犬の嗅覚のすごさ
まずは犬の鼻がもつ優れた嗅覚を知りましょう。
- 人間の1,000倍〜1億倍の嗅覚
- 距離は最大3mくらいまで
- 嗅ぎ分けができる
- 風向きやニオイの方向も察知できる
- フェロモンも感知できる
ニオイをキャッチする犬の嗅上皮(きゅうじょうひ)は人間の約50倍の18〜150㎠もの面積があり、ニオイを嗅ぎ分ける嗅細胞(きゅうさいぼう)で嗅ぎ分けることができます。
過去に行われた実験によると、4日前の人の足あとを160kmも追跡した犬がいたそうです。これは嗅覚が優れた犬による実験ではありますが、犬は人物の特定やニオイの嗅ぎ分けが得意であることがわかりますね。
警察犬がニオイだけで犯人の特定ができるのも、嗅覚が大変優れているからです。では、日頃からクンクンとニオイを嗅ぐ犬は、いったいどんな情報を読みとっているのでしょうか?
犬の嗅覚の秘密!犬はニオイでこんな情報を読みとっている!
ここからは犬の嗅覚の秘密に迫ります。人間には真似できない犬の驚くべき嗅覚をぜひ知ってください♪
人物の特定
犬はニオイや音で「これは誰だろう?」と人物の特定をします。飼い主さんのニオイは大好きなので、すぐに察知することができます。とくに犬はこの2つのニオイの嗅ぎ分けが得意です。
- 酢酸
- 吉草酸
酢酸とは人間の汗に含まれている、ややツンとした匂いの成分のことです。人間にとっては汗臭い嫌なニオイでも、犬にとっては好きな香りなんです。
吉草酸も酢酸と同じ脂肪酸の一種ですが、これは人間の足の裏によく発生するニオイです。帰宅後の靴下は思わず鼻をつまんでしまうほどの悪臭を放つことがありますが、嬉しそうにニオイを嗅ぐ犬も多いですよね。
警察犬が犯人を特定する際にも、この2つのニオイは大きな参考材料になるんだとか。そして、飼い主さんのニオイに包まれて安心する犬も多いようです。
敵意がない相手かどうか
犬はニオイの情報で目の前の人間が敵かどうか判断しています。人間は緊張や興奮をすると変な汗をかきますよね。そんな精神状態を犬はニオイで見抜こうと、クンクンとニオイを嗅いで情報をあつめます。
タバコやお酒や強い香水のニオイをまとった人間は、犬は嫌う傾向にあります。もし「なぜか犬に好かれない」と感じている人は、自分のニオイを再確認してみてください。
特に飼い主の精神状態を犬はいつも観察しており、イライラしていると不思議と犬は近づかなくなるものです。それどころか心配そうな目で見つめてくるでしょう。ニオイひとつで相手の小さな変化に気づくことができるのは、犬の嗅覚のすごい能力ですね。
天気
犬が鼻先を高くしてニオイを嗅いでいたら、もしかすると天気の変化を感じ取ろうとしているのかもしれません。濡れた鼻先で風向きを知り、天気が変わる前のジメジメや気温の変化を空気中のニオイで判断しています。
犬は聴覚も優れているので、人間には聞こえない遠くの雷鳴をいち早く聞き取り、さらに鼻を使ってこれからの天気を予想します。怖がりな犬ならいち早く物陰に隠れてしまうでしょう。
知らない犬について
散歩中に犬がクンクン嗅ぎ回る時は、ほかの犬が残したマーキングを感知しているのでしょう。犬のおしっこには性別や年齢や健康状態、さらに発情期かどうかなど無数の情報が詰まっています。
そのニオイから、どんな犬が縄張りを張っているのか、自分が好む犬なのかを判断しようとしているのでじっくり嗅がせてあげてください。
犬同士でお尻を嗅ぎ合う行為も犬にとっては自己紹介と同じです。肛門線から発するニオイからお互いの情報をあつめています。発情中のメス犬のおしっこにはフェロモンが含まれるため、オス犬を興奮させないよう接近しないように配慮を行いましょう。
まとめ
犬は鼻が効く動物だとは知っていても、こんなにも多くの能力を持っているとは思わなかったのではないでしょうか。
犬が一生懸命ニオイを嗅いでいる時は、思う存分情報収集をさせてあげましょう。
また犬の嗅覚は想像以上にすぐれているからこそ、強すぎるニオイには配慮したいですね。