犬のトラウマになりやすい『3つの出来事』 回避するために飼い主がすべきことは?

犬のトラウマになりやすい『3つの出来事』 回避するために飼い主がすべきことは?

過酷な環境の中から保護された犬達の多くは、トラウマを抱えています。しかしトラウマを抱えている犬は、保護犬のような極端な環境で育った犬に限りません。ごく一般的なご家庭で育った犬でも、トラウマを抱えてしまう場合があります。犬がトラウマになりやすい出来事をご紹介しますので、愛犬がトラウマを抱えないよう、接し方に配慮をしてあげてください。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

トラウマとは

口輪を装着した犬

トラウマとは、恐怖やショック、異常な経験などを通して受けた精神的な傷のことです。原因となった出来事によく似た状況に接することで、行動が制限されたり特殊な行動が見られたりというような影響を受けるようになります。

恐怖やショックの度合いが非常に強い場合は、たった一度の体験でもトラウマになりますし、恐怖やショックの度合いがそれほど強くない場合でも、長期間にわたって繰り返し経験することでトラウマになることもあります。

犬がトラウマを抱えている場合、その原因とよく似た状況に接することで、下記のような症状が見られることが多いです。

  • 吠える
  • 震える
  • 噛み付く
  • パニックを起こす
  • 痙攣する
  • 失禁する
  • うつ状態になる
  • 食欲不振
  • 自傷行為
  • 不眠
  • かゆみの悪化 など

トラウマになりやすい出来事

天変地異

犬がトラウマになりやすい出来事には、以下のような内容が該当します。

1.天変地異

地震、津波、雷、洪水などの自然現象がトラウマの原因となることがあります。

阪神淡路大震災や東日本大震災のような大きな災害を経験した犬達の中には、その後地震・天候悪化・騒音等の状況下で何らかの症状が見られる犬が多いようです。

2.嫌なことをされる

虐待を受けたり、嫌なことをされたり、安心できない環境に居続けさせられたりすることでトラウマになることがあります。

飼い主さんに悪気がなくても、結果としてトラウマを与えてしまうこともあります。動物病院での体験なども、その例の一つでしょう。

3.死にそうな体験

火事や交通事故、他の動物に襲われるといった、九死に一生を得るような体験も、トラウマの原因になることがあります。

実際に死にかけたかどうかは問題ではなく、犬がそう感じたかどうかが問題となります。飼い主さんにはそれほどのことに思えなくても、愛犬がトラウマを受けていた可能性もあります。

愛犬をトラウマにしないためにすべきこと

感情的な飼い主

トラウマを持っている犬と聞くと、過酷な環境の中から保護された犬達を思い浮かべる方が多いかもしれません。たしかに、保護犬の多くはトラウマを抱えていると考えて良いでしょう。しかし意外と多いのが、ごく一般的なご家庭で暮らしている犬が、飼い主さんとの関係性から受けるトラウマです。

想像を絶するような強烈な恐怖体験や死にそうな体験ではなくても、犬自身が感じる恐怖やショックの度合いが大きい場合や、度合いが小さくても長期間にわたって繰り返されることで、犬はトラウマを負ってしまいます。

つまり、歯磨きや爪切りといったごく日常的で必要なお手入れでも、やり方によってはトラウマとなってしまう場合があるのです。

例えば愛犬が苦手な爪切りを「必要だから仕方ない」と、押さえ込んで無理やり行ってはいないでしょうか。1日1本ずつ切りご褒美をあげるといったように、ただ我慢させるのではなく、嬉しいことに変えていく工夫をすることで、トラウマにさせずにすむでしょう。

同様に「やってはいけないことを教えるため」といって、愛犬を怒鳴りつけたり、延々とお説教をし続けたり、手を上げたりといったことをすると、犬に何が悪いのかを理解させることができないばかりか、トラウマを与えてしまうことになりかねません。

「やってほしくないことをしそうになったら気を逸してやらせないようにする」、「気を引こうとしている場合は無視する」、「やってほしいことをやるように誘導してご褒美を与える」など、飼い主さんは正しいしつけ方を学ぶことも必要です。

愛犬にとって避けて通れない動物病院での経験も同じです。痛いこと、嫌がること、拘束されることが多く犬が嫌う場所ですが、病院に着いたり診察が終わった時にご褒美をあげる等で、嫌な思い出を嬉しい思い出に書き換えてあげる工夫をしてあげましょう。

もしトラウマを持っている犬を迎えたらすべきこと

怯える犬

家に迎えた犬がトラウマを持っていた場合には、獣医師などの専門家と協力して、トラウマを癒やしてあげる必要があります。その際のポイントをご紹介します。

犬との信頼関係を築く

迎えたばかりの場合は、まず信頼関係を築くことが最優先です。手からご飯を食べさせることも、信頼関係の構築に役立つでしょう。

また、飼い主さんが常に冷静に犬と接することも大切です。

何に対して恐怖を感じているのかを突き止める

トラウマの原因を突き止めるのは難しくても、症状を引き起こすきっかけを突き止めることはできるかもしれません。一緒に暮らす中で様子をよく確認し、これをやったら怖がるなどの傾向をつかんでいきましょう。

恐怖に触れさせないように配慮する

その犬が症状を引き起こすきっかけが分かれば、それを遠ざけることができます。難しい場合もあるでしょうが、できるだけ怖い思いをさせないように工夫しましょう。

恐怖の原因が爪切りや歯磨きといった避けられないことの場合も、時間をかけて克服していきましょう。

安心できる環境を作る

その犬が「ここは安心していられる場所だ」と思えるような環境を作りましょう。

保護犬のように、過去に予想外の怖い出来事を数多く体験している場合は、毎日の生活の中に「決まった時間に決まったことをする」というルーティーンを組み込んだり、「予測できること」を増やしたりすると、安心できるようになることがあるようです。

まとめ

怖がる犬

普段から愛犬の立場に立って接することで、愛犬にトラウマを負わせないようにできるはずです。トラウマをつくるのは特殊な出来事に限ったことではないということを、ぜひ知ってください。

また、万が一愛犬がトラウマを持っていた場合は、その傷を癒やしてあげることが飼い主さんの役目です。

恐怖を呼び戻すきっかけを突き止め、それを遠ざけるような工夫と愛犬が安心して暮らせる環境づくりを心がけてください。時間はかかりますが、焦らずじっくりと向き合いましょう。

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