犬は感情が伴う思い出を長期記憶することが得意
犬は知能が高く、その場の状況に応じて考えて行動することができる子も多くいます。とても賢い犬たちは犬種ごとに多少の差はありますが、記憶力も他の動物に比べて高いと考えられています。
特に日々の生活の中で「楽しい」「嬉しい」「怖い」など、感情が伴う経験や思い出に関しては、長期的に記憶することが得意と研究によって判明しています。
嫌なことよりも幸せなことを記憶する傾向が強い
感情豊かな犬たちにとって、日常の中に起きた出来事の中でも感情が伴う経験を記憶することは、特に得意とされています。
中でも犬は嫌な記憶よりも、幸せを感じた時の方が記憶に残りやすいと言われています。飼い主と楽しく遊んだ記憶や飼い主にされて嬉しかったことなどは、長期的に記憶に残りやすいというわけです。
具体例を出すならば、同じトレーニングをさせる場合でも嫌々トレーニングをさせられるより、楽しくトレーニングを進めた方が長期的に記憶に残りやすいため、効果があるということです。
犬は会ったことがある人の顔を覚えているの?
では、犬は飼い主以外でも会ったことがある人の顔を覚えているのでしょうか。会ったことがある人の中でも「この人は覚えているようだけれど、この人はまだうろ覚えみたい」という反応を見せることがあると思います。何が違うのでしょうか。
1.一度、短時間だけ会った相手は忘れてしまう可能性
一度会っただけの人の中にも記憶に残る人はいます。しかし、一度会っただけ、しかもたった数分という短時間だけ会った相手の場合、その状況に感情が強く入らないため、記憶に残りにくいケースが多いと考えられます。
一時的な記憶としては残りますが、次の日や数日後には忘れてしまっている可能性が高いです。そのため次に会った時によそよそしい反応を見せたり、警戒するような態度を見せたりすることがあります。
2.一度でも楽しい時間を過ごした相手は覚えている犬が多い
一度会っただけの相手であっても、その人に遊んでもらったりおやつをもらったりと楽しい時間を過ごした思い出が残っている場合、時間が経ってもその人のことを記憶している犬は多くいます。
やはり「この人と一緒に過ごした時間が楽しかった!」「嬉しかった」という強い感情が伴っているため、犬の記憶に残りやすいのでしょう。
3.不安や恐怖を抱いた相手も記憶に残りやすい
嬉しい楽しいといったポジティブな感情よりも記憶は薄れやすいですが、不安や恐怖を抱いた相手も感情が伴わなかった相手よりは記憶に残りやすいです。
本能的に「この人は怖い」「自分にとって危険な存在かもしれない」と認識しているため、生存本能が働いている部分も大きいでしょう。
一度でも嫌なことや怖がらせるような行動をとってしまうと、このように苦手な相手として記憶に残ってしまうことになります。気をつけましょう。
4.何度も会って時間を過ごしている相手はしっかり記憶している
飼い主はもちろんですが飼い主以外の人でも、何度も会い時間を共有している相手はしっかり記憶していることが多いです。
例えば、散歩中に毎日のように出会う人や犬、たまに家にやってきて一緒に遊んでくれる友人であれば、犬自身も慣れ親しんだ相手として詳細に記憶を残していることが多くあります。
「1年ほど会っていないけれど、覚えているかな?」と友人が久しぶりにやってきたところ、嬉しそうに大歓迎する愛犬の姿を目の当たりにしたことがある飼い主さんも少なくないでしょう。
まとめ
いかがでしたか。犬は記憶力が良く賢い動物です。そのため、飼い主以外の人を記憶していることも多く、特に感情が伴った思い出を共有している場合、顔を覚えていることが多いです。
ぜひ犬と会う時は、ポジティブな感情を持ってもらえるような接し方を心がけてみてください。