犬に絶対NGな『生で与えてはいけない食べ物』5選
犬には人間と一緒に食べても問題のない食材もある一方で、食べてしまうとさまざまな症状を発症する恐れのある食材も存在します。場合によっては後遺症が残ってしまったり、命に関わる危険性のある食材もあるので、飼い主が与えないよう注意しなければなりません。
ここでは、犬に絶対NGな『生で与えてはいけない食べ物』を紹介するので、ここで紹介する食べ物は絶対に与えないよう注意してください。
1.生の豚肉
生の豚肉は、人間も食べてはいけないと注意喚起されています。理由は「トキソプラズマ」という寄生虫が潜んでいる可能性があるからです。
成長した犬がトキソプラズマに感染しても、免疫機能が正常であればほとんど症状を示さず経過します。まれに一部の犬が慢性経過をたどり、下痢・元気消失、貧血、中枢神経症状を引き起こすことがあります。
豚肉は加熱することで寄生虫を死滅させることができるので、もしも少量のみ与えたいという場合は、必ずしっかり熱を通してから与えるようにしましょう。
2.生卵の白身部分
生の卵白部分には、「アビジン」と呼ばれる成分が含まれています。このアビジンはビオチンと結合することで吸収を阻害してしまう恐れがあるため、ビオチン欠乏症に陥る危険性があるのです。
ビオチン欠乏症を引き起こすと皮膚炎や脱毛などを発症することもあるため、犬の健康に悪影響を与えかねません。
大量に与えなければ誤飲してしまっても問題ない、と言われることもありますが、やはり犬によってどのくらい摂取することで発症するかどうかは異なります。生の卵白は与えないようにしましょう。
3.生魚
スーパーなどで販売されているお刺身に関しては、基本的に食べても問題ないと言われています。しかし、生魚にはアニサキスやクドア・セプテンプンクタータという寄生虫が潜んでいる恐れがあります。
こうした寄生虫に感染してしまうと、腹痛や嘔吐、下痢といった症状の他に、腹膜炎などの症状を引き起こすことがあります。
また、チアミナーゼという酵素が含まれており、摂取し続けることでチアミン欠乏症を発症する恐れもあります。さまざまなリスクが潜んでいるので、与えるべきではないでしょう。
4.生のイカやタコ
イカやタコは、犬にとって噛み切りにくい食材です。また、犬自体が「よく噛んで食べる」という考えを持っていないため、噛み切りにくい生のイカやタコをそのまま飲み込んでしまう恐れがあります。
すると、腸の中で消化できずに嘔吐や下痢、腹痛などの消化不良の症状を引き起こす恐れがあります。また、飲み込む際に窒息などの危険性も高まるでしょう。
他にもチアミナーゼが含まれる生食材の1つとしても知られているので、摂取しすぎるとチアミン欠乏症を引き起こすリスクが高まります。生のイカやタコは与えないようにしてください。
5.生のエビやカニ
甲殻類も生で与えるべきではないと言われています。生の甲殻類には、チアミナーゼの一種「アノイリナーゼ」が多く含まれています。そのため、摂取してしまうとチアミン欠乏症を発症するリスクが高まります。
チアミン欠乏症は、疲労感から元気消失などの症状を引き起こし、さらに筋力低下、歩行障害などの異変を生じる恐れもあります。最悪の場合、死に至る危険性もあるため、絶対に与えてはいけません。
しかし、アノイリナーゼは加熱することで無毒化する成分です。そのため、しっかり加熱したものであれば与えても問題ありません。
まとめ
いかがでしたか。基本的に犬に食材を与える際は、必ず加熱処理をした上で与えるようにしましょう。そうすることで、犬にとって毒性の高い成分などが無毒化されるケースが多いです。また、初めて与える食材はアレルギー反応を引き起こす恐れがあります。少量のみ与えて様子を見るようにしてください。