①聴覚
人が聴こえる音の周波数の範囲(可聴域)が20~2万ヘルツに対し、犬は16~12万ヘルツと広範囲で高周波の音を聞きとることができます。周波数が高いほど高音になりますが、犬は人が聞き取ることができない広範囲で高周波の音(超音波)を聴くことができます。
人には感じることができない音に敏感に反応し、遠くの音源を特定することができる能力も高く、なんと1km以上離れた場所の音も聞くことができるといわれています。愛犬が急に耳をピクピクを動かしているときは、何かの音を拾おうとしているのかもしれません。
また、犬種によって聴覚に差はありません。例えば体が小さくて耳が立っているチワワと、体が大きくて耳が垂れているゴールデンレトリバー、どちらも聴覚は同じということです。
②嗅覚
犬が持つ五感(嗅覚、視覚、味覚、聴覚、触覚)の中で最も優れているのが、嗅覚です。鼻の粘膜には嗅覚細胞があり、人が500万~2000万個に対し、犬は7000万~2億2000万個にも及びます。
犬にとって嗅覚は、人でいう視覚と同じような情報量を感じ取っています。散歩に出かけたときに、よく地面や草花、空気の匂いを一生懸命に嗅いでませんか?これは「どんな匂いをするんだろう?」「どんな犬がいるのかな?」と情報収集をしています。
人は一つの強い匂いしか嗅ぎとることができません。例えば、家に帰ってきて「今日のご飯はカレーだ!」とすぐに当てることができますが、同時にオカズや洗濯物の匂いなどを感じることはできませんよね。しかし犬は全ての匂いを嗅ぎ分けることができます。
犬の嗅覚は、人間社会においてとても重要な役割を担っています。例えば、警察犬は犯人や麻薬を捜すことに嗅覚を使い、災害救助犬は匂いによって遭難者を見つけ出します。犬は人にとってなくてはならない存在なのです。
とくに嗅覚が良い犬種は?
下記の犬種はとくに嗅覚が優れています。
- ジャーマンシェパード
- ダックスフンド
- ドーベルマン
- ビーグル
匂いを感じ取る細胞(骨稜)が、鼻が長いほど多いということが理由です。
③視覚
犬の視覚は人間でいうと0.2~0.3で、視界はぼんやりしていて物事をくっきりと判別することはできません。また色の識別能力も低く、物事を明暗で見分けています。
しかし、犬は人よりも動体視力に優れ、動くものをとらえる能力がとても高いです。たとえ100m先の動くものに対しても敏感に反応するといわれています。また、犬は人よりも広い視野を持ち、人の視野は160~180度に対し犬の視野は250度といわれています。
④身体能力
信じられない速さで走ったり、見たこともない高さのジャンプをしたり、体力が続く限り遊んだり。犬と暮らしていると犬の身体能力に驚くことが多いですよね。
犬は柔軟な筋肉を持つため、人よりもはるかに走るのが速いです。人は足の指と足裏を地面につけて走りますが、犬は足の指だけを地面に付けて、つま先立ちのような状態で走ります。そのため、速く走ることができるだけでなく持久力やジャンプ力にも長けています。
サルーキやボルゾイ、イタリアン・グレーハウンドのようなサイトハウンド種に分類される犬種は、嗅覚よりも視覚と走力で獲物を狩っていたため抜群のスピードを持っています。時速70kmで走ることも。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬は人より優れた能力をたくさん持っています。ドッグランに出かけたりお友達と思いっきり走ったりすることで、これらの優れた能力を存分に発揮できるようにしましょう。