痩せすぎっていけないの?
肥満が健康に悪いのは周知の事実ですが、痩せすぎも健康に悪いのでしょうか?「太っているよりはマシなのでは?」と思ってしまいがちですが、実は痩せすぎにもさまざまなリスクが潜んでいます。
1.免疫力・体力が下がる
痩せすぎはいわば栄養不足、栄養失調の状態です。このような状態に陥ると免疫力が低下して病気にかかりやすくなるうえ、病気にかかった場合に治りにくくなるというリスクがあります。
また慢性的にエネルギー不足であるために体力も落ちてしまい、元気ややる気が失われてしまいます。
2.病気にかかっている可能性
痩せすぎたことによるリスクというよりは、痩せすぎている場合に疑われるリスクとして病気にかかっている可能性が挙げられます。食欲がなく痩せている場合には口腔内のトラブルや心臓病、消化器関係の疾患が疑われます。
一方、食欲があって食べているのに痩せていくという場合は寄生虫による感染症や甲状腺の異常、またガンによる悪液質などの疑いがあります。
犬版BMI?痩せすぎのチェック方法
では愛犬が痩せすぎかどうかはどのようにしてチェックすれば良いのでしょうか。人間の肥満度チェックの指標としては、体重(kg)を身長(m)の二乗で割ることによって算出する「BMI」が有名です。
わんこにも同様に客観的な数値で判断できる指標があればいいのですが、残念ながらそういったものは存在しません。「犬」と一口に言っても、例えばセント・バーナードとチワワでは体の大きさも体重も全く異なります。
このように犬種による体格差が大きすぎる「犬」の肥満度を統一された1つの計算式で求めることは不可能だからです。
ですが何の指標もないわけではありません。犬版BMIとも呼べる体格指数が「ボディコンディションスコア(BCS)」です。これはわんこの体型を「削痩」「体重不足」「理想体重」「体重過剰」「肥満」の5段階に分けて評価するものです。
ただしBCSは客観的な数値を求める計算式ではなく、わんこの体を目で見て手で触って、あくまで主観的に判断する指標になります。
注意!痩せすぎサイン
BCSの基準に基づいた痩せすぎサインは下記の通りです。
1.肋骨が簡単に触れる
薄い脂肪の下に肋骨が触れるのがBCSの理想体型ですが、問題となるのは肋骨を覆っている脂肪の量。この脂肪の量が「ごく薄い」もしくは「ほとんどない」ために、触るとすぐに肋骨のゴツゴツした感触が感じられたり見るからに肋骨が浮き出ているという場合には痩せすぎの恐れがあります。
2.腰の骨格が浮き出ている
BCSでチェックする2つめの箇所が腰部です。理想体重では「薄い脂肪に覆われてなだらかな輪郭」かつ「骨格が触れる」ことが条件となっていますが、痩せすぎの場合には肋骨と同様に脂肪の量がごく僅かであったり、骨格が浮き出してしまいます。
3.上から見ると砂時計型の体型をしている
わんこの体型の全体を俯瞰して見たとき、腰に適度なくびれがあることはとても重要なポイントです。ですが痩せすぎの場合にはこのへこみが極端に深くなってしまい、結果的に砂時計のような形になってしまいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?人間の若者では過度なダイエットが問題視されていますが、飼い主さんが愛犬の体重や体型を気にするあまりにわざとフードやおやつの量を制限し、痩せすぎ体型に追い込んでしまう例もあります。
理想体重を維持するのは難しいことではありますが、愛犬の寿命を削ってしまわないためにも太らせすぎず痩せさせすぎず、ちょうど良いバランスを保っていきたいですね。