【獣医師執筆】愛犬が胆肝外閉塞を患い長期治療を受けることに 飼い主が選択した方法は?

【獣医師執筆】愛犬が胆肝外閉塞を患い長期治療を受けることに 飼い主が選択した方法は?

今回ご紹介するのは、ロングコートチワワのピーヌちゃんと都内で暮らすJさん夫妻のお話です。ふたりの出会いは約10年前で、親戚が飼えなくなったピーヌちゃんをJさんの奥さんのお母さまが引き取ることになったときです。その5年後、引っ越ししたタイミングでJさんの家で譲り受けることになったのが、ピーヌちゃんが11歳のときでした。 そんなピーヌちゃんですが、15歳のときに胆肝外閉塞・胆嚢粘液嚢腫を患ってしまいました。幸い『アニホック往診専門動物病院』を使った獣医師の往診により、症状が回復していきました。飼い主のJさんからのお話をもとにして、エピソードをご紹介します。

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記事の提供

日本大学生物資源科学部獣医学科卒業後、獣医師としてペットの総合商社に入社。主に小動物臨床に従事。2007年に株式会社フジフィールド創業し、動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。2021年に株式会社TYLに取締役として参画。

根治させるには手術しかない…。涙を浮かべた愛犬を見たJさん夫妻の選択とは?

ロングコートチワワのピーヌちゃん(16歳)

Jさん
あの日は早朝から、ピーヌの調子が悪いなと思っていました。不安になり往診専門動物病院に連絡したところ当日は予約が取れず、翌日に来ていただくことになっていました。ただ、夜になってもピーヌの様子がおかしくて、立ち上がってうろうろして食欲もなくて、このままでは翌日まで待てないと思い、救急外来を探して夜中に病院へ行きました。その時に、全部検査をしてもらって「胆肝外閉塞および胆嚢粘液嚢腫」と診断されました。とりあえず当日入院することになりましたが、その病院の先生には『投薬の方法もあるけれど、根治させるには手術しかないです』と言われました。

高齢のため手術をしても成功率が良くないと聞いたため、Jさん夫妻は手術について悩みました。そんな時に、アニホック往診専門病院に電話をしました。

Jさん
ピーヌが緊急入院することになったため、予約していた往診をキャンセルせざるを得なくなり、ご連絡しました。その際、セカンドオピニオン的な形になったのですが、親身にお話を聞いて頂き、アドバイスして頂けたことがとても有難かったです。突然ピーヌの体調が悪くなったので、どうしたらいいかわからない状態だったので、大変助かりました。

自宅での治療を選択。週1で往診してもらうことに

スマホを持つ手

補足

肝外胆管という胆汁が通る管があり、そこが詰まってしまうことを肝外胆管閉塞(かんがいたんかんへいそく)といって、ピーヌちゃんはその症状です。胆嚢粘液嚢腫といって、胆汁がドロドロの状態になっていて、それによって胆管閉塞を起こしています。
胆管閉塞は無症状のこともあるので、合併症により命にかかわる状態まで進行する病気です。

往診が始まった頃、胆肝外閉塞・胆嚢粘液嚢腫は消化器の病気のため、緊急入院の前後にはちゃんとご飯を食べられない状態でした。

食欲改善までは内服薬を飲みながら皮下点滴を週1回のペースで行いました。治療は順調に進み、Jさん夫妻の想いも届く形で一命を取り止めました。

約半年間、計26回の往診。現在は元気になったピーヌちゃん

元気な姿のピーヌちゃん

緊急入院の時は覚悟を決めていたJさんでしたが、ピーヌちゃんは順調に回復をしました。犬の胆管は3mm以下で人間に比べるとかなり細いので、粘液のようなかなり粘り気のある物質や小さい胆石などでも詰まってしまうため、胆管を広げるお薬によって少しずつ改善しているそうです。

Jさん
胆のう・胆管以外にも、肝臓に関して病状がよくなかったのですが投薬によって数値が良くなったので、本当にありがたかったですね。エコーの結果を見る限り、胆のうの状態が劇的に改善したわけではないですが、亡くなることも覚悟していたので、治療開始から半年もったこと自体が奇跡的だなと思います。

病状が落ち着くまでの約半年間、計26回の往診でした。現在も月1回ほど、定期健診をしています。現在のピーヌちゃんはかなり元気に回復をしたとのこと。この8月にピーヌちゃんはお誕生日を迎え、16歳になりました。

Jさん
無事に誕生日を迎えられたこと、嬉しかったですね。元気な姿に戻って、本当によかったです。

これからもピーヌちゃんが元気に過ごせるように、健康面のサポートとして健診などを続けていくそうです。

往診の利用方法について

往診専門病院イメージ

実際に往診を利用したい場合、まずはインターネットでご自宅に来てくれる往診専門動物病院があるか検索してみましょう。東京都・神奈川県では、往診専門病院が増えてきています。

私たち『アニホック往診専門動物病院』は、東京23区と23区に隣接した地域が往診対象エリアになりますので、その地域の方はお電話か予約フォームから予約をお受けすることができます。

また、それぞれ行っている治療内容や診療費も異なります。往診の場合、「通常費用」のほかに「往診費用」がかかることが一般的です。

さらに、獣医療は「自由診療」のため動物病院によって料金が異なります。まずはお電話かメールでお問合せして頂くと良いと思います。

まとめ

横たわるピーヌちゃん

動物の医療も高度化し、犬の平均寿命も延びてきています。今回のピーヌちゃんは幸い一命を取り止めましたが、胆管閉塞は合併症も多い病気です。

様々な状態に適切な獣医療を受けられる選択肢が必要で、それらを増やしていけるように「往診サービス」を通して、私たちも努力し続けたいと思います。

執筆者

藤野獣医師

アニホック往診専門動物病院
総獣医師長/株式会社TYL 取締役
藤野 洋(ふじの ひろし)氏

日本大学生物資源科学部(旧 農獣医学部) 獣医学科卒業後、獣医師としてペットの総合商社に入社。主に獣医師として小動物臨床に従事しながら、ペット用品及び生体販売、フランチャイズ展開の知見を深める。2007年3月に株式会社フジフィールド創業。動物病院とトリミングサロンのドミナント多店舗展開を行い、複数店舗の開業/運営を果たす。2017年3月に株式会社フジフィールドをファンドに株式譲渡。動物病院のグループ化とIPOの土台を築くために、譲渡先であるファンド出資の会社にて代表取締役としてM&A推進と既存グループ動物病院及び店舗の運営全般を行う。2021年2月TYLに取締役として参画。

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