1.飼い主さんの目を見つめる
多くの犬は、飼い主さんのことを日頃からよく観察しています。飼い主さんが話す言葉の意味そのものはわかりませんが、声のトーンやスピード、表情、行動などからそのときの感情を読み取っていると考えられています。
基本的に動物にとって、他者と目を合わせることは威嚇や警戒を示す行動です。しかし、飼い主さんのように信頼関係を築いている相手と目を合わせることは、コミュニケーションや愛情表現の一貫として役立ちます。
飼い主さんを観察しているときに、「あれ?いつもとちょっと違うな」と感じたときには、疑問を持ったり心配したりしてじっと見つめることがあります。「どうしたんだろう?」「大丈夫かな?」という感情で、飼い主さんの顔をのぞき込んだり目を見つめたりするのです。
2.体を寄せてくる
犬は飼い主さんのことを心配しているとき、近くに寄って行ったり、体を密着させて寄り添ったりする行動を見せます。動物の本能として、心配している相手に対してスキンシップを取ったり、お互いの体温を感じたりすることで安心感を与えようとしているのだと考えられています。
また、大好きな飼い主さんが落ち込んでいたり、不安そうにしていたりすると心配になって理屈抜きでそばにいたいと感じるのでしょう。
飼い主さんが落ち込んでいるときに、そばをウロウロと歩き回ったり体を寄せてきたりする場合は「そばにいるから大丈夫だよ」と伝えようとしているのかもしれませんね。
3.顔を舐める、前足を乗せる
飼い主さんを心配して体を寄せてくるだけでなく、心配の気持ちで顔や手を舐める犬もいます。また、飼い主さんの体に前足をチョンと乗せてくる場合もあるでしょう。
犬同士でも愛情表現やコミュニケーションとして、お互いの顔や口まわりを舐めることがあります。特に母子関係にある犬や、同じ群れの仲間である犬にそうした行為をする様子が見られるため、飼い主さんに対して行う場合は愛情や保護の気持ちによるものだと考えられます。
4.遊びに誘う
飼い主さんが落ち込んでいるときに、楽しそうに走り回ったり、おもちゃを持ってきて手に押し付けてきたりといった様子を見せる犬もいます。
そんな愛犬の様子を見て、(人の気も知らないで…)とがっかりしたりうんざりしたりする人もいるかもしれませんが、実は飼い主さんを心配するからこそ、そのような行動を取っている可能性があります。
このときは、飼い主さんの様子がいつもと違うため、笑ってもらおうとして、遊びに誘っているのだと考えられます。飼い主さんに元気になってもらいたくて、励ましの気持ちでいつも以上に元気な様子を見せるのです。
愛犬のそのような健気な気持ちを考えると、うれしくなる半面あまり心配させすぎてはいけないなと感じますね。
5.犬も落ち込んでしまう
犬は飼い主さんの感情を読み取り、それに同調することがあるとされています。飼い主さんの機嫌がいいときは愛犬も楽しい気持ちになり、飼い主さんが落ち込んでいるときは愛犬も落ち込んでしまう、ということはめずらしいことではありません。
特に、繊細で感受性の強い犬の場合はその傾向が見られ、飼い主さんのことを心配するあまり自分も深く落ち込んでしまうということがあります。何となく遊ぶ気持ちになれなかったり、食欲がなくなってしまったりと、様々な様子の変化が見られます。
このようなタイプの犬を飼っている人は、あまり心配させないように、ネガティブな感情はあまり見せないようにした方がいいかもしれません。
まとめ
飼い主さんのことが大好きな犬は、飼い主さんの表情や声色、態度からその感情を敏感に読み取ります。そのため、落ち込んでいる飼い主さんを見ると、不安になったり心配になったりするのです。
そのようなとき、静かに寄り添ったり元気づけるために遊びに誘ったりと、犬の性格によって様々な行動を取ることでしょう。
いつも元気でい続ける必要はありませんが、一緒に落ち込んでしまう犬を飼っている場合は、落ち込んでいる様子をあまり見せないように配慮してあげることも必要だと思います。