犬がミネラル不足になっている時の症状
犬に必要なミネラルには次のようなものがあります。
- カルシウム
- リン
- カリウム
- ナトリウム
- マグネシウム
- 亜鉛
- 銅
- マンガン
- セレン
- ヨウ素
今回は、これらのミネラル成分が不足した場合の症状について解説いたします。
1.骨粗鬆症
犬がカルシウム不足になっている時、骨粗鬆症になることがあります。
お散歩を嫌がるようになったり、ノロノロと動くようになったり、関節に痛みが出るなどの症状が起こることがあります。
とくに大型犬に起こりやすい症状であるとされていますが、体が大きい分、ミネラルなどの栄養素を多く必要とするためです。食事によるカルシウムが不足しやすいとされています。
2.食欲の低下
犬がリン不足になっている時、食欲が低下することがあります。
毛に艶がなくなった、毛がパサパサするようになった、毛並みが悪くなったなど、毛の健康や美しさにも症状がみられることがあります。
3.筋力の低下
犬がカリウム不足になっている時、筋力が低下することがあります。
お散歩を嫌がるようになったり、立ち上がるのが遅くなったりすることがあります。
衰弱の症状がみられることもあり、弱弱しく感じられるかもしれません。
4.脱毛
犬がナトリウム不足になっている時、脱毛や皮膚の乾燥の症状がみられることがあります。換毛期でもないのに毛が多く抜けたり、毛をめくってみると毛がごっそり抜け落ちてしまっていたりすることがあります。
また同時に、疲れの症状がみられることもあります。長時間のお散歩や激しい運動をしたわけでもないのに、ぐったりしていたり、休んでばかりいたりする様子がみられるかもしれません。
5.体重の減少
犬がマグネシウム不足になっている時、体重が減少することがあります。
食欲の減少や筋力の低下といった症状が見られることもあります。子犬である場合、成長が抑制されることがあるため注意が必要です。
6.結膜炎
犬が亜鉛不足になっている時、結膜炎の症状がみられることがあります。
亜鉛の不足は様々な病気を引き起こすとされており、犬の病気の根本的な原因であるとも言われています。
慢性的な炎症の抑制や活性酸素の排除を正常に処理することができなくなるためです。活性酸素は正常な細胞を傷つけてしまい、老化の一因を作ることがあります。
7.貧血
犬が銅不足になっている時、貧血の症状が起こることがあります。
食事による摂取が少ないことだけではなく、体内での銅の利用率が低下していることでも起こるとされています。
また、極端なダイエットによる食事制限が犬の銅不足と貧血を起こすこともあるようです。
8.脂肪肝
犬がマンガン不足になっている時、関節のトラブルや繁殖機能に大きな影響を及ぼします。
発育期の動物では前肢が曲がって短くなります。成犬では、跛行や関節の腫れ、上手く曲がらないなどの症状が出ます。また、繁殖機能にも大きな影響を及ぼし、受胎率が下がったり、出産率が下がります。
9.生殖障害
犬がセレン不足になっている時、食欲の低下・筋肉の浮腫み・筋肉の変性・筋肉の壊死などの症状がみられることもあるとされています。
心臓の筋肉や腸の筋肉にも異常がみられる可能性があるとも言われています。
10. 甲状腺機能の低下
犬がヨウ素不足になっている時、甲状腺機能の低下がみられることがあります。
- 元気がなくなる
- 肥満になる
- 顔が浮腫む
- 毛質が荒くなる
- 体の側面が脱毛する
- しっぽが脱毛する
主にこのような症状がみられるとされています。
しっぽに脱毛がみられることって、なかなかないですよね。飼い主にも分かりやすい症状だと思います。
犬がミネラル不足にならないように普段からできる予防法
ミネラルやその他の栄養素が過不足することなく配合されている「総合栄養食」であるドッグフードを与えることです。
ミネラル不足になりやすく最も注意が必要なのは飼い主による手作りごはんです。たまに食べさせてあげる程度であればよいと思いますが、基本的には総合栄養食を与えるようにしましょう。
どうしても必要なミネラルが不足してしまう場合には、サプリメントから摂取することもできます。過剰に摂りすぎてしまわないためにも必ず獣医師に相談してください。
まとめ
ミネラルは五大栄養素であり、犬にとっても必要不可欠な栄養素です。
基本的には、総合栄養食を与えることで、1日に必要なミネラルの全てを摂取することができますし、過不足することもほとんどありません。
(今のごはんで大丈夫かな?)と不安に思われる時は、ぜひかかりつけの獣医師にご相談ください。