1.音節が短い名前
犬にとって理解しやすい名前として、まず意識したいポイントが「長すぎないこと」です。あまりにも長い名前をつけると、犬は聞き取りにくいですし、飼い主さん自身も呼びにくいと思います。
しつけトレーニングの際に、長すぎる名前で呼んだりほめたりするとタイミングがずれて上手くいかなくなってしまうことがあります。また、緊急時に犬を制止したり呼び戻したりしたい場合にも、名前が長いことがデメリットになってしまうことも考えられます。
飼い主さんの強い思いで、長い名前をつけたい場合は、しつけのときなどには省略したあだ名で呼ぶなどの工夫をするといいでしょう。
2.日常であまり使わない言葉
犬が自分の名前を識別して、飼い主さんが話す言葉のなかからきちんと聞き取るためには、日常生活で聞き慣れない言葉にするといいでしょう。
「いいこ」「かわいい」「ダメ!」「おいで」「待て」「散歩」「ご飯」など、犬に話しかけるときに使うことが多い言葉に似ている名前をつけてしまうと、犬は名前を認識しにくくなってしまいます。名前を呼ばれているのか、関係ない話をしているのかわからないと、犬は混乱してしまいますし、名前を呼ばれても無視することが増えてしまうでしょう。
飼い主さんが好きな食べものや、アニメのキャラクターなどから犬の名前をつける人も多くいますが、日々の生活のなかで頻繁に出てくる場合は注意が必要です。それらの話をするときは、愛犬のことを見ずに話すようにしたり、愛犬にはあだ名をつけたりすると混乱を防げると思います。
3.家族や同居犬の名前と似すぎていない
日常生活で使う言葉と響きが似ている名前をつけると、犬はうまく聞き分けられずに混乱したり無視することが当たり前になったりしてしまいます。それと同様の理由で、家族や一緒に住んでいる他のペットの名前と似ている名前をつけるのもあまりおすすめできません。
家族や他のペットを呼んでいるのに自分が呼ばれていると勘違いするといったことや、その反対のことが続くと、自分の名前に対する反応が鈍くなっていきます。
兄弟犬などがいると、どうしても似たような名前をつけてしまうことがありますが、混乱したり勘違いしたりする可能性があるので注意してください。統一性はありつつも、母音が異なる名前にするなど音の響きが似ていないものにするといいでしょう。
4.はっきりとした硬い音を使っている
犬の聴覚に関する研究によって、聞き取りやすい音と聞き取りにくい音があるということがわかっています。
私たち人間が話す言葉は、「a、i、u、e、o(あいうえお)」の母音と、「k、s、t、n、h、m、y、r、w、g、z、d、b、p」の子音から成り立っています。犬の聴覚による研究はいくつかありますが、基本的に子音よりも母音の方が聞き取りやすいということがわかっています。
また、その中でも母音の「a」「i」「e」や、子音の「d」「k」「p」などの硬く鋭い音が聞き取りやすいようです。反対に、「f」「m」「u」などの柔らかく曇った音は聞き取りにくい発音だとされています。ただし、研究によっては「a」「u」「o」への反応が良いという結果も出ています。
まとめ
ここまで、犬が聞き取りやすく理解しやすい名前のつけ方を紹介してきました。犬の名前が理解しやすいと、スムーズにコミュニケーションが取れるようになります。そのため、犬にとって理解しやすいことを意識して名前をつけることは大切ですが、それだけにこだわりすぎる必要はありません。
飼い主さんがその名前に愛着が持てるということも重要なポイントです。何度も呼びたくなるような、お気に入りの名前を愛情を持ってつけてあげましょう。