わんこの平均寿命とギネス記録
2021年版の家庭どうぶつ白書によると、日本で暮らすわんこの平均寿命は2019年の調査で「14.1歳」を記録しています。2009年には13.1歳でしたから、10年でまる1年伸びていることになります。
わんこの寿命は右肩上がりに伸び続けていますが、これは外飼いから室内飼いが一般的になって飼育環境が大きく改善したことや、それにより人間との距離が近くなって手厚い医療を受けられるようになったことなどが関係していると考えられます。
わんこのギネス最高記録は29歳!
では歴史上一番長生きしたわんことしてギネスに登録されているのはオーストラリアで牧畜犬として働いていた「ブルーイー」という名前のわんこで、実に29歳5ヵ月の天寿を全うしたと言うから驚きです。
「ということは、その犬種が最も寿命が長い犬種なのでは?」「ぜひその犬種を飼いたい!」と思いますよね。ただ残念ながら、ブルーイーは「オーストラリアン・キャトル・ドッグ」という日本ではあまり馴染みのない犬種です。繁殖が難しいことから日本では専門に取り扱っているブリーダーも少なく、出会うのはなかなか困難です。
寿命が長い犬種
1.トイ・プードル
2019年度の調査ではトイ・プードルが「15.3歳」と最も平均寿命の長い犬種となりました。ぬいぐるみのような愛らしい容姿が人気のトイ・プードルは、言わずもがな日本では大人気の犬種です。
実は可愛いだけでなくとても賢く、そのうえ抜け毛も少ないために初心者でも飼いやすい犬種としても知られています。
2.ビション・フリーゼ
たんぽぽの綿毛のような真っ白でふわふわな被毛が特徴的なビション・フリーゼも長寿のわんこです。独特なカットスタイルは「パウダー・パフ」と呼ばれています。
もともとは「白い抱き犬」として王侯貴族に寵愛された犬種でしたが、その後、一般階級にも普及してからは、大道芸やサーカスで活躍していたという歴史も持ち合わせています。
3.ミニチュア・ダックスフンド
トイ・プードルと並んで人気のミニチュア・ダックスフンドも同様に長寿の犬種です。トレードマークの胴長短足は、アナグマの巣穴に入り込めるように改良された結果です。
知名度は劣りますが、ミニチュア・ダックスフンドを更に小型に改良したカニ―ヘン・ダックスフンドも長寿犬種として肩を並べています。
4.柴犬
日本犬の代表格である柴犬も、平均寿命ではランキング上位を占めています。
人間都合でさまざまな改良が加えられてきた洋犬とは違って柴犬は野生の特徴を色濃く残しており、オオカミに最も近い犬種とも言われています。それだけに日本の環境にもよく適応し、長生きすることができるのかもしれません。
5.ミックス犬
昔から「雑種犬は強い」というイメージがあるように、混血であるミックス犬も長寿の傾向があります。近年では洋犬の人気犬種を作為的に掛け合わせた「デザイン犬」とも呼ばれるミックス犬が人気を集めています。
ミックス犬が丈夫で長生きなのは、それぞれの犬種が持っている特有の遺伝的疾患リスクを下げることができるからとも言われています。
長生きのための暮らし方の秘訣
1.食事管理
「医食同源」とも言うように、食事が健康に大切なのは人間もわんこも同じです。特にわんこの場合は自分で食べものの種類を選んだり、量を調節することができませんから、飼い主さんがしっかり管理してあげることが必要です。
かつては人間の食事をわんこに分け与えることが普通でしたが、言わずもがな、今は推奨されていません。
人間用に作られた食事にはわんこに有毒な食材が含まれていることもありますし、塩分が過剰に使用されていて肥満のもととなったり内臓に負担をかけることにもつながります。人間の残飯食をやめたことが、わんこの平均寿命を伸ばした要因の1つとも考えられています。
2.運動量の確保
犬種によっては必要量に差はありますが、運動量の確保はわんこの心身の健康の維持に深く関わっています。運動不足は肥満のもとになるのはもちろんですが、精神的にも大変なストレスとなります。お散歩や遊びを通して、十分な運動をさせてあげることが長寿の秘訣です。
3.定期的な健康診断
わんこは言葉を話せませんから、体に不調を感じていても自ら訴えることはできません。また野生の頃の本能から、体調不良をぎりぎりまで隠そうとする性質があります。
そのため健康管理に大切になるのが定期的な健康診断です。動物病院ではペットドックなども実施されていますから、特に異状がなかったとしても年1回程度の健康診断を受けておくと安心です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ここでご紹介したのはもちろんただの統計データであって、実際の寿命には個体差があります。またその寿命を伸ばすも縮めるも飼い主さんの育て方次第といった側面もあります。かわいい愛犬と少しでも長く一緒に暮らすために、できる限りのことはしてあげたいですね。