犬の聴覚は優れている
犬は、優れた聴覚を持った動物です。犬といえば嗅覚が鋭いイメージですが、嗅覚の次に聴覚も発達しています。
「犬が急に怯えだしたと思ったら、数分後に雷が聞こえてきた」という経験がある飼い主さんはいませんか?これは、人間が聞き取れる音が20,000ヘルツ、犬は50,000ヘルツ。音を拾うことができる方向は人間が16方向、犬が32方向と広く、犬は人間よりも多くの音を聞きとることが可能なためです。
犬には、飼い主には聞こえていなかった遠くの雷の音も聞こえていたのでしょう。それほど、犬は聴覚が鋭いのです。
そして飼い主を認識するときや、コミュニケーションを取るときにも、犬はこの優れた聴覚を使います。
犬が飼い主を認識する場合、以下の3つがポイントとなります。
- 匂い
- 声
- 見た目
犬は視力が低いため、主に匂いと声を判断材料にしているといわれています。
「留守番をしていた犬が、飼い主の車の音を聞きつけて帰宅を察知する」という話しを聞いたことがある人も多いでしょう。犬は、飼い主の足音や声質、持ち物の音や車の音などを鋭く聞き分けているのです。
さらに犬は、飼い主の声のトーンを聞き分けコミュニケーションを取ることもできます。声のトーンによっては、犬がリラックスできない場合もあり、犬に話しかけるときには配慮が必要です。
犬が安心できる声のトーン
犬は低い音が苦手
犬が苦手とするのは、低い音です。
犬が怒りや威嚇を相手に示すとき、低い唸り声を出すことで、相手に威圧感を与えます。このことから、犬は低音に対して、威圧感や不安感を抱きます。犬が雷や花火の音を怖がることからも、低音を苦手とすることは明らかです。
そのため、犬は人間から低いトーンで話しかけられると威嚇や怒りを向けられているような気分になり、リラックスできません。
男性のことを怖がってしまう犬が一般的に多いのは、声の低さが原因の一つだといえるでしょう。また、相手が女性であっても、イライラしている時などは低くてボソボソとした声のトーンになりがちです。
犬は声のトーンから飼い主のイライラを敏感に感じとって、不安になってしまいます。犬に声がけするときは、低い声にならないよう注意しましょう。
犬は高めの穏やかな音に安心する
低い声とは逆に、高めの声で話しかけると犬は安心してくれます。
犬にとって高い音は、相手を遊びに誘ったり、甘えたりするときに使う音域です。
女性の高めの声は、犬にとって安心できるトーンなのでしょう。どちらかというと、犬は女性に懐きやすい傾向にあります。
しかし、「高い声を出せばいいのね!」と高すぎる声で騒がしく犬に話しかけるのはやめましょう。
あまりに高すぎる声は、犬を興奮させてしまいます。犬にとって高すぎる音は、遊びに誘われているような気分になってしまうのです。子供の声に犬が反応するのは、声が高すぎるからでしょう。
騒がしい声も、犬は単純に「うるさいなぁ」と感じてしまうため、オススメしません。
犬には、赤ちゃんに話しかけるときのような「穏やかで高めのトーン」、「明るくハッキリしたトーン」で話しかけましょう。飼い主がポジティブで明るい声を出していると、犬も安心できます。
まとめ
今回は、犬が安心できる『声のトーン』を解説しました。
犬に話しかけるときは、以下のような声のトーンを意識すると良いでしょう。
- 高めで
- 穏やかに
- ハッキリと
- 明るく
犬は飼い主の感情を敏感に感じ取るので、疲れたりイライラしている時でも、犬に話しかけるときは声のトーンに気をつけてあげてください。
逆に、犬がイタズラをしたときには、低めの声で叱ると効果的です。
コミュニケーションを取るのが得意な犬の場合には、声のトーンにメリハリをつけて声がけできるように意識して接しましょう!