犬のよだれで病気がわかる？5つの危険なサインとやるべき対処法

『犬のよだれでわかる危険なサイン』についてまとめました。「よだれ＋〇〇」で分かる危険なサインと病気があります。時に命に関わることもあるので要注意です。

更新日：2023年01月15日

記事の監修

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。

木陰で休む、舌を出したラブラドールレトリバー

よだれとパンティングが止まらなくなるのは、熱中症が疑われる危険なサインです。

お散歩や運動の後、体温が上昇したことによってパンティングをします。口を開けた状態なので、よだれが出ることがあります。とくに大型犬は、よだれがポタポタと垂れるようなことがありますよね。

正常な状態であれば、しばらくすればよだれもパンティングも治まってきますし、やがて止まります。しかし、熱中症が疑われる場合には止まらなくなってしまいます。

よだれとパンティングが止まらなくなることに加え、このような症状が見られる時は熱中症が疑われますので、すぐに病院へ行ってください。

よだれが出ることに加えて嘔吐したり、吐き出そうとする仕草をしたりするのは、すごく気持ち悪かったり、異物を誤飲したことが疑える危険なサインです。

内臓疾患の進行、毒性のあるものを誤飲した、誤飲したものを詰まらせた、誤飲したものが刺さっているなどする時、吐き出そうとしてよだれが大量に出ることがあります。

必死に吐き出そうとするのですが出てくる様子がありません。そのような時は病院へ急いでください。

口元からよだれと泡の混じったものが垂れている犬

特に大型犬でよだれが出ることに加えて泡を吐くのは、胃拡張・胃捻転・腸捻転が疑える危険なサインです。

食後、胃内のガスによって胃拡張が起き、最悪の場合胃捻転を起こし命にも関わることのある危険な病気です。

主にこのようなことが原因であると言われています。超小型犬～中型犬にも起こりえる病気で、全ての犬種に可能性があります。

拡張や捻転によってお腹が張り、吐き出そうとするのですが出てきません。落ち着きのない様子でウロウロと歩き回り、大量のよだれを出すことがあります。今すぐに病院へ行く必要があります。

よだれが出ることに加え、きつい口臭があるのは、歯周病が疑える危険なサインです。

このような場合、歯石も気になっているはずです。歯周病を放置すると、心臓・腎臓・肝臓など、全身に影響を与えることもあります。他にも目の下の皮膚に穴が開いたり、顎の骨を溶かしたりすることもある、実はかなり怖い病気です。

最近では無麻酔での歯石除去が人気ですよね。しかし、歯の表面の歯石しか取ることができません。飼い主の目に見える範囲はキレイになりますが、歯周病の根本的な治療にはなりません。

治療にはかかりつけの獣医さんに診てもらって必要に応じて全身麻酔による歯石除去などをしてもらいましょう。また、歯の状態によっては抜歯が必要になることもあります。

よだれが増えることに加え、咳や嘔吐の症状があらわれるのは、呼吸器の病気が疑える危険なサインです。

このようなことが原因になりやすいと言われています。

よだれが増えた気がする。吐き出すような仕草が見られる。頻繁に咳をするようになった。呼吸の様子がおかしい。少しでも気になったら病院で診察を受けましょう。

よだれが垂れる犬

犬のよだれでわかる危険なサインを5つ解説しました。

いつもよりよだれが出るな…と思ったら何等かの危険なサインである可能性があります。

「よだれが緑っぽい」「よだれが黄色っぽい」「よだれが茶色っぽい」「よだれに血が混じっている」。このような時はすぐに病院で診てもらってくださいね。