ナックリングって、どんな病気?
ナックリングは、犬の歩き方に異常が見られるようになる病気です。症状は前足にも後ろ足にも起こることがあります。
飼い主から見ると歩き方がおかしく感じられるのですが、犬は何事もないかのような平気な様子で歩こうとします。ナックリングの特徴とも言えるかもしれません。
ナックリングの症状
お散歩中、歩いている時に足の先がカクンッとなってしまうことがあります。人間で例えると、足首がカクンッとなるような感じでしょうか。
足の先がカクンッとなることが頻繁に起こり、その後も正常に歩来ます。ナックリングの初期症状と言えると思います。
症状が進むと、足の先を内側に曲げたまま立とうとしたり、歩こうとしたりすることがあります。犬の手首って、グッと内側によく曲げることができますよね。そのままの状態で歩こうとします。
また、そのように足の先を内側に曲げたまま上手く戻すことができないことがあります。曲がったまま固定されて戻せないのではなく、自力で戻すことができない状態です。
飼い主の手で曲げ伸ばしをすると正常に動きます。関節が固まってしまうわけではないのです。
ナックリングの原因
老化現象
老化現象によって、ナックリングの症状が起こることがあります。シニア犬や老犬になると筋力が衰えます。神経も衰えます。
歩いているだけなのにつまずきやすくなったり、転びそうになったり、転倒することもあります。人間が高齢になった時と同じような症状だと考えてよいと思います。
神経の異常
頚髄が何らかの原因で損傷を受けると前肢にナックリングの症状が起こります。
また、胸髄や腰髄を痛めると後肢のナックリングが起こることがあります。
- 高い場所からの落下
- 滑って転倒
- 交通事故
- 椎間板ヘルニア
このようなことが原因になり神経を痛めてしまいナックリングが起こります。
ナックリングの予防法
ソファーやベッドなどの高い場所の上り下りをさせないことがナックリングの予防になります。高い場所から飛び降りた時、神経を傷つけてしまうことがあります。手足だけではなく、首にも大きな負担がかかる行為です。
また、首輪にリードを繋いでお散歩する時、急に引っ張られたりし首に負担がかかってしまうと、頚髄を痛めてしまうことがあります。その結果、前肢に伸びる神経がマヒを起こしてしまいナックリングになる可能性があります。特に、小型犬は注意が必要です。引っ張り癖のある中型犬や大型犬にも注意が必要です。首の細い犬には首輪よりもハーネスでのお散歩をおすすめします。
ナックリングの対処法
神経の衰えや麻痺がナックリングの症状の原因になりますので、マッサージが有効な場合があります。足の先をマッサージすることで、神経の機能を回復させることが目的です。
しかし、神経への障害の程度がひどい場合はマッサージだけでは回復が難しいことがほとんどです。投薬や手術が必要になるケースがあり、早期に治療を始めることが重要になりますので様子を見ないで動物病院を受診しましょう。犬の体の運動機能の回復を目的としたリハビリテーションを専門とする病院もありますし、知識のある獣医師もいらっしゃいます。飼い主が愛犬のマッサージをするためには正しい知識や技術が必要だと思います。
まとめ
犬のナックリングとはどのような病気なのか、症状・原因・予防法・対処法を解説しました。
愛犬の歩き方がおかしい、足の先がカクンッとなる、足の先を曲げたまま歩こうとするなどの症状がある時は、ナックリングを疑ってみるとよいかもしれません。
ナックリングは神経の異常であり、痛みはないとされています。そのためか、発見が遅れてしまいやすいです。症状に気づいたらすぐに病院で診てもらってくださいね。