1.不安や緊張を感じている
犬が散歩中などに突然固まって動かなくなるとき、不安や緊張を感じていたり、警戒態勢に入っていたりすることが考えられます。
道の向こうから苦手な犬や人が歩いてきたり、工事現場の近くで大きな音がしたりというようなときに、緊張感で体が動かなくなってしまうことがあります。また、人や犬が緊張の対象の場合は、相手を刺激しないために動きを止めるということもあるでしょう。動かずにいることで、トラブルを回避してその場を何事もなくやり過ごそうとしているのです。
また、恐怖で動けなくなることもあります。この場合、体が低い姿勢になって小刻みに震えたり、尻尾が下がったりする様子も見られます。
このようなときは、無理に歩かせようとしたり、怖がっているものに近づけようとしたりすると強いストレスを感じてしまうのでやめましょう。飼い主さんに不信感を抱く原因にもなるので、注意してくださいね。
2.感覚を研ぎ澄ましている
ふとした瞬間に、突然ピタッと動きを止めて空中に視線をさまよわせたり、どこか一点を見つめたりすることはありませんか?
このようなときは、犬がにおいや音、気配などを感じてその感覚を研ぎ澄ましていることが考えられます。どこかから漂ってきたにおいや聞こえてきた音が何なのか、犬の優れた嗅覚や聴覚を使って探ろうとしているのです。
また、動体視力が優れている犬は、チラッと視界に入ったものや遠くで動いたものなどに反応してその方向を見つめることもあります。
3.意思表示をしている
犬は自分の気持ちを伝えるために様々な行動・仕草をしますが、「動かない」ということもそのひとつです。
特にわかりやすいのは、散歩中に突然動かなくなってその場で踏ん張っているときや、動物病院の前に着いた途端座り込むとき。これは「そっちの道は行きたくない!」「病院は入りたくない!」といった意思表示でしょう。
また、犬が不安やストレスを感じたときに、自分や対面している相手の気持ちを落ち着かせるために行う「カーミングシグナル」にも「静止(フリーズ)」があります。苦手な人や犬の前に動かずにいるのは、「敵意はないよ」「喧嘩するつもりはないよ」と伝えようとしているのかもしれません。
4.体に痛みや違和感がある
さっきまで元気に遊んでいたのに、なぜかあまり動かなくなってしまったという場合には、怪我や病気の可能性を考えましょう。
遊んでいたときに関節を痛めてしまっていたり、硬いものを踏んで足裏に傷ができてしまったりして、歩くことが苦痛になっていることなどが考えられます。足腰の関節を痛めていると、座ったり寝たりしたりあとに立ち上がることが大きな負担になるので、いつもであれば動くような場面(飼い主さんの帰宅時や食事の準備をしているときなど)でも動かないことがあります。
また、腹痛や頭痛などを感じているときにも、動かず横になっている時間が長くなるでしょう。犬は、体の異変を感じてもそれを言葉で訴えることはできません。そもそも、動物は体の痛みをアピールすることはせず、静かに動かずにいるという選択をします。
そのため、いつもとは少し様子が違うと感じたときは、怪我をしているところはないか、食欲はあるかなど健康状態をしっかりと観察するようにしてください。
まとめ
犬は動くことだけでなく、動かないことでも様々な気持ちを表現しています。犬が固まっているときは、何かに集中していたり、警戒していたり、痛みを感じていたりということが多く見られます。
そのため、犬自身が納得して動き出すまで待ってあげることも大切です。不安を感じて様子を伺っている状況で、無理強いするようなことをすると、飼い主さんに不信感を抱くようになる場合もあるので接し方には注意しましょう。
ただし、固まることで自分のわがままを通そうとする場合もあるので、犬の気持ちを見極めて適切な対応をする必要があります。
今回こちらで紹介したことを参考にして、愛犬がなぜ固まっているのかということを理解して柔軟に対応していきましょう。