犬がくしゃみをする理由とは
愛犬が「くしゅん!」とくしゃみをすると、「どうしたの?体調が悪いの?」などと気になりますよね。人間も何かと鼻がムズムズしてくしゃみをするものですが、犬は病気が原因である以外にも、心理的な要素が関わっている場合があります。
犬が何度もくしゃみをしたり、特定の場面になるとくしゃみをするようになったら理由を探ってみてください。ここでは、犬がくしゃみをする理由について、考えられる心理や病気をまとめました。
嬉しくて興奮しているから
犬はなんと、嬉しい時にくしゃみをすることがあります。飼い主さんの帰宅時や、好きな食べ物を目の前にした時など、犬が喜ぶシーンになるとくしゃみをする場合はその可能性を考えてみてください。
犬が嬉しい時なので、尻尾を振りながら、耳をペタンと後に倒しながらくしゃみをするのが特徴です。嬉しい時に犬がくしゃみをするのは、「興奮した自分を落ち着かせるためにわざと行っている」といわれています。
ちょっと不思議な行動ですが、くしゃみをするのがその時だけなのであれば、大きな問題にはならないでしょう。
強いニオイがしたから
ご存じの通り、犬は人間の何倍もの嗅覚を持っています。刺激臭は人間の1億倍のニオイとして犬は感じてしまうらしく、中でもツンとしたニオイが苦手です。
犬が辛そうな表情でくしゃみをしたら、何らかの強いニオイを感知したのかもしれません。犬が嫌がるニオイとは、お酢や柑橘類、アルコールやタバコ、香水や湿布のようなものです。
人間が日常でよく使う消臭スプレーや芳香剤も、犬にとっては刺激的なニオイになり得ます。
鼻がムズムズする
犬も人間と同じで、鼻の中に異物が侵入するとムズムズしてしまうことがあります。よくあるのが、空気中の花粉やホコリなどの小さなゴミです。
犬の抜け毛から発生することもあり、ハウスダストはアレルギーの原因になりやすいです。とくにフローリングの掃除をすると、掃除機の排気でホコリが舞い上がりやすいので注意してください。
ウェットタイプのフローリングワイパーでホコリを集めておき、掃除機の使用時間をできるだけ短縮することをおすすめします。
ストレスが溜まっている
犬がくしゃみをする行動に違和感を感じる場合は、ストレス性の要因を考えてみてください。なぜストレスがくしゃみに関係するのかといえば、犬は自律神経のバランスが崩すと鼻粘膜に異常を起こす場合があるからです。
急な環境の変化がないか確認してみましょう。
病気によるもの
最も注意したいのが、くしゃみの原因が病気の場合です。嬉しい時やストレスが溜まった時に犬はくしゃみをすることがあるとお伝えしましたが、何度も繰り返す場合は病気や緊急性のある原因を疑ってください。
犬のくしゃみを引き起こす病気や原因には次のような例があります。
- 鼻腔内異物、鼻腔内腫瘍
- ケンネルコフ(風邪のようなもの)
- 鼻炎アレルギー(花粉やハウスダストなど)
- 歯牙疾患(犬歯の根の化膿)
病気ではない原因に、鼻の中にゴミが入り込んでしまう鼻腔内異物があります。散歩中に砂や植物が鼻に入ることがあるので、犬に異変が起きたらすぐに確認してください。
ピンセットで取り除ければいいですが、小型犬のような鼻の穴が小さい犬や、原因がわからない場合はすぐに動物病院を受診しましょう。
犬がくしゃみや鼻水を引き起こす場合は、ウィルスが原因になるケンネルコフや、花粉やハウスダストが関係するアレルギー性鼻炎などの病気の疑いも出てきます。また、歯牙疾患という犬歯の根が化膿する病気になると、くしゃみだけでなく鼻や顔の皮膚に穴が開き膿が出る症状もみられます。
急にくしゃみが止まらなくなった場合や、くしゃみや鼻水が続く場合は早めに相談をしてください。
逆くしゃみ
犬の逆くしゃみとは、口を閉じた状態で鼻を「フガッフガッ」「ブーブー」と鳴らす、人間のいびきのような鼻呼吸のことです。原因は明らかではありませんが、犬の口の中の奥にある軟膏蓋と呼ばれる部分が炎症を起こしているケースが多くみられます。
夏の暑い時期や冬の乾燥する時期に逆くしゃみを引き起こしやすく、小型犬や短頭種がなりやすい犬種とも知られています。逆くしゃみは特別な治療法がなく、緊急性がなければ乾燥や室温に注意しながら見守るしかありません。
まとめ
犬のくしゃみには人間と同じような原因ばかりではなく、心理的な要因も関係していることがあります。アレルギー性鼻炎を持つ犬も多いので、生活環境には配慮をしたいですね。
いずれにしても苦しそうに連続でくしゃみをする場合は、すぐに動物病院を受診してください。