気付かないうちに嫌われているかも
飼い主さんに悪気はなくても、知らず知らずのうちに愛犬から嫌われているかもしれません。実は、飼い主さんが愛犬と一緒に仲良く遊んでいるつもりでも、実は愛犬は嫌がっているということは、決して少なくないのです。
飼い主さんは愛犬と良い関係を築けていると思っているのに、実際には疎まれているなど、考えたくないことですよね。では、一体どういう飼い主さんが嫌われやすいのでしょうか。
犬から嫌われやすい人の特徴は、信頼されづらい人ということです。自分を不安にさせたり危険だと思わせたり不快なことをする人のことを、犬が好きになるはずがありません。まずはその点をしっかりと頭に入れた上で、愛犬とのコミュニケーションを楽しむようにしたいものです。
飼い主がすると愛犬が嫌がる行動
1.抱きしめる
相手を抱きしめるのは、私達人間にとっては愛情表現です。しかし、犬にとっては脅威を感じる行為です。そもそも、犬に抱きしめるという行動はありません。拘束されるため、犬にとっては恐怖を感じてもおかしくない行為なのです。
ただし、信頼関係を築いている飼い主さんに対しては、受け入れてくれるかもしれません。しかしよく知らない人の場合は、とてつもない恐怖を覚えている可能性が高いです。愛犬とそれほど親しくない人が抱きつこうとしたら、上手に止めてあげるようにしましょう。
同様に、よく知らない人から頭を撫でられるのも、犬にとっては脅威であることが多いです。手を頭の上に差し出した時に、緊張して頭を後ろに引いて避ける場合は嫌がっています。撫でさせて欲しいと頼まれた場合は、撫でられると喜ぶ部位に誘導してあげましょう。
2.嫌がる場所を触る
身体の中でも神経が集まっている場所は敏感なので、触られたがらないことが多いです。代表的な場所がマズルや足先です。お手入れで触らざるを得ない場合もあるでしょうが、その場合は手際よく済ませられるように心がけましょう。
3.からかう
飼い主さんは仲良く、そして楽しく遊んでいるつもりかもしれませんが、からかわれたり驚かされたりしてその反応を面白がられることを、強いストレスに感じる犬も多いです。
遊びの場合でも、愛犬の反応をよく観察し、喜んでいるのか嫌がっているのかを判断する冷静さを忘れないようにしましょう。
4.乱暴な言動
感情に任せて声を荒げたり乱暴な行動をすることは、たとえその行為が愛犬に向かっていなくても、愛犬を非常に縮み上がらせてしまいます。ご自身も、身近な方が感情的になり、荒ぶっている様子を見るのは嫌なはずです。
どのような状況でも常に冷静でいられるように、ご自身をクールダウンする術を身に付けましょう。
5.一貫性がない
犬は、して良いことと悪いことのルールが明確だと安心できます。逆に、褒められることや叱られることの基準が一貫しておらず、その時の飼い主さんの気分次第で褒められたり叱られたりする場合は混乱してしまい、常におどおどしているような性格になってしまいます。
愛犬が嫌がっているかどうかを知るためのサイン
顔を背ける
犬が顔を背けるのは、興奮している相手を落ち着かせようとしている行動です。顔だけではなく、身体全体を使って背中を向けるのも同じで、飼い主さんに落ち着いて欲しいという気持ちの時に見せる行動の一つです。
いつまでも地面のにおいを嗅いでいる
いつまでも地面のにおいを嗅いでいるという行動は、慣れない場所の情報を賢明に収集している場合もありますが、緊張した気持ちを落ち着かせようとしている時にも見せる行動です。
同時に、相手に対して敵意がないということも表しています。呼んでもすぐに反応せず、ゆっくりと弧を描くように近づいてくるのも同じで、気持ちを落ち着かせようとしています。
あくびをする
犬は、明らかに眠くない時にあくびをすることがあります。これは、興奮している気持ちを落ち着かせるための行動です。叱られている時のあくびも同じで、ストレスを緩和させようとしている時に見せ、飼い主に対して「もう叱らないで、落ち着いて」と訴えているのです。
ここで紹介したサインは犬が発する代表的なカーミングシグナルで、自分や相手が感じている緊張、ストレスや、興奮している気持ちを落ち着かせようとして発するサインです。
他にも体を掻く、しっぽを振る、口の周りを舐める、耳を倒す、身震いするなど、飼い主さんには気付かない、あるいは誤解してしまうようなカーミングシグナルがたくさんあります。
まとめ
飼い主さんにとって家族同然の愛犬は、とても愛おしい存在でしょう。そんな愛犬から実は疎まれていたら、そんなに悲しいことはありません。しかし人間と犬とでは、コミュニケーション方法が異なります。そのため、お互いに誤解を生じてしまう可能性は少なくありません。
今回ご紹介した飼い主さんの行動も、そういった誤解を生む行動の一種かもしれません。愛情から出たり悪気なく行った行為が、愛犬にとっては脅威で不快なものである可能性が高いものをご紹介しました。
愛犬との間に信頼関係の絆をしっかりと築くためには、愛犬の気持ちを正しく汲み取れるようになることが大切です。そのためには、犬のカーミングシグナルを覚えることが早道でしょう。愛犬の様子を常に冷静に観察し、発しているサインを正しく受け止められるようになりましょう。