犬に『二足歩行』を強要してはいけない絶対NGな理由4つ

犬に『二足歩行』を強要してはいけない絶対NGな理由4つ

二足歩行をする犬の写真や動画はSNSなどでウケるでしょう。でもSNSで『いいね』がたくさん欲しいからといって、愛犬に無理やり二本足で歩かせようとするのは絶対NGです。さて、その理由とは…?この記事では、犬に『二足歩行』を強要してはいけない絶対NGな理由についてご紹介します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬に『二足歩行』を強要するのは絶対NG!

二本足で立つ犬と女性

犬が人間ぽい仕草や行動をしているのを見ると「かわいい」「面白い」と思う人は多いでしょう。もし二足歩行をする犬の動画がSNSに投稿されていたら、つい見てしまうのではないでしょうか。

そして二本足でちょこちょこと歩く犬の姿を見て「うちの子が二本足で歩く姿も見たい!」「うちの子の二足歩行もSNSに投稿したい!」と思う飼い主さんもいるかもしれません。

でも、愛犬に二足歩行を強要するのは絶対NGです。それには理由があります。今回は、犬に『二足歩行』を強要してはいけない絶対NGな理由をご紹介します。

犬に『二足歩行』を強要してはいけない絶対NGな理由

二本足で立つフレンチブルドッグ

1.犬の体の負担になる

皆さんご存知の通り、犬は四本の足で体を支え、四本の足を使って歩いたり走ったりする動物です。そのため当然ながら、犬の体は四足歩行に適した骨格になっています。

そんな犬に二足歩行をさせれば足腰や股関節に負担がかかり、椎間板ヘルニアや関節炎などを起こしてしまう可能性があります。

椎間板ヘルニアとは、背骨の間のクッションの役割を果たす椎間板が何らかの原因で正常な位置から飛び出し、脊髄を圧迫する病気です。重度になると足などに麻痺が出ます。

どの犬にも二足歩行の強要は絶対NGですが、特にミニチュア・ダックスフンド、シー・ズー、トイ・プードル、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、ビーグルといった椎間板ヘルニアの好発犬種に二足歩行をさせてはいけません。

2.犬がケガをする恐れがある

犬が四本の足で立っているとき、前足と後ろ足には大体7対3の割合で体重がかかっています。では、犬が二本足で立った場合はどうなるでしょうか。

通常は3割程度の体重しかかかっていない後ろ足に、全体重がかかることになります。このような状態は体に負担がかかるだけでなく、不安定とも言えるでしょう。

二本足での不安定な歩行は転倒するリスクが高く、骨折や脱臼などのケガをする恐れがあります。特に小型犬は骨が細いため骨折しやすく、また膝の皿がずれる膝蓋骨脱臼も起こしやすいため、大ケガに繋がりかねません。

二足歩行を強要して、愛犬に痛い思いやつらい思いをさせるのはやめましょう。

3.犬のストレスになる

犬が二足歩行を「やりたくない」「嫌だ」と思っている場合、二足歩行の強要は犬のストレスになります。二足歩行を繰り返し強要されるストレスが原因で、心身の病気になってしまうことも考えられます。

二足歩行に限らず何かを強要されることは、犬にとって大きなストレスになるということを心に留めておきましょう。

4.犬との関係が悪くなる

犬に二足歩行を強要していると、犬が飼い主さんに対して不信感や恐怖心を持つようになってしまう可能性があります。そうなった場合、犬との関係が悪くなってしまうでしょう。

二足歩行を強要したことによって愛犬との信頼関係が崩れ、飼い主さんを見ると逃げ出したり、唸ったりするようになるのは悲しすぎます。二足歩行は、愛犬との関係を悪化させてまでさせることではありません。

まとめ

二足歩行をするジャックラッセルテリア

犬がちょこちょこと二足歩行する姿はかわいらしく、SNSでウケるかもしれませんが、愛犬に無理やり二本足で歩かせようとしてはいけません。

愛犬が病気やケガをしたり、愛犬との関係が悪化したりしてから後悔しても遅いので、愛犬に二足歩行を強要するのは絶対にやめましょう。

愛犬が自分から二足歩行をするようになることもありますが、体の負担になることや、ケガをするリスクがあることに変わりはありません。愛犬が二足歩行をしたときに飼い主さんが褒めたり喜んだりすると、自分から繰り返しやるようになってしまうので注意が必要です。

ミニチュア・ダックスフンドなどの椎間板ヘルニアの好発犬種は、二足歩行はもちろん、二本足で立つことやジャンプも背骨や腰に負担がかかるので避けるようにしましょう。

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