飼い主がしてはいけない愛犬への強要
犬への強要とは、愛犬に対して無理強いをすることです。人の場合では、強要罪というものがありますが、脅迫したり、暴行を用いて義務のないことを行わせたりすることを言います。
もしも愛犬に対する行為が強要だったとしたら…と考えると、「私はそんなことを愛犬にしているのか!?」と、何だか恐ろしくなってしまいますよね。
飼い主がしてはいけない愛犬への強要とは何なのか、愛犬にとってどのようなデメリットがあるのかを一緒に考えてみましょう。
1.嫌がる愛犬に無理やり服を着せること
嫌がる愛犬に無理やり服を着せることは、強要に当たるのではないでしょうか。
よほどの理由がない限りは、無理強いしてまで服を着せる必要性はないように感じます。
例えば、子犬や老犬、体調が悪い犬、病気の療養中に犬など、自力では上手く体温調節ができない時、防寒対策として服を着せることがあります。手術後で体に傷がある犬、皮膚病の治療中の犬など、術後服や保護服として着せることもあると思います。
強要に当たるのは「オシャレをさせるための服」ではないでしょうか。お出かけや旅行のための服を持っている犬もいますよね。重要なのはオシャレであること以前に機能性のある服であるかどうかです。
暑さを和らげてくれる、保温性や保湿性がある、反射材が付いている、日差しや紫外線から守ってくれる、迷子札の代わりになるなど、オシャレ以外の目的を持って選ぶと愛犬のためになるのではないでしょうか。
嫌がる愛犬に無理やり服を着せることのデメリットは、「本当に服が必要になった時に着せることができなくなるかもしれない」ということです。
2.嫌がる愛犬を無理やり歩かせる
嫌がる愛犬を無理やり歩かせることは、強要に当たるのではないでしょうか。
犬は運動が必要な動物です。基本的には外へお散歩に行きます。しかし、あまり歩こうとしない犬もいますよね。だからと言って、引きずるようにしてまで無理やり歩かせる必要はないのではないでしょうか。
運動は室内でもできます。自宅に庭があるのであれば庭遊びもよい運動になります。お散歩は嫌いだけどドッグランは好きだという犬もいます。
リードを強く引いて無理やり歩かせる前に(なぜこの子は歩きたがらないのか?)を考えてみてください。
お散歩で怖い思いをしたことがあるのかもしれません。手足や体に慢性的な不調や痛みを抱えているのかもしれません。社会化が不足し、外の世界に恐怖心を持っているのかもしれません。
嫌がる愛犬を無理やり歩かせることのデメリットは、「犬にとってお散歩が楽しいものではなくなる」ということです。ただただ嫌なことでしかなくなってしまうかもしれません。本来は楽しいものですよね。
3.嫌がる愛犬に芸をさせる
嫌がる愛犬に芸をさせることは、強要に当たるのではないでしょうか。
芸は飼い主と愛犬とのスキンシップやコミュニケーションであるとよいものです。飼い主の指示に従うとよいことが起こるということが分かれば、しつけも上手くいきます。飼い主の指示に愛犬が応えることには、信頼関係も生まれると思います。
しかし、芸は必ずしもできなければならないものではありません。犬に初めて教える芸には「お手」や「おかわり」がありますね。犬が安全に健康に生きるために必ずしも覚えなければならないものではありません。
「待て」や「放せ」や「戻れ」など、もっと重要で確実に覚えてほしいことが山ほどあります。芸はおまけのようなものです。嫌がる愛犬に無理やり芸をさせることのデメリットは、しつけにも悪影響を及ぼすかもしれないということです。
「お手」はできなくてもよいですが、「放せ」はできた方がよいです。危険なものを誤飲しそうになった時、咬みついて放さない時に役立ちます。危険な場所へ立ち入ろうとしている時は「戻れ」も役立ちますし、車道に飛び出そうとした時は「止まれ」も役立ちます。
まとめ
飼い主がしてはいけない愛犬への強要を3つ解説しました。
- 嫌がる愛犬に無理やり服を着せること
- 嫌がる愛犬を無理やり歩かせる
- 嫌がる愛犬に芸をさせる
犬と20数年暮らしてきて感じますが、犬にも服が必要な時はあります。健康のためにはお散歩を習慣にしたいですし、少しでも良いから歩いてほしいです。
お留守番の多い犬にとって、帰宅後のおやつと芸はセットのようなものですよね。犬も喜びますし、飼い主も嬉しい気持ちになります。
ただ、愛犬に何かを要求する時は「無理強いをしていないか」ということを常に意識すべきなのではないでしょうか。