症状や予防法は?犬から人にうつる『危険な病気』4選
犬が持つ病気の中には、犬から人に感染する可能性のある病気があることをご存知でしょうか。今回は、犬から人にうつる危険な病気の症状や予防法を解説していきます。人が感染してしまうと、非常に危険な症状が起こる恐れがあるので気をつけましょう。
1.オウム病
オウム病は、名前の通り鳥が由来となって感染する感染症です。「オウム病クラミジア(クラミジア-シッタシ)」という病原体を持つ鳥が、大きなストレスなどを受けることによって感染源となり、他の動物や人に影響を与えることがあります。
多くは野鳥や飼育されている鳥などが発症すると言われていますが、病原体を持つ野鳥に接触してしまった犬から人に感染する例もあります。
人間がオウム病に感染してしまうと、肺炎のような症状を発症するため、「インフルエンザにかかった」と感じる人が多いです。他にも気管支炎などの呼吸器系の症状を発症し、稀に死亡例も見られるため侮ってはいけません。
この病気のワクチンは現在存在していません。ひな鳥でクラミジア-シッタシに感染すると発症して亡くなることもありますが、ほとんどは症状が現れない不顕性感染です。健康に見える保菌鳥がほかの病気にかかったり、ストレスなどが原因になり菌が排泄物や分泌物に混じって排泄されます。この菌が吸引、経口、接触などの感染経路で鳥や哺乳類に移ります。手洗い、衛生管理の徹底をしっかり行いましょう。
2.狂犬病
狂犬病は人畜共通感染症の中でも特に有名な感染症です。狂犬病ウイルスを持つ犬に噛まれることで感染する事例が多く、発熱や頭痛、倦怠感などの症状が始まり、進行すると錯乱状態や幻覚症状を起こし呼吸停止で死に至ります。
日本では、人が狂犬病を発症した事例は1957年以降報告されていません。これは犬への予防接種が義務化されていること、さらに日本は島国なので海外からウイルスが侵入しにくいことが理由だと考えられています。
ただし、油断は禁物です。狂犬病を予防するためには、まず愛犬に毎年狂犬病予防接種を受けさせることが重要です。また、不用意に野良犬に近づかないようにすることも予防する上で大切です。
3.トキソプラズマ症
猫に多く見られる感染症『トキソプラズマ症』は、犬が感染した場合も多くは無症状です。ただし、犬の免疫力が低下している時に感染した場合、下痢や脱力、呼吸困難などの症状が見られます。
トキソプラズマ症は人間も感染することのある人畜共通感染症の1つです。生肉などに寄生している食中毒菌から感染し発症するリスクが高まるので、愛犬に生肉や生魚を与えないようにしましょう。
4.サルモネラ症
サルモネラ症は、日本国内でも食中毒症菌として上位に挙がる病原菌によって引き起こされる食中毒感染症です。近年でも、犬から人に感染した事例が報告されているため、注意が必要です。
犬から人へ感染した場合は、急性胃腸炎を発症する人が多く、免疫力の低い子供や高齢者の場合は、重症化によって菌血症を併発する恐れもあります。
犬から人へ感染する経路は、犬の排泄物を触った手についた病原菌が、そのまま人の口の中に入ってしまうという経路が最も多いです。予防法としては、犬を触った後、あるいは犬の排泄物を片付けた後に、必ず手を洗い消毒することを心がけることが大切です。
犬から感染症をもらわないために気をつけるべきことは?
人畜共通感染症を犬からもらわないためには、日頃から愛犬との接し方や、接した後の対応を心がけることが大切です。
- 直接口と口を接触させない
- 犬や排泄物に触れた後は必ず手を洗う
- 排泄物の処理はこまめに行う
- 犬が暮らす環境を清潔な状態に保つ
- 毎年愛犬に狂犬病予防接種を受けさせる
- 草むらに不必要に立ち入らせない
上記の注意点を守り、愛犬と安全なスキンシップやコミュニケーションを図るようにしましょう。また、愛犬が病原体に寄生されないよう草むらに入らない、清潔な状態を維持してあげるといった意識も忘れないようにしてください。
まとめ
いかがでしたか。犬から人にうつる病気は他にもあります。今回紹介した病気は、非常に危険な症例が報告されているため、日頃から私たち飼い主が感染しないよう予防することはもちろん、愛犬も感染しないよう努めましょう。