『番犬』から『家族』へ
かつて犬は、番犬として外で飼われるのが普通でした。今は犬が人に向かって吠えるのは困った行動となってしまいますが、当時は知らない人に吠える犬ほど「いい番犬」と言われていました。
昔の犬は玄関先や庭に置かれた犬小屋で過ごし、飼い主や家族とのコミュニケーションは少なかったです。
しかし2000年代初頭になると、外で飼われる犬よりも室内で飼われる犬のほうが多くなり、犬は家族と考えられるようになりました。近年、犬を同伴できる場所や施設が増えてきていますが、これは『犬は家族』という考えが広く浸透してきている証と言えるでしょう。
犬を家族と思っていない飼い主がしている絶対NG行為4つ
犬は家族という考えは当たり前になってきていますが、今もなお愛犬を家族と思っていない飼い主は存在します。では、愛犬を家族と思っていない飼い主がやっている絶対NG行為を一緒に見ていきましょう。
1.健康管理をしない
大切な家族には、いつまでも健康で長生きをしてもらいたいと思うものです。そのため愛犬を家族と思っている飼い主は、しっかり愛犬の健康管理をしています。
愛犬を病気や寄生虫から守るためにワクチン接種や予防薬の投与を行ったり、病気の早期発見のために日々の健康チェックや定期的な健康診断を行ったりしているのです。
さらにブラッシングやシャンプー、歯磨きなどによって、皮膚病や歯周病の予防にも努めているでしょう。もちろん愛犬に心配な症状や気になることがあれば、すぐに動物病院を受診します。
一方、愛犬を家族と思っていない飼い主は「面倒」「お金がかかってしまう」「時間がない」という気持ちが先に立ってしまい、愛犬の健康管理を怠りがちです。
2.愛犬のための貯金やペット保険の加入をしない
愛犬を家族と思っている飼い主は、愛犬のための貯金をしていたりペット保険に加入していたりします。大切な家族である愛犬が病気やケガをしたときに、できる限りの治療を受けさせてあげたいと思っているからです。
近年獣医療は発達し、昔なら助からなかったけれど今は治療が可能になっている病気は少なくありません。ただ、治療を受けるには費用がかかります。犬には人間のように健康保険制度がないので全額飼い主の負担となり、高度医療を受けるためには100万単位のお金が必要になることも。
愛犬を家族と思っている飼い主は、そういうこともしっかり考えて備えています。愛犬のために貯金もペット保険の加入もしていない飼い主は「愛犬を家族と思っていないのかな?」と思われても仕方ないでしょう。
3.体罰を与える
体罰は暴力であり、信頼関係を壊す行為です。愛犬を家族と思っていたら、叩いたり蹴ったりすることはできないはずです。大切な家族に苦痛を与えるなんて考えられません。
いくら「しつけです」「愛のムチです」と主張しても、愛犬に体罰を与える飼い主は、愛犬を家族と思っていないとみなされるでしょう。
昔は、犬に体罰を与えて言うことを聞かせることがしつけと称されていました。しかし今はほめるしつけが基本であり、体罰は絶対にNGとされています。
体罰は犬に恐怖心やストレスを与え、さらに信頼関係も壊し、何のメリットもありません。愛犬がいいことをしたらほめるというのを繰り返して、正しい行動を教えていきましょう。
4.しつけをしない
愛犬にしつけをしないのも、愛犬を家族と思っていない飼い主がしている絶対NG行為のひとつと言えます。
犬と人は別の生き物であり、犬は人にはない習性や本能を持っています。そして犬の習性や本能は、人間社会の中では困った行動となってしまうことが多いです。
そのため犬が習性や本能のままに行動すれば、周囲の人たちには迷惑な存在になってしまいます。それは、犬にとって幸せなこととは言えません。だからこそ、しつけが必要になります。
犬のしつけとは、人間社会のルールやマナーを教えてあげることです。愛犬を家族と思っているのなら、しっかりしつけを行うはず。しつけを行うことで、愛犬は人間社会の中で幸せに暮らしていくことができるからです。家族には幸せになってほしいのです。
まとめ
愛犬は、共に暮らしていく家族です。ご紹介した絶対NG行為を愛犬にしないように注意しましょう。自分では愛犬を家族と思っているつもりでも、絶対NG行為をしていたら第三者には『犬を家族と思っていない飼い主』に見えてしまうかもしれません。
愛犬を家族と思い、たっぷりの愛情を注いで接するのはとても大切なことですが、人間との線引きは必要です。愛犬は家族であっても、人間ではないからです。人間扱いするのではなく、犬として尊重してあげましょう。それが愛犬の幸せに繋がります。