根治させるには手術しかない…。涙を浮かべた愛犬を見たJさん夫妻の選択とは?
高齢のため手術をしても成功率が良くないと聞いたため、Jさん夫妻は手術について悩みました。そんな時に、アニホック往診専門病院に電話をしました。
自宅での治療を選択。週1で往診してもらうことに
往診が始まった頃、胆肝外閉塞・胆嚢粘液嚢腫は消化器の病気のため、緊急入院の前後にはちゃんとご飯を食べられない状態でした。
食欲改善までは内服薬を飲みながら皮下点滴を週1回のペースで行いました。治療は順調に進み、Jさん夫妻の想いも届く形で一命を取り止めました。
約半年間、計26回の往診。現在は元気になったピーヌちゃん
緊急入院の時は覚悟を決めていたJさんでしたが、ピーヌちゃんは順調に回復をしました。犬の胆管は3mm以下で人間に比べるとかなり細いので、粘液のようなかなり粘り気のある物質や小さい胆石などでも詰まってしまうため、胆管を広げるお薬によって少しずつ改善しているそうです。
病状が落ち着くまでの約半年間、計26回の往診でした。現在も月1回ほど、定期健診をしています。現在のピーヌちゃんはかなり元気に回復をしたとのこと。この8月にピーヌちゃんはお誕生日を迎え、16歳になりました。
これからもピーヌちゃんが元気に過ごせるように、健康面のサポートとして健診などを続けていくそうです。
往診の利用方法について
実際に往診を利用したい場合、まずはインターネットでご自宅に来てくれる往診専門動物病院があるか検索してみましょう。東京都・神奈川県では、往診専門病院が増えてきています。
私たち『アニホック往診専門動物病院』は、東京23区と23区に隣接した地域が往診対象エリアになりますので、その地域の方はお電話か予約フォームから予約をお受けすることができます。
また、それぞれ行っている治療内容や診療費も異なります。往診の場合、「通常費用」のほかに「往診費用」がかかることが一般的です。
さらに、獣医療は「自由診療」のため動物病院によって料金が異なります。まずはお電話かメールでお問合せして頂くと良いと思います。
まとめ
動物の医療も高度化し、犬の平均寿命も延びてきています。今回のピーヌちゃんは幸い一命を取り止めましたが、胆管閉塞は合併症も多い病気です。
様々な状態に適切な獣医療を受けられる選択肢が必要で、それらを増やしていけるように「往診サービス」を通して、私たちも努力し続けたいと思います。
執筆者
アニホック往診専門動物病院
総獣医師長/株式会社TYL 取締役
藤野 洋(ふじの ひろし)氏
日本大学生物資源科学部(旧 農獣医学部) 獣医学科卒業後、獣医師としてペットの総合商社に入社。主に獣医師として小動物臨床に従事しながら、ペット用品及び生体販売、フランチャイズ展開の知見を深める。2007年3月に株式会社フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。2017年3月に株式会社フジフィールドをファンドに株式譲渡。動物病院のグループ化とIPOの土台を築くために、譲渡先であるファンド出資の会社にて代表取締役としてM&A推進と既存グループ動物病院及び店舗の運営全般を行う。2021年2月TYLに取締役として参画。
肝外胆管という胆汁が通る管があり、そこが詰まってしまうことを肝外胆管閉塞(かんがいたんかんへいそく)といって、ピーヌちゃんはその症状です。胆嚢粘液嚢腫といって、胆汁がドロドロの状態になっていて、それによって胆管閉塞を起こしています。
胆管閉塞は無症状のこともあるので、合併症により命にかかわる状態まで進行する病気です。