1.無理やり押さえつけて磨く
愛犬の歯磨きをすることはとても大切ですが、実際のところ歯磨きを嫌がる犬は少なくありません。言葉のわからない犬にとっては、わけもわからず口の中に棒のようなものを入れられることになるので、不快感や苦痛を感じるのは当然のことでしょう。
そのため、子犬の時期から時間をかけて歯磨きをすることに慣らしていく必要がありますが、飼い主さんの中には嫌がっている犬を押さえつけて無理やり磨いてしまう人も…。小型犬であれば確かにその方法でも可能ですが、そうすることで犬は余計に歯磨きを嫌がるようになりますし、飼い主さんにとっても苦労がずっと続くことになります。
また、無理やり歯磨きをされ続けたことで我慢の限界を迎えて、飼い主さんの手を噛んでしまうということもあるでしょう。
さらに、愛犬の健康を守らなければという責任感から、一生懸命になりすぎて長時間磨き続けたり、飼い主さんが必死の形相になってしまったりすると、犬は歯磨きに対してネガティブな感情を抱きます。
歯磨きは時間をかけて少しずつ慣らすようにして、楽しいイメージをつけてあげることが大切です。
2.歯石や口臭が気になってからケアを始める
子犬の乳歯はもちろん、生えてきたばかりの大人の歯は真っ白でピカピカだと思います。歯が健康できれいな状態のときは、汚れもつきにくいため、しばらくの間は歯磨きをしなくてもきれいさがキープされると思います。
そのため、犬が若いうちは歯磨きの必要性が感じられずに、ついさぼってしまう飼い主さんもいるでしょう。そして、少しずつ歯が汚れたり口臭がするようになったりした時点で、口内のケアを意識するようになります。
しかし、前述した通り歯磨きを嫌がる犬は多く、慣れていない犬は強い抵抗を見せることもあります。そのため、汚れやにおいが気になってから歯磨きをしようとしても、なかなか思うようにいかないことも少なくありません。
また、汚れが目立つということは、すでに歯石が歯の表面に付着しているということです。硬い歯石になっていると歯磨きでは除去することができないため、歯垢などの汚れの段階で歯磨きをして落としておく必要があるのです。
3.力を入れてゴシゴシ磨く
歯の汚れが目立つ場合、それを落とそうとしてゴシゴシと力を入れて磨いてしまうこともあると思います。
しかし、歯や歯ぐきはデリケートなので、強い力でこすると傷ついたり摩耗したりしてしまいます。また、犬が痛みを感じて歯磨き自体を嫌がるようになってしまうこともあるでしょう。
歯ブラシを強く握ると力が入りすぎてしまうので、鉛筆のように持ち、軽い力で汚れをかき出すことを意識しましょう。また、歯磨きの時間が長くならないように、一度の歯みがきですべての汚れを落とすことにこだわりすぎないことも大切です。
「今日は前歯」「今日は右の歯」などと、毎日少しずつケアをしてもOKです。歯磨きに慣れるまでは、「1回1本」「1日5秒」などでもいいでしょう。
大切なのは、毎日の習慣にすることと、犬が嫌がらないうちに終わらせることです。
4.適切でない歯ブラシや人用の歯磨き粉を使う
歯磨きは犬の健康を保つために行うケアです。しかし、歯ブラシや歯磨き粉などの用品が、その犬に適していないものの場合は、口内を傷つける恐れもあり逆効果になってしまいます。
特に、犬の歯は人間に比べてエナメル質が薄いことが多く、人間用など毛先が硬い歯ブラシを使うのはNGです。また、人間用の歯ブラシはヘッド部分が大きく、小型犬の場合は上手く磨けないことも考えられます。
犬用の歯ブラシを使用することがお薦めですが、どうしても人間用を使わなくてはならない場合は乳幼児用の毛が柔らかくヘッドの小さなものを選ぶようにしてください。
また、人間用の歯磨き粉には清涼剤やスクラブが入っていることが多いので、犬には適していません。
犬の歯磨きをする際歯磨き粉は必須ではありませんが、使う場合は必ず犬用の歯磨き粉を使うようにしましょう。
まとめ
犬にとっても人間にとっても、口内が衛生的で健康なことはとても大切なことです。
食事をすることはもちろん、全身の健康状態にも影響を及ぼすので、できるだけ長い間健康的な口腔内を保つ必要があります。そのためには、日々の歯磨きを習慣化しておかなければなりません。
この記事で紹介したことを参考にしていただき、犬にも飼い主さんにも負担にならない歯磨きの仕方を意識してくださいね。