犬がストレスをためると
人間も同様ですが、犬たちが毎日の生活を続けるうえで、ある程度ストレスを受けることは仕方ないことといえます。「おなか減ったな~」「ちょっとかゆいな…」という些細なこともストレスとなってしまうからです。
しかし、行き過ぎたストレスは心にも体にもダメージを負わせる可能性があり、強いストレスを継続的に受けることで問題行動として表れることがあります。いわゆる「無駄吠え」「破壊行動」「常同行動」「自傷行動」などがこれに当たります。
犬たちが心身ともに健康で過ごすために、過度なストレスがかかることは避けましょう。また受けたストレスを都度しっかり解消させてあげることで、犬たちの生活を安心なものにし、問題行動を解決することもできます。
犬にとってのストレスとは
犬は体格に関係なく、遊びや運動が好きです。基本的な食事や安全な住処、規則正しい生活が送れている犬も体を動かしたり頭を使ったりすることが不足するとストレスを溜めてしまいます。
飼い主が食事も散歩もちゃんとさせていると思っていても、犬によってそれぞれの必要量は異なります。
例えば一日の散歩時間が一時間の小型犬であっても、歩き足りない、走り足りない場合はあるでしょう。また、黙々と歩くだけではだめな犬の場合、遊び足りない、嗅ぎ足りない、探求心を満足させられないということが重なれば、それもまた大きなストレスになります。
愛犬と一緒にストレスを発散しよう
愛犬のストレスを発散させてあげなくては、と考えることは一緒に暮らすうえで大切ですが、それが逆に飼い主側のストレスになっては元も子もありません。義務と感じて次第に苦痛につながってしまっては意味がありません。
そうならないためにも、「愛犬と一緒にストレス発散」という考え方で長く続けられる方法をご紹介します。
1.散歩の工夫
人にとっても歩くことは運動にもなりますし、適度な運動はストレス発散にもってこいです。
そこで、散歩の距離をのばしていつもよりたくさん歩いてみたり、散歩コースを変えてみるのはいかがでしょうか。単純に歩く距離をのばせばそれだけ運動することになりますし、散歩コースを変えることは景色が違うので歩く時の気分も変わります。
犬たちにとっても同様で、いつもとちょっと違う散歩コースの場合は「ここはどこだろう、なにがあるのだろう」という探求心を満足させることにもつながります。
いつもと同じ散歩コースであっても、少し多めに時間をとってゆっくりにおいを嗅がせてあげたり、周りの景色を観察させてあげると、犬たちもじっくり楽しむことができますよ。
2.遊びの工夫
ちょっとしたいたずらや、たまにしかできない遊びには、人も興奮して大いに楽しみますよね。愛犬にも、普段はさせていないことをたまに解禁してあげる方法を取り入れることで、大いにストレスを発散することができます。
割と取り入れやすいのは、「破壊活動の解禁」でしょうか。
壊してもいい段ボール箱などを犬にあげると、大喜びでかじったり爪を立てて掘ろうとしたりします。後片付けが少々面倒ですが、一緒になって紙をびりびり引き裂いてみるのも楽しいですよ。
またその後のシャンプーを覚悟して、水遊びや土の穴掘りなどを一緒にやってみるのもよいでしょう。
小型犬はその犬種の特性で「穴を掘る」ことが大好きな犬種がいます。またバーニーズマウンテンドッグやレトリバー種などは水遊びが大得意です。犬が許されている公園の水場やビニールプールなどで、思う存分バシャバシャはしゃがせてあげましょう。
まとめ
犬と人はもちろん違う生き物なので、いくら普段中が良くても、生活を共にする上でお互いにストレスを溜めこんでしまう場面も。
しかし、犬に快適な環境を提供したいと思っていても、それだけを考えてしまうと人側も大きなストレスを抱えることになります。
毎日の散歩や生活習慣、しつけを行うなかで、それぞれに遊びの要素を取り入れ、人も一緒に楽しむようにすれば適度にストレスを発散することもできます。
一緒に暮らしていく上で、お互いに大きなストレスをためない生活を心がけたいものですね。