なぜ要求吠えをするの?
犬の要求吠えとは、何かを要求するときや何かをしてほしいときに吠えることをいいます。別名「要求咆哮(ようきゅうほうこう)」とも呼ばれ、寂しい気持ちのときや構ってほしいとき、お腹が空いたとき、触ってほしいときなどによくみられます。
犬が要求吠えをするのは、子犬のころの社会化期に関係があるといわれています。社会化期とは、生後2~3ヵ月ごろに母犬や兄弟犬と一緒に暮らすことでケンカの仕方やコミュニケーションの取り方、遊び方、甘噛みの仕方、他の犬や人への接し方を学び、体力的にも精神的にも成長できる時期をいいます。
子犬にとって重要なこの時期に要求されるままにご飯をあげたり、執拗に吠えるからといって構ってあげたりすると、犬は「吠えると要求を叶えてくれる」と学習し、「どうすれば飼い主さんが動いてくれるか」と考えるようになります。
子犬の時期にこの学習をさせてしまうと、成犬になったあとも要求吠えが直らないことが多いといわれています。
要求吠えをやめさせる方法
要求吠えは、犬にとっても飼い主さんにとっても良いものではありません。犬と人が暮らしていく上で、要求吠えはやめさせることをオススメします。
実は、要求吠えをやめさせる方法には共通していることが一つあります。それは「無視をする」ということ。要求吠えをやめさせる方法について、シーンごとにご紹介します。
シーン①ご飯がほしくて要求吠えする場合
「お腹が空いた」「ご飯が食べたい」と要求する場合、犬は「吠えると飼い主さんがご飯をくれた」という過去の経験が原因と考えられます。また、「そろそろご飯の時間だよ」と飼い主さんに教えているつもりなのかもしれません。
この要求吠えをやめさせるには、吠えやむまで無視をし続けることです。吠えがやんだらご飯をあげましょう。犬に「そろそろご飯の時間だ」と悟られないよう、ご飯の時間を決めないこともオススメです。
また、ご飯の準備をしている姿を見せないようにすることも効果的です。事前にハウスの中に入れておくのも良いでしょう。
シーン②他の犬と遊びたくて要求吠えをする場合
散歩中によくみられる光景です。このような場合に要求吠えをするのは「犬同士の挨拶の仕方が分からない」「興奮状態が続いていること」が原因と考えられます。
相手の飼い主さんに謝りつつ、愛犬に対しては無視をし続けます。吠えが止んだら思いっきり褒めてあげましょう。
持参したオモチャで一緒に遊ぶことで、体力を分散させましょう。また興奮状態を落ち着かせるために、一度オスワリやフセをさせてから犬同士の挨拶をさせてあげてください。
シーン③帰宅時に要求吠えをする場合
飼い主さんが家に帰宅したときに、愛犬が嬉しそうに吠えていませんか?
これは「飼い主さんに会えて嬉しい!」という気持ちよりも、実は「早く遊んで!」「早くご飯ちょうだい!」という要求の気持ちの方が勝っていることも。このときに一緒に喜んでしまうと、「吠えると飼い主さんが喜んでくれる」と学習してしまいます。
家に帰宅して犬が要求吠えをし始めたら、別の部屋に移動して愛犬の前から姿を消しましょう。そうすると犬は「いなくなったのは吠えたせい?」と学習してくれます。吠えがやんだのを確認したら、再び愛犬の目の前に姿をあらわし、思いっきり挨拶してあげましょう。
すぐには効果があらわれないかもしれませんが、根気強く続けることで要求吠えをしなくなります。
まとめ
犬の要求吠えは、「無視をすること」が大切です。かわいそうと思うかもしれませんが、飼い主さんが構いすぎないこと、つまり無視をし続けることが改善へとつながり、要求吠えをエスカレートしない効果的な方法となります。
普段の生活リズムや環境を見直して、「要求吠えをする必要はない」ということを教えてあげてくださいね。