1.食後に吐く
基本的に食べることが好きな犬であれば、出せば出すだけ際限なくご飯を食べてしまうことがあります。そうした様子から「犬には満腹中枢がない」と言われることがありますが、実際は「満腹中枢が鈍い、満腹を感じにくい」というのが正解です。
人間と同様に、犬にも満腹中枢はありますが、それが働くまでに食事が口に入ってから少し時間がかかります。そのため、ほんの数分で食事を食べ終わってしまう早食いの傾向がある犬の場合は、満腹中枢が満腹感を感じるころには、体の許容量を超える量になってしまうのです。
ちなみに、満腹を感じていたとしても、犬は野生動物時代の本能として「(次の狩りが成功するまでの)食いだめ」をする習性もあるので、目の前にある食べ物はすべて食べ尽くす傾向があります。
しかし、胃が受け入れられる量を超えて食事を食べすぎてしまうと、当然のことながら体が拒絶反応を示して吐き出してしまいます。食事の後、すぐに吐くことが多い場合は、食事量自体が多い可能性があるので一度見直してみましょう。ちなみに、この場合は未消化の状態の食べ物が出てくることが多いでしょう。
2.体重が増える
犬が食事を極端に多く食べすぎてしまうと、上記のように嘔吐が起こり、食べたものを消化できずに吐き出してしまいます。
しかし、体が許容できる量であるものの、多少食べすぎている状態が続いている場合は、少しずつ体調や体格に変化が出てくるでしょう。そのサインとして最もわかりやすいのが、肥満です。生きていくために必要なカロリーよりも、摂取したカロリーが多い場合、当然のことながら体に蓄積して肥満になってしまいます。
日頃から健康管理の一環として、犬の体重をこまめに測っている人はあまり多くないかもしれません。動物病院やトリミングに行ったときにしか体重を測らないという人もいるでしょう。
しかし、見た目にわかるほど太りはじめているときは、かなり体重が増えていると考えられるので、ダイエットにも苦労しがちです。そのため、調整しやすいように、1週間に一度など定期的に自宅でも体重を測るようにすることをおすすめします。
犬の食べすぎによるリスクとは?
食べることが好きな犬を飼っていると、ついついたくさん食べさせてあげたいと思うものですよね。うれしそうに食べている様子を見るのは幸せなものですし、欲しがっているのを我慢させるのはかわいそうだと感じることもあると思います。
しかし、長期的に見ると、食べすぎは病気など身体的トラブルを招く可能性が高まるリスク要素となるので、できるだけ避けるべきことです。
上記のように肥満に陥る可能性が高いのは、多くの人が理解しているでしょう。肥満は「万病のもと」と呼ばれるように、様々な病気を発症させるリスクのひとつとなり、特に心臓や関節などに大きな負担をかけることが考えられます。また、食べすぎている生活が続くと、糖尿病を発症することもあります。
また、一気に大量の食事を摂ることは、胃拡張・胃捻転症を引き起こす可能性もあるので十分注意が必要です。胃が捻転して周辺組織が壊死し、放置すると短時間のうちに死亡する恐ろしい病気です。
大型犬に起こりやすい病気とされていますが、小型犬でも起こらないというわけではないので、過度な食べすぎや食べた直後の運動は避けるようにしてください。
まとめ
食べすぎは、犬の健康や命を脅かす恐れのあることだとしっかり認識しておいてください。確かに、愛犬がうれしそうに食べている姿を見るのは微笑ましい光景ですが、それを続けてしまうと将来的に病気やトラブルを引き起こす可能性が高まるのです。
犬に満足感を感じさせつつ、健康的な食生活を送らせるために、食事の質や与え方などを見直し、飼い主さん自身が甘やかしてしまわないように決意することも必要でしょう。また、食べすぎの原因が病気や認知症などの可能性もあるので、その点について考えてみることもおすすめします。
大切な愛犬を守るために、犬自身がおいしく楽しく食べながら、健康をキープできるような食生活を意識してみてくださいね。