしまうこともあると思います。愛情をもってお世話を続けていくためにも飼い主さんひとりで頑張るのではなく、信頼できる周囲の方、また動物病院での治療に助けてもらいながら乗り越えてきましょう。